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賃貸管理コラム

不動産収入にかかる税金は?税率や計算方法を分かりやすく解説

税金

2026.08.26

更新日 2026.08.26

不動産収入にかかる税金は?税率や計算方法を分かりやすく解説

アパートやマンションなどを運用して不動産収入を得た場合、その収入に応じて所得税や住民税などの税金を支払う必要があります。税金の種類によって税率や計算方法が異なるため、あらかじめ確認しておきましょう。また節税効果を高めるためには、経費や控除について理解しておくことも大切です。

本記事では、不動産収入にかかる主な税金の税率や計算方法などを紹介します。併せて、税金の計算時に経費として計上できる支出や、各種の控除についても解説しているため、節税を図りたい場合はぜひ参考にしてください。

不動産収入にかかる主な税金の税率と計算方法

不動産の運用によって収入を得ると、以下のような税金を支払う必要があります。

● 所得税
● 住民税
● 消費税


正しく納税するためにも、それぞれの税金の仕組みや税率を理解しておきましょう。

1. 所得税

所有するアパートやマンションの運用によって得た家賃収入などは、所得税の課税対象です。家賃収入には、共益費や管理費、駐車場代、礼金、更新料なども含まれます。

ただし、家賃収入の金額に対して、そのまま課税されるわけではありません。家賃収入から経費を差し引き、給与所得などの他の所得を合算した金額(課税所得金額)に対して課税されます。所得税の計算式は、以下の通りです。

所得税 = 課税所得金額 × 税率 − 控除額

上記の式における税率や控除額は、下表のように定められています(※)。

【課税所得金額】     
■1,000〜194万9,000円まで     税率5%  控除額0円
■195万〜329万9,000円まで     税率10%  控除額9万7,500円
■330万〜694万9,000円まで     税率20%  控除額42万7,500円
■695万〜899万9,000円まで     税率23%  控除額63万6,000円
■900万〜1,799万9,000円まで    税率33%  控除額153万6,000円
■1,800万〜3,999万9,000円まで    税率40%  控除額279万6,000円
■4,000万円以上            税率45%  控除額479万6,000円


上の表の通り、課税所得金額が増えるほど税率が高くなり、多くの所得税を納める必要があります。

※参考:国税庁.「所得税の税率」. ,(参照 2026-04-15).

2. 住民税

住民税は、1月1日時点で住民票がある地域に納付する税金です。所得税と同様に、所得金額に応じて課税されます。住民税の計算式は、以下の通りです。

住民税 = 均等割 + 所得割

住民税は、定額で課税される均等割と、所得に応じて課税される所得割の2つを合計して求めます。均等割は4,000円と決められており、そのうち1,000円が道府県民税、3,000円が市町村民税です。さらに2024年度からは、均等割と併せて森林環境税(1,000円)の徴収が開始されました。

また所得割の税率は一律10%で、そのうち4%を道府県民税、6%を市町村民税(政令指定都市の場合は、2%を道府県民税、8%を市民税)として納付するのが一般的です(※)。

なお、都道府県や市町村が独自のルールを定めている場合もあるため、自治体の情報を事前に確認しておきましょう。

※参考:総務省.「個人住民税」. ,(参照 2026-04-15).

3. 消費税

居住用の不動産を運用して家賃収入を得た場合は、その家賃収入は非課税取引(非課税売上)となるため、消費税を納付する必要はありません。一方で店舗や事務所、倉庫など、事業用の不動産を運用して家賃収入を得たときは、課税売上が1,000万円を超えると、その翌々年から消費税が課税されます。

居住用の不動産であると認められるための条件は、次の2つです。

● 契約書に居住用であると明示されている
● 1カ月以上の賃貸期間がある


たとえ居住用として運用していたとしても、契約書に明記されていなかったり、賃貸期間が1カ月未満であったりすると、消費税が課税されます。また居住用・事業用の両方の部分が存在する不動産の場合は、それぞれの面積比で按分する仕組みです。按分した結果、事業用の部分に対する課税売上が1,000万円を超えた場合は、消費税が課税されます。

※参考:国税庁.「No.6226 住宅の貸付け」.,(2025-04-01)


※参考:国税庁.「居住用賃貸建物の取得等に係る仕入税額控除の制限等」. ,(参照 2026-06-02).

不動産収入の税金を計算するときの経費

前述の通り、所得税や住民税を計算するときは、家賃などの収入から経費を差し引き、課税所得金額を求める必要があります。不動産の運用において経費と認められるのは、以下のような支出です。

● 減価償却費
● 修繕費
● 管理手数料
● 固定資産税
● 損害保険料
● 借入金の利息
● 広告宣伝費
● 交通費・通信費・接待交際費など


経費を正しく計上することは、節税に向けた一つの手段となります。それぞれの経費について確認しておきましょう。

1. 減価償却費

減価償却費とは、資産の取得費用を耐用年数に応じて分割し、計上するときの経費です。アパートやマンションの取得には高額な費用がかかります。しかし、不動産は1年間で使い切るような資産ではないため、定められた耐用年数によって分割して、毎年少しずつ経費として計上していくのが基本です。

ただし、全ての資産が減価償却の対象となるわけではありません。建物は減価償却の対象ですが、土地は対象ではないため注意しましょう。

2. 修繕費

修繕費とは、アパートやマンションなどの修理やメンテナンスにかかった費用のことです。これらの建物は、年数の経過とともに少しずつ劣化していきます。建物の価値を維持し、入居者を確保するためにも、以下のような修繕が必要になることがあります。

● 壁紙・床の張り替え
● 外壁の塗り替え
● ガラスの交換
● 給排水設備・空調設備の交換


上記のような原状回復や現状維持のためにかかった修繕費用は、基本的に経費として認められるため、忘れずに計上しましょう。

3. 不動産管理会社・マンション管理会社への手数料

不動産管理会社やマンション管理会社へ、業務を委託したときに発生する管理手数料も、経費として計上できます。管理手数料は、家賃収入の数%などと設定されるのが一般的です。

基本的には毎月発生し、年間で見ると大きな経費となるため、しっかりと把握して計上しましょう。

4. 固定資産税

固定資産税とは、土地や建物などの固定資産にかかる税金です。1月1日時点で固定資産を所有している場合、その資産の評価額を基に決められた固定資産税を納付する必要があります。毎年、納税通知書が送られてくるため、納税額を確認し、経費として計上しましょう。

その他、以下のような税金も経費として計上できます。

● 不動産取得税
● 登録免許税
● 都市計画税
● 個人事業税


5. 損害保険料

不動産の運営において、地震保険や火災保険、施設賠償責任保険などに加入している場合、その保険料は経費として計上できます。ただし、数年分の保険料をまとめて支払った場合は、一括で計上せず、確定申告する年にかかる分のみを計上しましょう。

6. 借入金の利息

不動産を取得するときにローンを組んだ場合は、毎月、返済金が発生します。この返済金のうち、利息分は経費として計上できます。

7. 広告宣伝費

広告宣伝費とは、不動産をアピールして入居者を募集するなど、広告や宣伝のためにかかった経費のことです。不動産管理会社へアピールを依頼したり、不動産ポータルサイトに情報を掲載したりしたときに発生します。広告宣伝費は経費として認められるため、忘れずに計上しましょう。

8. 交通費・通信費・接待交際費など

ここまで紹介した費用の他、以下のような支出も経費として計上できます。

● 交通費:不動産の購入・管理のための電車代・バス代
● 通信費:情報収集・連絡のためのインターネット代・電話代
● 接待交際費:不動産運営のために必要な相手との飲食代
● 水道光熱費:共用部分の電気代や水道代
● 新聞図書費:賃貸経営に関する情報収集や勉強のための書籍・新聞代
● 消耗品費:事務用品などの購入費用(10万円未満)



ただし、経費として計上できるのは不動産の運営に関する支出に限られます。上記のような費用が発生したときは、忘れずに計上しましょう。

不動産収入の税金計算時に経費として認められない支出

さまざまな支出を経費として計上できる一方で、経費として認められない費用もあります。以下のような支出は、経費として計上できないため注意しましょう。

● 不動産運営に関係ない支出
● 所得税
● 住民税
● 借入金の元本返済分


当然ですが、経費として認められるのは、不動産運営に関連する支出のみです。プライベートで購入した洋服や食料品などの費用は、経費として計上できません。また所得税や住民税は、不動産運営に関係なく発生するため、経費として計上しないように注意しましょう。

借入金の元本返済分も経費として認められません。前述の通り、借入金のうち利息分のみを経費として計上できます。経費として認められない支出を計上すると、税務署から指摘を受けるケースもあるため、一般的な計上ルールの仕組みを理解しておくことが大切です。

不動産収入に関する主な控除

所得税や住民税を計算する際には、基礎控除や社会保険料控除、医療費控除などを受けられます。控除をうまく活用すれば納める税金を減らせる可能性があるため、しっかりと理解しておきましょう。ここでは、主な控除について紹介します。

1. 基礎控除

基礎控除とは、納税者本人の合計所得金額に応じて適用される控除です。所得金額から一定額を差し引いて課税所得金額を減らし、税負担を軽減します。所得金額ごとの控除額は、下の表の通りです(※)。

【納税者本人の合計所得金額 132万円以下】 
控除額
■2024年分以前・・・・・48万円
■2025年分・2026年分・・95万円
■2027年分以降・・・・・95万円


【納税者本人の合計所得金額 132万円超336万円以下】 
控除額
■2024年分以前・・・・・48万円
■2025年分・2026年分・・88万円
■2027年分以降・・・・・58万円


【納税者本人の合計所得金額 336万円超489万円以下】 
控除額
■2024年分以前・・・・・48万円
■2025年分・2026年分・・68万円
■2027年分以降・・・・・58万円

【納税者本人の合計所得金額 489万円超655万円以下】 
控除額
■2024年分以前・・・・・48万円
■2025年分・2026年分・・63万円
■2027年分以降・・・・・58万円

【納税者本人の合計所得金額 655万円超2,350万円以下】 
控除額
■2024年分以前・・・・・48万円
■2025年分・2026年分・・58万円
■2027年分以降・・・・・58万円

【納税者本人の合計所得金額 2,350万円超2,400万円以下】 
控除額
■2024年分以前・・・・・48万円
■2025年分・2026年分・・48万円
■2027年分以降・・・・・58万円

【納税者本人の合計所得金額 2,400万円超2,450万円以下】 
控除額
■2024年分以前・・・・・32万円
■2025年分・2026年分・・32万円
■2027年分以降・・・・・32万円

【納税者本人の合計所得金額 2,450万円超2,500万円以下】 
控除額
■2024年分以前・・・・・16万円
■2025年分・2026年分・・16万円
■2027年分以降・・・・・16万円

【納税者本人の合計所得金額 2,500万円超】 
控除額
■2024年分以前・・・・・0万円
■2025年分・2026年分・・0万円
■2027年分以降・・・・・0万円

2025年分以降、税制改正により基礎控除額が段階的に引き上げられ、大幅に変更されているため、計算時に注意しましょう。

※参考:国税庁.「基礎控除」. ,(参照 2026-04-15).




2. 社会保険料控除

社会保険料控除とは、納税者本人や生計を共にする親族のために支払った社会保険料を控除する仕組みです。その年に支払った社会保険料の全額を控除できます。具体的には、以下のような社会保険料が控除の対象です。

● 健康保険料
● 国民年金保険料
● 厚生年金保険料
● 介護保険料
● 労働保険料
● 国民年金基金の掛金


3. 医療費控除

医療費控除とは、納税者本人や生計を共にする親族のために支払った医療費の合計が一定額を超えた場合に受けられる控除で、控除額の上限は200万円です。医療費控除の金額は、以下の式で計算されるのが一般的です(※1)。

医療費控除の金額
= 実際に支払った医療費の合計金額 − 保険金などで補填される金額 − 10万円


また一定の条件を満たす場合には、医療費控除ではなくセルフメディケーション税制の適用を受けられます。この制度では、特定一般用医薬品等購入費の合計額のうち、1万2,000円を超える部分(上限8万8,000円)を控除する仕組みです(※2)。

なお、医療費控除とセルフメディケーション税制は併用できないため、注意しましょう。

※1 参考:国税庁.「医療費を支払ったとき(医療費控除)」.“医療費控除の対象となる金額”.,(参照 2026-04-15).


※2 参考:国税庁.「医療費を支払ったとき(医療費控除)」.“セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)”. ,(参照 2026-04-15).

4. 配偶者控除

配偶者控除とは、生計を共にしている配偶者がいる場合、納税者本人の合計所得金額に応じて受けられる控除です。配偶者が70歳以上である場合は「老人控除対象配偶者」に該当し、控除額が異なります。具体的な控除額は、下の表の通りです(※)。

【納税者本人の合計所得金額 900万円以下】 
■一般の控除対象配偶者・・・38万円
■老人控除対象配偶者・・・・48万円

【納税者本人の合計所得金額 900万円超950万円以下】
■一般の控除対象配偶者・・・26万円
■老人控除対象配偶者・・・・32万円

【納税者本人の合計所得金額 950万円超1,000万円以下】
■一般の控除対象配偶者・・・13万円
■老人控除対象配偶者・・・・16万円


※参考:国税庁.「配偶者控除」.,(参照 2026-04-15).


 

5. 扶養控除

扶養控除とは、一定の条件を満たす扶養親族がいる場合に受けられる控除です。控除額は、下の表のように年齢や同居の有無によって異なります(※)。

【一般の控除対象扶養親族】
→控除額38万円

【特定扶養親族】
→控除額63万円

【老人扶養親族】
→同居老親等以外の者 控除額48万
→同居老親等 控除額58万円


※参考:国税庁.「扶養控除」. ,(参照 2026-04-15).

【まとめ】不動産収入にかかる税金の税率や計算方法を理解しておこう!

今回は、不動産収入にかかる主な税金の税率や計算方法などを紹介しました。税金の種類によって、税率や計算方法は異なります。納めるべき税金を正しく計算して申告するためにも、それぞれの税率や計算方法をしっかりと理解しておきましょう。

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