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賃貸管理コラム

マンション投資は税金対策になる? 節税につながる理由やマンション経営で節税する注意点を解説

相続・不動産投資

2026.09.02

更新日 2026.09.03

マンション投資は税金対策になる? 節税につながる理由やマンション経営で節税する注意点を解説

「マンション投資は税金対策になる」と耳にしたことがある方も多いでしょう。実際に、適切に運用すれば一定の節税効果が期待できます。しかし、その仕組みを十分に理解しないまま始めると、かえって損失を招く可能性もあります。マンション投資で税金対策を行うには、節税の仕組みや運用上の注意点を正しく理解することが大切です。

本記事では、マンション投資が節税につながる理由をはじめ、税金対策に向いているマンションや、マンション経営で節税を行う際の注意点を解説します。また節税効果を高める上で、不動産管理会社の選定が重要となる理由や選び方のポイントも紹介します。マンション投資による節税を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

マンション経営が税金対策につながる理由

マンション経営によって期待できる節税効果は、主に次の3つに分類されます。

● 所得税・住民税の軽減
● 相続税・贈与税の軽減
● 固定資産税・都市計画税の軽減


ここからは、それぞれの節税効果について解説します。

1. 所得税・住民税の軽減

1つ目は、所得税・住民税の軽減が期待できる点です。オーナーが会社員などの給与所得者の場合、マンション投資による赤字を給与所得と相殺することで所得税や住民税の負担を抑えられます。これを損益通算と呼びます。例えば、給与所得が600万円の方が不動産投資で50万円の赤字を出した場合、課税所得となるのは600万円 - 50万円 = 550万円です。

所得税や住民税は、この課税所得額に一定の税率を乗じて算出されるため、損益通算によって課税所得を減らすことで節税につながる仕組みです。

またマンション投資では減価償却を活用できるのも大きなメリットになります。減価償却とは、固定資産の購入にかかった費用を耐用年数に応じて分割し、毎年経費として計上できる制度です。

例えば、鉄骨鉄筋コンクリート造あるいは鉄筋コンクリート造の居住用マンションの法定耐用年数は47年です。減価償却の対象となるのは土地部分を除いた建物部分(設備含む)で、仮に建物部分の取得費用が5,000万円であれば、物件を取得した年度から47年間にわたって、定められた償却率に基づき求めた減価償却費を経費として計上します。なお、平成10年4月1日以後に取得した建物についての減価償却方法は定額法のみとされています。

課税対象となる不動産所得は、不動産収入の総額から経費を差し引いて計算するため、減価償却を行うことで課税所得が圧縮され、結果として所得税や住民税の節税につながります。


※正確な計算や適用要件については、個別の状況により異なるため税務署や税理士などの専門家にご確認ください。

※参考:国税庁.「主な減価償却資産の耐用年数表」p1. ,(2026-04-06)

※参考:国税庁.「No.2100 減価償却のあらまし」. ,(2025-04-01)


2. 相続税・贈与税の軽減

2つ目の理由は、相続税・贈与税の軽減です。資産を子などに残したいと考えている場合、投資用マンションを所有することで相続税や贈与税の負担を抑えられる可能性があります。

相続税とは、亡くなった親などからお金や不動産を相続した際に、その取得財産に対して課される税金です。一方、贈与税は個人から財産を受け取ったときに課税されるもので、親が生前に子へ資産を移転した場合などに発生します。

これらの税金は課税対象となる資産の評価額に対して所定の税率を乗じて計算されるため、資産評価額が高くなるほど税金の負担が大きくなります。投資用マンションの場合、相続税評価額は、国税庁が毎年発表している路線価や評価倍率などに基づいて計算します。路線価は、公示価格等を基に定められています。一方、評価倍率方式では、固定資産税評価額に土地ごとに定められた評価倍率を乗じて評価します(※1)。
例えば5,000万円の資金を現金として保有している場合と、同じ5,000万円でマンションを購入した場合では、相続税評価額が異なる場合があります。そのため、現金で保有する場合と比較して、マンションとして資産を保有することで相続税の課税価格を抑えられる可能性があります。

このような理由から、現金で保有するよりもマンションとして資産を持つ方が、相続税・贈与税の節税につながるとされています。

なお、入居者がいる投資用マンションは、賃貸されている土地や建物について一定の評価方法が適用されます。賃貸用不動産である貸家建付地や貸家は、借地権割合や借家権割合、賃貸割合などが考慮されるため、自用の不動産とは異なる評価方法が適用されます(※2)。

このように、各種割合が反映されることで評価額が抑えられ、結果として相続税・贈与税の軽減効果が期待できます。ただし、近年は過度な相続税対策を防ぐ目的で税制改正が行われるケースもあり、マンション投資による相続税対策は難しくなってきている点に注意しましょう。税制変更に伴うリスクについては、あらかじめ理解しておくことが重要です。

※1参考:総務省.「固定資産税の概要」. ,(参照2026-04-06).


※2参考:国税庁.「No.4614 貸家建付地の評価」. ,(参照2026-04-06).


※2国税庁.「No.4602 土地家屋の評価」. ,(参照2026-04-06).

3. 固定資産税・都市計画税の軽減

3つ目の理由は、住宅用地に対する特例によって、固定資産税・都市計画税の負担が軽減される場合がある点です。元々更地を所有している場合、その土地に投資用マンションを建てることで、一定の要件を満たせば住宅用地に対する特例が適用され、土地にかかる税負担を抑えられる可能性があります。これらの税金は土地や建物に対して課されるもので、毎年1月1日時点の所有者に納税義務が発生します。

固定資産税と都市計画税は土地・建物の用途にかかわらず課税されますが、住宅やマンションなどの居住用建物が建っている土地の場合、税負担が軽減される住宅用地特例が適用される点が大きな特徴です。特例が適用されると、課税標準額が200m²以下までは価格の1/6、200m²を超える部分は価格の1/3になります(※)。

固定資産税および都市計画税は、それぞれ課税標準額に一定の税率を乗じて算出されるため、住宅用地特例が適用されることで税負担の軽減につながります。一方、更地のままではこのような特例は適用されません。そのため、更地にマンションを建てる場合には、住宅用地に対する特例によって税負担が変わる可能性があることを理解しておきましょう。

※参考:総務省.「固定資産税」.,(参照2026-04-06).

マンション経営で節税を行う際の注意事項

ここまでマンション投資による節税効果について説明してきましたが、実際に税金対策として有効かどうかは、個々の状況によって異なる点に注意が必要です。場合によっては節税どころか大きな損失につながる可能性もあるため、以下の5点を確認し、注意事項を理解した上でマンション投資を検討しましょう。

● 赤字前提の節税効果に注意
● デッドクロスのリスクがある
● 現金よりも遺産分割が複雑化しやすい
● 税制改正による影響
● 税務知識不足に伴うリスク


ここからは、それぞれの注意点について詳しく説明します。

赤字前提の節税効果に注意

損益通算による節税は、マンション経営が赤字であることを前提としている点を理解しておくことが重要です。

例えば、給与所得600万円のケースを考えてみましょう。給与所得600万円の場合、所得税は600万円 × 20%(所得税率) - 42万7,500円(控除額) = 77万2,500円となります。

もしマンション経営で50万円の赤字が発生した場合、損益通算により課税所得額は600万円 - 50万円 = 550万円となり、所得税は550万円 × 20% - 42万7,500円 = 67万2,500円です。

その結果、損益通算を行わない場合と比べて、77万2,500円 - 67万2,500円 = 10万円の節税効果が生じる計算になります。しかし実際には、マンション経営で50万円の赤字が出ているため、節税分10万円を差し引いても最終的には40万円の損失となります(ただし住民税も含めて考慮することも必要です)。

そもそも損益通算は損失の負担を軽減するための制度であり、節税目的で意図的に赤字を出すものではありません。あくまで、マンション経営が安定するまでの間に発生した損失を補う手段として活用すべきものであり、目的そのものではない点に注意が必要です。

※参考:国税庁.「No.2260 所得税の税率」.(2025-04-01).


デッドクロスのリスクがある

デッドクロスによるリスクがあることも知っておきましょう。デッドクロスとは、ローンの元金返済額が減価償却費を上回る現象です。ローンの返済は毎月キャッシュとして支払う必要がありますが、物件取得費はすでに減価償却によって経費計上されています。そのため、元金返済分を経費に含められません。なお、ローンの利息は経費として計上可能です。

借入当初は、元金返済額より減価償却費の方が大きいケースが多く、節税効果を得やすいでしょう。しかし、減価償却費は設備部分の償却終了などにより、年数の経過と共に減少することがあります。やがては元金返済額>減価償却費となり、逆転現象が起こる可能性があるのです。

この場合、帳簿上は利益が出ていても、実際の手元資金はそれほど残らない状況に陥りやすくなります。それにもかかわらず、課税所得額は帳簿上の利益を基に計算されるため、結果として所得税の負担が相対的に重くなるでしょう。

もしマンション経営が安定していない段階でこの状況に陥ると、税負担の増加によってさらに資金繰りが悪化し、経営破綻のリスクも高くなることが懸念されるため注意が必要です。

現金よりも遺産分割が複雑化しやすい

投資用マンションの購入は相続税対策になる一方で、遺産分割が複雑化しやすいというデメリットもあります。現金の場合は細かく分割できますが、不動産は物理的に分けることが難しいため「誰が相続するのか」を巡ってトラブルが生じる可能性があります。

一つの不動産を法定相続人全員で共有する方法もありますが、その場合、将来的に売却などの処分を行う際には、共有名義人全員の同意を得なければなりません。

このようなトラブルを防ぐためには、あらかじめ遺言書を作成し、マンションをどのように分割・承継するのかを明確にしておくことが重要です。

税制改正による影響

将来的な税制改正によっては、節税効果が低下したり、失われたりするリスクもゼロではありません。これまで解説してきたマンション投資の節税効果は、現行の法律や制度に基づくものです。

代表的な例として、令和6年1月1日以後に取得した居住用の区分所有財産、いわゆる分譲マンションの評価方法の変更が挙げられます(※)。マンション投資による相続税対策は、相続税評価額と取引相場の乖離が大きいほど有利になるため、高層階のタワーマンションを税金対策として購入するケースが多々見られました。変更前は階層による評価差がなく、高階層の人気による価格乖離が大きかったためです。

そこで国では、物件の築年数や一棟の区分所有建物の総階数指数、一室の区分所有権などに係る専有部分の所在階などから算出する評価乖離率を加味した区分所有補正率を、評価額の計算式に導入しました。この改正により、タワーマンションの評価額が以前よりも上昇し、相続税対策の効果が相対的に低くなったとされています。

このように、税制改正によって節税効果が変動する可能性があることを理解しておくことが重要です。

※参考:国税庁.「「居住用の区分所有財産」の評価が変わりました」.(参照2026-04-06).

税務知識不足に伴うリスク

誤った知識で税金対策を行うと、期待した節税効果が得られなかったり、税務調査で過剰な経費計上を指摘されたりするリスクがあります。マンション投資で節税効果を得るためには、減価償却や損益通算といった税務に関する正しい知識が必要不可欠です。

節税を目的とする場合は税務の基本を正しく理解し、適切に運用することが大切です。

節税に向いているマンションの条件

節税を目的にマンションを購入する場合は、以下のような条件を目安に物件を選ぶと効果的でしょう。

立地条件が良い

立地条件が良いマンションは、節税効果を得やすいでしょう。立地の良いマンションは利便性が高く、空室リスクが低い傾向にあります。

損益通算や減価償却費を活用して初期費用を抑えつつ、安定した家賃収入を確保できれば、投資コストを早期に回収することもできます。駅近や大学・商業施設の周辺など、需要が安定しているエリアの物件は、長期的な経営も軌道に乗せやすいでしょう。

減価償却を早めたい場合は中古物件も選択肢の一つ

減価償却を早めたい場合は、中古物件を選ぶのも一つの方法です。中古物件の場合、減価償却期間にあたる耐用年数は、物件の経過年数によって変化します。

取得時点ですでに法定耐用年数の全てが経過していた場合は、その物件の本来の法定耐用年数の20%に相当する年数を適用します。一方、法定耐用年数の一部が残っていた場合は、法定耐用年数から経過年数を差し引いた年数に、経過年数の20%に相当する年数を加えたものが適用されるのです。

例えば、RC造の居住用マンションの法定耐用年数は47年ですが、取得時点ですでに法定耐用年数の全部を経過している場合は、47年 × 20% = 9.4年となります。1年未満の端数を切り捨てると9年となるため、この中古物件の耐用年数は9年です。

一方、取得時点で10年が経過していた場合は以下の計算式で耐用年数を算出します。

47年 - 10年 = 37年
10年 × 20% = 2年
37年 + 2年 = 39年


このように、中古物件は法定耐用年数が短くなる場合があるため、同じ価額で取得した新築物件に比べると1年当たりの減価償却費が大きくなることがあります。そのため、減価償却による経費計上を早めたい場合には、中古物件を選ぶことも一つの選択肢です。

ただし、中古物件は状態によって修繕費がかさむ場合があります。修繕コストが大きくなると節税効果よりも支出の方が上回る可能性があるため、中古物件を選ぶときは将来のメンテナンス費用も含めて総合的に検討することが重要です。

※参考:国税庁.「No.5404 中古資産の耐用年数」(2025-04-01)

マンション経営を成功させるには管理会社選びも重要

マンション経営を安定させるには、物件管理を任せる不動産管理会社やマンション管理会社の選定が非常に重要です。管理が行き届いていない物件は、空室が長期間続き、赤字経営に陥るリスクが高まります。前述したように、赤字を前提とした税金対策はリスクが高いため、信頼できる管理会社に空室対策や物件のメンテナンスを任せることが大切です。

なお、管理会社を選ぶ際は以下のポイントを確認しましょう。

● 管理物件の入居率
● コストとサービス内容のバランス
● 対応エリア


入居率とは、管理物件全体の部屋数に対して実際に入居している部屋の割合を示します。管理物件の入居率が95〜96%以上ある管理会社は、入居者募集力が高く、空室リスクの低減が期待できるでしょう。

また管理会社に支払う管理料と、提供されるサービス内容のバランスも重要です。管理費は一般的に家賃収入の3〜5%程度が相場とされていますが、手厚いサービスを提供する会社はそれ以上の管理手数料を設定しているところもあります。

他社とサービス内容がほぼ同じで、費用だけが高い場合は、経営コストが膨らみ、節税効果が薄れる可能性があります。できれば複数の管理会社から相見積もりを取り、コストとサービスを比較して、適切な会社を選ぶことが望ましいでしょう。

さらに、対応エリアも重要です。地域密着型の管理会社であれば、地域特有の条件を踏まえた入居者募集やトラブル対応ができ、問題発生時には迅速に現地対応してもらえるというメリットがあります。

【まとめ】節税目的でマンション投資を始めるのはハイリスク! 安定収益を重視した経営を目指そう

マンション投資では損益通算や減価償却を活用して所得税を節税したり、相続税評価額が取引相場よりも低くなる仕組みを利用して相続税を抑えたりできます。しかし、これらの節税効果は赤字経営を前提としていたり、デッドクロスのリスクを伴ったりするため、注意が必要です。

特に赤字が長引くと、得られる節税によるメリット以上に経済的な負担が膨らむ可能性があります。そのため、マンション投資による節税はあくまで副次的なものと考え、税負担を抑えつつ安定した利益を確保できるマンション経営を目指すことが大切です。

株式会社中央ビル管理は、地域密着型の不動産管理会社として、これまで25,000戸超の管理戸数実績があります。不動産管理と仲介の一体化と、主要拠点から車で1時間程度で駆けつけられるエリアへの限定サービスにより、スピーディな空室解消を実現します。税対策と収益性の両立を図りながらマンション経営を成功させたい方は、ぜひ株式会社中央ビル管理までお気軽にご相談ください。


※個別の税額計算や、特例の適用可否、具体的な申告手続きなどについては、必ず所轄の税務署や税理士などの専門家にご相談ください。




監修

(株)中央ビル管理 取締役 江本 昌央氏

所属/(株)中央ビル管理取締役 業務管理部部長 
保有資格/ 宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士

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