空き家の活用アイデア15選!建物をそのまま活用・解体するメリットと適さないケースを解説
空き家管理
2025.10.10
更新日 2025.10.14
「実家の空き家を相続したものの、どう活用すれば良いか分からない」「長年空き家のまま所有しているが、買い手が見つからない」といった悩みを抱える方は少なくありません。全国的に空き家の数は年々増加しており、今や他人事では済まされない社会課題となっています。
本記事では、空き家をそのまま活用する方法から解体して別用途に活用するアイデアまで、幅広い活用法を15種類紹介します。さらに、解体と活用の判断基準や相談先についても解説しているため、ご自身の空き家に合った活用方法を検討する際の参考にしてみてください。
目次
全国には899万戸もの空き家が存在する
日本では、空き家の増加が深刻な社会問題となっています。総務省が公表した「令和5年住宅・土地統計調査」によると、2023年時点で全国の空き家数は900万2千戸に上り、全住宅の13.8%です。これは過去最多の水準であり、今後も高齢化や人口減少に伴い、さらに増加することが懸念されています。
空き家を放置することで発生する問題は多岐にわたります。建物の老朽化による倒壊リスクや、異臭の発生、ネズミ・害虫の繁殖、不法侵入による治安悪化、周辺地域の景観への悪影響などが代表的です。こうしたリスクを放置すると、地域全体の資産価値にも悪影響を及ぼしかねません。
空き家は「ただあるだけ」でも近隣住民や自治体にとって負担になり得る存在です。活用や処分を考えることは、所有者にとっても重要な責務と言えるでしょう。
※参考:総務省.「令和5年住宅・土地統計調査住宅及び世帯に関する基本集計(確報集計)結果 」.
,(参照2025-08-07)
空き家を放置すると固定資産税の負担が最大6倍になる?
空き家を放置することで、税金面での大きなデメリットが生じる可能性があります。2023年の法改正により、空家等対策の推進に関する特別措置法が強化され、「空き家等の適切な管理の努力義務」に加えて「国や自治体の施策に協力する努力義務」が所有者に課されました。
この改正のポイントは、空き家が「管理不全空家」として指定されると、固定資産税の優遇が解除される点にあります。通常、住宅用地は「住宅用地特例」により固定資産税が軽減されていますが、これが適用除外となると、税額は最大で6倍に跳ね上がる可能性があります。
「売却したくない」「買い手が付かない」といった理由で空き家をそのまま放置していると、思わぬ経済的負担につながることもあるでしょう。こうしたリスクを避けるためにも、空き家を何らかの形で活用する方が、結果として資産の保全や地域貢献にもつながります。
※参考:東京都.「東京空き家ガイドブック2025」. ,(参照2025-08-07)
空き家の活用方法15選
空き家は、建物としての価値が残っていればそのまま活用する方法が考えられます。一方で、老朽化が進んでいる場合や立地条件が不利な場合は、建物を解体し、土地として再活用する選択肢も有効です。
本セクションでは、住まいとして活用する方法から、ビジネス用途、さらには解体して活用するケースまで、空き家の多様な活用方法を15通りご紹介します。空き家の状態や立地条件に応じて、最適な方法を選ぶ参考にしてください。
空き家に住む
空き家の最もシンプルな活用方法は、自分自身や家族が住むことです。新たな入居者を探す必要がなく、転居先の選定や契約などの手間も省けるでしょう。またすでに賃貸住宅に住んでいる場合は、空き家に住み替えることで家賃の節約にもつながります。
ただし空き家が長期間にわたり放置されていた場合は、劣化が進んでいる可能性があります。住む前に建物の安全性や設備の状態を確認し、必要に応じてリフォームや修繕を行うなどの準備が必要です。特に水回りや屋根のメンテナンス費用は予想以上にかかる場合があるため、事前に見積もりを取って検討すると良いでしょう。
戸建ての賃貸として貸し出す
空き家を戸建てとして他人に貸し出すと、安定した家賃収入を得られます。立地条件が良ければ、ファミリー層など長期入居が見込める借り手が見つかる可能性もあります。毎月の賃料収入を将来のリフォーム資金や解体費用に充てるなどの計画も立てやすくなるでしょう。
競合が少ないエリアであれば、一定数の戸建て賃貸のニーズが見込めます。一方で、築年数が古い住宅は相場より低い賃料しか得られない場合や、空室期間が長引くリスクもあります。事前に地域の賃貸市場を調べ、収支シミュレーションを行っておくことが重要です。
DIY型賃貸として貸し出す
DIY型賃貸とは、入居者が自由に内装を改修できる形式の賃貸です。DIY型賃貸は所有者側が大規模なリフォームを行う必要がないため、初期コストを抑えて貸し出せます。借り手自身が自分好みに空間を整えられ、愛着を持って長く住み続けるケースが期待できます。退去時に内装がグレードアップしている場合は、次の借り手を見つけやすくなるといった副次的なメリットもあるかもしれません。
なお工事部分の所有権や退去時の原状回復範囲については、事前に契約書で明確に取り決めておく必要があります。取り決めが不十分だと、退去後の修復費用をめぐってトラブルに発展するリスクもあるため注意が必要です。
※参考:国土交通省.「DIY型賃貸借のすすめ」.(参照2025-08-07)
シェアハウスとして貸し出す
空き家をシェアハウスとして運用する方法も、有効な活用手段の一つです。1世帯のみに対して貸すよりも、複数人に個別で貸し出すことで、合計の家賃収入を高めることが期待できます。大掛かりなリノベーションを行わなくても、共用部の整備と最低限の設備が整っていれば運用を始めることが可能です。
ただしシェアハウスは複数人の共同生活になるため、入居者同士のトラブルや生活音によるクレームが発生する可能性があります。快適な住環境を保つには、あらかじめルールや利用時間、清掃の分担などを明文化しておくことが重要です。また防犯として、鍵付き個室や監視カメラの設置を検討するなど、セキュリティ面の配慮も欠かせません。
貸店舗・シェアオフィス・レンタルスペースとして貸し出す
空き家を店舗やオフィス、レンタルスペースとして貸し出す方法もあります。住居から事業用物件への転用は、立地や周辺環境によっては住居よりも高い賃料を設定できる可能性があり、収益性を重視する場合に適した選択肢です。
シェアオフィスとして活用する場合は、起業家やフリーランス、テレワークを行う会社員など、幅広い利用者層を見込めます。机・椅子・Wi-Fi・電源・コピー機などの基本設備を整える必要がありますが、利用価値のある空間として提供できます。
またレンタルスペースとしての運用であれば、会議室や習い事教室、サークル活動の場など、時間貸しで多目的に利用してもらうことも可能です。立地によっては地域コミュニティの場としてのニーズも高まるでしょう。
なおテレワーク拠点としての整備には、自治体の補助金制度が活用できる場合もあります。事前に地元自治体や商工会議所に問い合わせてみると良いでしょう。
ただし事業用施設として運用するには、さまざまな法律などの確認が必要となる場合があります。設備投資の負担もあるため、事業計画を立てた上で段階的に始めるのが現実的です。
※参考:国土交通省 住宅局 住宅総合整備課 住環境整備室.「令和6年度空き家関係予算・ 改正空家法施行について」.(参照2025-08-07)
※参考:川崎市.「建物の用途変更の手続きについて」.(参照2025-08-07)
貸し倉庫・資材置き場・トランクルームとして貸し出す
空き家のリフォーム費用を捻出するのが難しい場合は、そのままの状態を生かし、倉庫や資材置き場として貸し出す方法もあります。特に郊外や住宅密集地以外の空き家では、住宅としての需要が低い一方で、荷物置き場としてのニーズがあるケースがあります。
この方法の魅力は、初期投資がほとんどかからず、最低限の整備で貸し出しを開始できる点です。月額賃料は比較的安くなりますが、空きっ放しになるリスクが低く、安定した副収入を得やすい点も特徴です。
一方で、倉庫として使う場合は、荷物を保護するための防犯性や耐水性など、物件の状態が一定の基準を満たしている必要があります。雨漏りやカビ、盗難のリスクがある場合は、あらかじめ対策を講じておくべきです。
トランクルーム事業として運営する場合はさらに注意が必要です。設置に当たっては建築基準法に基づく建築確認が必要であり、都市計画法上の用途地域制限の範囲内であるかも確認しなければなりません。また、トランクルーム事業に該当する場合は、地域の運輸局への相談も必要となることがあります。
※参考:e-Gov法令検索.「建築基準法」(参照2025-08-27)
※参考:国土交通省.「土地の使い方と建物の建て方のルールの話」(参照2025-08-27)
※参考:国土交通省関東運輸局.「トランクルーム営業を始める際の手続き」(参照2025-08-27)
バイクガレージとして貸し出す
空き家の敷地や建物を活用して、バイクガレージ付きの賃貸物件として提供する方法もあります。特に大型バイクを所有するライダーは、雨風を防げる保管場所を確保するのが難しく、一定のニーズが見込めるでしょう。
ガレージ付きの賃貸物件は全国的にも数が少ないため、希少性のある物件として相場よりも高めの家賃設定が可能なケースもあります。住宅街や郊外であっても、バイク好きが集まる地域では一定の需要があるはずです。
ただし地域によってはバイクユーザーの数が限られる場合もあるので、事前に市場調査を行い、ニーズがあるかどうかを確認することが大切です。バイク専用の保管スペースを設ける際には、防犯カメラやシャッターなどのセキュリティ対策も検討しましょう。
自治体に貸し出す
空き家の活用に悩んだときは、自治体に相談するという方法もあります。各自治体では、地域活性化や移住促進の一環として、空き家を借り上げて活用する制度を導入していることがあるのです。
例えば、自治体が移住希望者へのお試し住宅として空き家を貸し出したり、先述したような地域交流拠点として利用したりするケースがあります。オーナーとしては管理の手間が軽減される上、地域に貢献できるという社会的意義もある活用方法です。
ただし家賃は市場相場よりも抑えられることが多く、大きな収益は見込めない場合があります。収益性よりも「使われている安心感」や「空き家管理の軽減」を重視する方に適した方法と言えるしょう。
※参考:内閣官房・内閣府総合サイト 地方創生.「地方移住のススメ」(参照2025-08-27)
介護事業者に貸し出す
高齢化が進む現在、空き家を介護施設として活用するニーズが高まっています。戸建ての空き家を改装し、デイサービスや小規模グループホームの施設として貸し出す方法です。
この方法のメリットは、介護事業者が長期的な運営を見込んで物件を借りるため、安定した賃貸収入が得られる点
にあります。オーナーは建物を貸すだけで、事業運営自体には関与しなくて済むことから、管理の手間も比較的少ないです。
さらに、地域に介護インフラを提供することは社会的にも意義があり、空き家活用を通じた地域貢献にもつながります。
一方で、介護施設としての利用には一定の条件を満たす必要があります。例えば一定以上の面積を設け、段差のない出入口や手すりの設置といったバリアフリー構造にしなければなりません。改装には事業者と協議した上での対応が必要です。
※参考:厚生労働省.「高齢者向け住まいについて」(参照2025-08-27)
アパート・マンションに建て替える
老朽化した空き家を解体し、複数の住戸を備えたアパートやマンションに建て替える方法も有効な土地活用の一つです。単体の住宅を1世帯や1事業者に貸し出すよりも、多くの入居者を確保できれば家賃収入の最大化が期待できます。
都市部などで容積率の高い地域であれば、2〜3階建ての中層マンションを建設することも可能で、より高い利回りを見込めるケースもあります。長期的に安定した収益を得たい場合や、土地に資産価値がある場合におすすめの方法です。
ただしアパート・マンションへの建て替えは、建物の解体費用に加え、新たに建物を建設する初期費用がかかります。また完成後には入居者の募集、共用部の清掃や設備管理などの運営業務も必要です。自主管理が難しい場合は、管理会社に委託するなどして、継続的な運営体制を整えることも検討しましょう。
民泊ビジネスに活用する
空き家を短期宿泊用の施設として貸し出す「民泊ビジネス」に活用する方法もあります。特に観光地やインバウンド需要のある地域では、空き家を収益化する新たな手段として注目されています。家主不在型の民泊であれば、遠方にある空き家でも活用可能であり、地域の宿泊インフラとしての役割も果たせるでしょう。地域経済への貢献や、空き家による景観悪化の防止にもつながります。
ただし、民泊事業を開始するには内装のリフォームや家具・設備の設置など、一定の初期投資が必要です。また運営には清掃や鍵の管理、予約対応などの手間が発生します。宿泊者とのトラブルや近隣住民への配慮も欠かせません。
法律面では、住宅宿泊事業法(いわゆる民泊新法)に基づき、都道府県知事への届出が必要です。事前に営業可能なエリアであるか、条例などの制限を確認した上で計画を立てることが重要です。
※参考:民泊制度総合サイトMinpaku「住宅宿泊事業者の届出に必要な情報、手続きについて」(参照2025-08-07)
コインランドリービジネスに活用する
空き家の立地や構造を生かして、コインランドリー店舗として運用する方法もあります。空き家を改装して店舗にするケースと、更地にしてから新たに建設するケースの2通りが考えられます。
コインランドリーは無人営業が可能なため、比較的手間がかからず、24時間営業による安定収入が期待できるビジネスです。住宅街、学生寮、観光地の近隣にある空き家であれば、多くの人の洗濯ニーズに応えられるでしょう。
小規模のコインランドリーとして営業するなら、10〜20坪程度のスペースがあれば可能です。内装にこだわり、カフェスペースや読書スペースを併設するなどして付加価値を高める事例もあります。
一方で、開業時には洗濯機・乾燥機などの専用設備や内装工事の費用がかかります。また洗濯物の放置や盗難、機器の不具合といったトラブルへの対策も必要です。セキュリティや管理体制を整えた上で、長期的な収益計画を立てましょう。
更地にする
空き家の築年数が古く、建物の状態が悪かったり借り手が見つからなかったりする場合は、思い切って建物を解体して更地にする方法もあります。更地にすることで、空き家の管理や維持の手間がなくなり、防犯や景観の面でも地域にとってプラスに働く可能性があります。
また、更地にした土地が道路に面している場合は、コンビニエンスストアや小売店などのテナント誘致につながることも。土地の活用の幅が広がるため、次の展開に向けた選択肢として有効です。
ただし、建物の解体にはまとまった費用がかかります。さらに、住宅が建っていたときに適用されていた固定資産税の軽減措置(住宅用地特例)が使えなくなり、税負担が増える点にも注意が必要です。将来的な活用計画が定まっていない場合は、維持コストの増加につながる可能性があります。
駐車場にする
空き家を解体した後の活用法として、土地を駐車場にする選択肢があります。特に建物を再活用する予定がなかったり、地域に一定の駐車需要があったりする場合は、低コストで始められる方法として注目されています。
駐車場の運営は比較的管理が容易で、安定した収益を生み出しやすい点が特長です。特に住宅地や商業施設の周辺、駅近エリア、観光地などでは駐車スペースのニーズが高く、土地の広さに応じてコインパーキングや月極駐車場として運営することが可能です。
ただし駐車場として整備するにはアスファルト舗装や区画整備、看板設置といった初期投資が必要になります。また、料金設定や不正駐車対策、事故防止のための安全管理といった運営体制を整える必要があります。自主管理が難しい場合は、駐車場運営会社に委託するのも選択肢です。
太陽光発電設備を設置する
空き家の活用先として、太陽光発電による売電収入を得る方法もあります。賃貸や事業用としての活用が難しい地域では、再生可能エネルギーの活用が有効な選択肢となり得ます。
活用方法としては、空き家の屋根にソーラーパネルを設置する方法と、建物を解体して更地にした上で「野立て」と呼ばれる独立型の太陽光発電設備を設置する方法が代表的です。日照条件に恵まれた地域であれば、比較的安定した収益を見込めます。
また、環境に配慮した持続可能な取り組みとして、地域社会への貢献にもつながります。自治体によっては、再生可能エネルギー導入を支援する補助金制度を設けていることもあるため、制度の活用も視野に入れると良いでしょう。
ただし、設置に際しては建物の耐久性や屋根の傾斜角度、周囲の建物による日陰の影響など、さまざまな条件を確認する必要があります。また、地域によっては景観条例や建築規制がある場合もあるため、事前に自治体へ相談することが重要です。
※参考:経済産業省.「太陽光発電の地域トラブルと調和・規制条例、今後の適正な促進に向けて 2022年4⽉27⽇⼭下 紀明 特定⾮営利活動法⼈ 環境エネルギー政策研究所 主任研究員(理事)名古屋⼤学⼤学院環境学研究科社会環境学専攻博⼠後期課程(知の共創プログラム特別コース)」(参照2025-08-07)
空き家はそのまま活用・解体のどちらが良い?
空き家の活用は、建物をそのまま利用するケースと、一度解体して土地を別の用途に使うケースの2パターンで分けて考えることも可能です。どちらを選ぶべきかは、空き家の状態や立地、資金面、今後の活用方針によって異なります。
このセクションでは、それぞれの方法にどのようなメリットがあるのか、またどのようなケースで選ぶべきかについて詳しく紹介します。ご自身の状況に合った判断をするための参考にしてください。
空き家をそのまま活用するメリット
建物を解体せずに空き家を活用する最大のメリットは、初期投資が抑えられる点です。例えばば、DIY型物件として借り主に自由な改装を許可すれば、大規模なリフォームをせずとも貸し出すことが可能です。こうした工夫によって、コストを抑えた運用が実現できます。
またすでに建物が存在しているので、借り手がすぐに見つかれば、早期に収益を得られる可能性もあります。地域によっては築年数が古い住宅にも一定のニーズがあるため、長期的な賃貸収入を得られるでしょう。
さらに、実家など思い入れのある建物を残したい場合には、建物を維持しながら活用することで、精神的な満足感も得られます。
空き家をそのまま活用した方が良いケース
建物を解体せずにそのまま使うべきかどうかは、費用対効果を冷静に見極める必要があります。建物の解体費用や新築工事の建築コストに対して、それを回収できる見込みが立たない場合は、無理に建て替えるのは得策ではありません。
築年数が経過していても、最低限のリフォームで賃貸や事業用として使える状態であれば、投資を抑えて収益化を図れます。特に空室リスクが高いエリアでは、ローンを組んで建て替えた場合に返済が困難になるケースもあるため注意が必要です。
「多額の初期費用をかけずに空き家を有効利用したい」という方には、現状の建物を生かす選択肢が向いているでしょう。
空き家を解体するメリット
建物を一度解体してしまえば、活用の自由度は格段に高まります。新しい建物を建てたり、駐車場や店舗用地として活用したりできるため、土地のポテンシャルを最大限に引き出すことが可能です。
老朽化した建物を取り壊して新たに建設することで、利便性や安全性、さらにはデザイン性の向上も図れます。近年では、地域のニーズに合わせた賃貸マンションやテナントビルを建てることで、より大きな収益を目指す事例も増えています。
また土地の立地条件によっては、住宅よりも商業施設や太陽光発電用地として活用した方が、結果的に高い収益につながるケースもあるでしょう。中長期的に高いリターンを期待する場合には、有力な選択肢となるはずです。
空き家を解体する方が良いケース
築年数が古く、建物自体が老朽化している場合は、無理に残すよりも解体して新たに活用する方が合理的です。例えば根や基礎部分に深刻な損傷がある場合には、大規模な修繕が必要となり、その費用がかさんでしまう可能性があります。
また立地条件や周辺環境と需要が合っていない空き家は、借り手がなかなか見つからず、長期間空室のままになる恐れもあります。そのような場合は賃料を大きく下げないと借り手が見つからないため、収益性が大きく損なわれる可能性が高いです。
このように、「維持しても収益が見込めない」「リフォームしても価値が上がらない」空き家については、早めに解体を検討するのが望ましいケースと言えるでしょう。
空き家活用に困ったときの相談先
空き家を活用するには、法律や地域のルールに適合しているか、どの程度の費用がかかるのかなど、さまざまな確認が必要です。使い方によっては、建築基準法や用途地域制限に関わるケースもあるため、自己判断だけで進めるのはリスクを伴います。
そのため、専門的な知識を持つ窓口や業者に相談しながら、無理のない形で活用計画を立てることが重要です。ここでは、代表的な相談先を紹介します。
自治体
多くの自治体では、空き家に関する相談窓口を設置しています。空き家の所有者や活用を検討している方からの相談に、無料で対応するのが一般的です。例えば東京都では「空き家ワンストップ相談窓口」が設けられ、空き家に関するさまざまな相談を一括して受け付けています。
相談できる内容は、空き家の相続や売却、賃貸、管理など幅広く、具体的な活用方法の提案や、必要に応じて協力事業者の紹介、経費の見積もり、補助金制度の案内といった支援を受けられることもあります。
特に公的機関である自治体は、商業目的ではない中立的な立場から助言が得られるため、初めて空き家活用を検討する方にとっては安心できる相談先と言えるでしょう。
※参考:東京都住宅政策本部.「空き家ワンストップ相談窓口」(参照2025-08-07)
不動産管理会社
空き家を住居やトランクルーム、あるいはマンション・駐車場として活用したいと考える場合、入居者の募集や契約管理、トラブル対応など、継続的な運営ノウハウが求められます。こうした実務は、個人で対応するには限界があり、専門の不動産管理会社に委託するのが現実的です。
管理会社に依頼することで、空室対策や賃料の回収、物件の清掃・点検といった業務を任せられ、オーナーの負担を大きく軽減できます。また地域に根ざした会社であれば、エリア特性に即した賃料設定や借り手の募集戦略も期待できます。
ただし、管理委託には手数料や契約条件が発生するため、依頼する前に報酬体系や対応範囲についてしっかり確認しておくことが大切です。複数の会社から見積もりを取って比較検討すると、納得のいく委託先を見つけやすくなります。
【まとめ】
空き家は、ただ所有しているだけでも維持費や固定資産税の負担がかかる一方で、うまく活用すれば収益や地域貢献につながる貴重な資産でもあります。空き家をそのまま生かす方法と解体して土地を活用する方法には、それぞれメリットと注意点があります。空き家の状態や立地、将来的な活用目的に応じて、最適な方法を選ぶことが重要です。
中央ビル管理では、空き家の特性に応じた多様な活用方法をご提案しています。空き家の扱いにお困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
監修
(株)中央ビル管理 取締役 江本 昌央氏
所属/(株)中央ビル管理取締役 業務管理部部長
保有資格/ 宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士