転勤時の持ち家はどうしたら良い?売却・賃貸など4つの選択肢について徹底解説
空き家管理
2025.10.27
更新日 2025.10.28
転勤時に持ち家をどうするかは大きな悩みです。本記事では売却・賃貸・親族居住・空き家維持の4つの選択肢を比較し、判断の参考になる情報を解説します。後半では中央ビル管理の具体例も紹介します。
転勤が決まったとき、持ち家をどうするかは多くの家庭で悩む大きなテーマです。売却すべきか、賃貸に出すべきか、それとも親族に住んでもらうか、あるいは空き家として維持するのか。いずれの方法にも利点と注意点が存在します。誤った判断をすると、家計への負担や資産価値の低下につながることもあるため、慎重な検討が必要です。
本記事では、持ち家をどう扱うかについて4つの選択肢を整理し、それぞれのメリット・デメリットを具体的に解説します。後半では、中央ビル管理による具体的な事例も紹介しているので、ぜひ最後まで読んで、ご自身の状況に合った選択をするための参考にしてみてください。
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目次
転勤が決まったら持ち家はどうすべき?
転勤の知らせを受けると、家を持っている方ならまず決めなければならないのが「今の家をどう扱うか」です。家族の生活拠点や学区、通勤動線、将来の住み替え計画にまで影響するため、感情と経済の両面から整理が求められます。
選択肢は大きく4つに分かれます。親族に住んでもらう、空き家として維持する、賃貸に出す、売却するという考え方です。いずれも一長一短があり、負担やリスクの種類が異なります。適切な方法を選ばなければ、思わぬ出費や資産価値の低下につながることもあるでしょう。
どの考え方を選ぶにしても、転勤の期間や勤務地、住宅ローン残債、勤務先の住宅制度、家族の意思を先に確認しておくと、判断がぶれにくくなります。
転勤は勤務先の方針や期間によって状況が大きく異なるため、一律に「この方法が正解」とはいえません。だからこそ、自分たちの事情に合った選択肢を見極めることが重要です。ここからは、それぞれの選択肢の特徴や注意点を整理していきます。
【選択肢①】そのまま家族や親族が住む
転勤となってもそのまま家族だけが持ち家に残って住む方法や、近しい親族に住んでもらう方法は、4つの中では比較的身近で現実的な選択肢です。例えば数年間の地方転勤が決まった家庭であれば、単身赴任をするケースや、近くに住む両親に持ち家へ引っ越してもらうケースなどがあります。
家族や親族が住むメリット
家族や親族に住んでもらうと、持ち家を留守にする日が続き、空き家状態なる心配を抑えられると考えられます。人が暮らすことで換気や掃除が日常的に行われ、設備の不具合にも気づきやすい状況になるでしょう。郵便物や宅配の受け取り、庭木の手入れなども任せられるため、生活の気配を保ちやすい点も特徴です。
災害や緊急時に現地で対応してもらえることは、遠方にいる家族の安心感につながります。さらには、第三者に貸さない分、将来の使い道を柔軟に検討しやすいという側面もあるでしょう。
親族が暮らすことで近隣住民との関係も保たれ、地域とのつながりが維持されやすいのも利点です。見慣れた顔の人が住むことで近隣からも安心感を持たれやすく、地域コミュニティとの信頼関係が崩れにくいという効果が期待できるでしょう。
また親や兄弟姉妹に住んでもらうことで、親世代の生活支援や子育てのサポートにつながるなど、身内の暮らし全体にプラスの影響を与える場合もあると考えられます。
家族や親族が住むデメリット
家族や親族が住むとさまざまなメリットが期待できる一方で、デメリットも存在します。
第一に、無償で親族に貸す場合は家賃収入を得られず、固定資産税や修繕費といった維持費ばかりが発生し続けます。どちらが光熱費や日用品の負担をするのかなど、線引きが曖昧になると不満が生まれる恐れもあるでしょう。
将来的に売却や賃貸へ切り替えたいと考えた際のことを考えると、退去をお願いする場面で親族間の摩擦が起きる可能性もあります。改装や家具の扱いを巡る認識の違いがトラブルになる可能性もあるため、生活ルールの取り決めを事前に行っておくことが望ましいです。特に長期の転勤で数年以上に及ぶ場合は、家の扱いをどうするかで意見が分かれやすくなる点に、注意が必要です。
親族間の感情的な問題が表面化すると、家族関係そのものに影響を与える可能性も否定できないため、冷静な合意形成が求められます。場合によっては、金銭トラブルが表面化し、かえって親族関係を悪化させるケースもあるため、慎重に進める必要があるでしょう
家族や親族に住んでもらう場合のコツ
家族や親族に持ち家で暮らしてもらう方法は安心感がありますが、スムーズに進めるには事前の準備が大切です。特に住宅ローンの契約条件には注意が必要です。金融機関によっては、名義人以外が居住する場合に制限が設けられているケースもあり、事前の確認を怠ると契約違反とみなされる可能性もあります。
また家族が住むとなれば二拠点生活となり、転勤先と持ち家の側双方で費用が発生します。必要となる光熱費や生活費を明確にしておくことが望ましいです。
親族に住んでもらう場合は、特に金銭面の取り決めをしっかりと行い、トラブルに発展するリスクを避けましょう。あえて簡単な合意書や覚書を交わしておくことも有効です。書面にすることで「誰がどの費用を負担するか」「どの期間住む予定か」といった条件を整理しやすくなります。
こうした準備を入念に行うことで、良好な関係を保ちながら転勤期間を乗り切れると考えられます。
【選択肢②】空き家として所有する
持ち家を誰にも貸さず、空き家のまま維持する方法は、判断を先送りにする選択肢として検討されることが多いです。例えば転勤の期間が不明確で「数年で戻るかもしれない」という状況では、売却や賃貸に踏み切らず現状のまま持ち家を維持することを選ぶ家庭もあります。
空き家として所有するメリット
持ち家を空き家のまま維持すれば、戻りたいときに自由に住めるという柔軟性を残すことが可能です。手放していない状態のため、次で紹介する賃貸や売却への切り替え時期も、自分で判断しやすいと考えられます。
また室内の仕様や家具をそのまま残せるので、私物の保管場所として利用できる点も特徴でしょう。転勤期間が読めない場合や、短期間で戻る可能性があるときには適した方法といえます。
さらに、住宅ローンの返済状況や市場価格の推移を見ながら判断を先延ばしにできるため、状況を見極めてから次の一手を考える余裕が生まれるのは、うれしい利点です。定期的に立ち寄ることで地域とのつながりを保ちやすく、将来再居住する際、近隣との関係がスムーズに再構築できるという側面も考えられます。空き家のままにすることで他人に生活空間を明け渡さずに済むため、家への愛着を保ちやすく、心理的な安心につながるでしょう。
空き家として所有するデメリット
持ち家を空き家として所有する場合も、デメリットを考慮しておきましょう。
第一に、人が住まない住宅は防犯上のリスクが高まりやすく、老朽化の進行も早まる傾向にあります。換気不足によるカビや配管トラブルが発生しやすい点も注意点といえるでしょう。固定資産税や火災保険料、庭木の手入れなど、維持コストは避けられません。
外観が荒れると空き家であることが周囲に伝わりやすく、近隣からの指摘を受ける恐れもあります。加えて、空き家としての期間が長くなると資産価値が低下しやすく、将来売却を検討する際に希望額で取引できないリスクも出てきます。
こうした負担を軽減するためには、維持計画をしっかり立てることが欠かせません。維持を怠ると行政から「特定空き家」に指定される恐れもあります。特定空き家として指定されると、税制面での不利益につながる可能性があります。
空き家として所有する場合のコツ
持ち家を空き家として維持する場合には、資産価値を守る工夫が不可欠です。先述した特定空き家に指定されると固定資産税が増額される可能性があるため、外観や敷地をきれいに保つ努力が求められます。例えば定期的に換気や通水を行うことで、湿気や配管トラブルを防げると考えられます。
また持ち家を長期間留守にする場合には、住宅火災保険を見直しておくことも重要です。空き家状態では補償対象が限定される契約もあるため、内容を確認して必要に応じてプランを切り替えておくと安心できます。
空き家管理サービスを利用するのも一つの方法です。郵便物の回収、庭木の手入れ、建物内部の点検などを代行してもらえれば、遠方からでも管理が行き届きやすくなります。費用は発生しますが、空き家による資産価値の低下や近隣トラブルを防げると考えられ、結果的にプラスになるケースも多いでしょう。事前に必要経費をシミュレーションし、無理のない範囲で管理体制を整えておくことが望ましいです。
【選択肢③】賃貸として貸し出す
持ち家を賃貸物件として活用する方法は、転勤者にとって特に人気の選択肢です。契約の仕方によっては、数年後にそこへ戻る予定がある場合でもスムーズに居住を再開できるため、将来の選択肢を残したまま活用できます。
加えて、不動産会社や管理会社に委託すれば入居者募集や管理の手間を省けるため、遠方への転勤でも安心して運用が可能です。
賃貸として貸し出すメリット
賃貸にすれば家賃収入が得られ、住宅ローンや維持費の補填に充てられると考えられます。人が暮らすことで生活の気配が生まれ、防犯面でも安心につながるでしょう。設備が日常的に使用されることで劣化の防止となり、故障の前兆などにも気づきやすくなる可能性があります。
地域の需要と合えば、安定的に収益を確保できる可能性もあります。定期借家契約を選べば、帰任時に居住を再開しやすいことも利点でしょう。さらに、不動産会社に委託することで入居者募集や管理の負担を軽減できると考えられます。条件によっては税制上の優遇措置を活用できる場合もあり、経済面でのメリットを広げられる可能性もあります。
また収益性を確保しながら不動産の資産価値を維持できる点も、将来の売却を見据えた選択肢として有意義です。ニーズに合ったリノベーションを行えば、賃料の上昇や入居者満足度向上につながることもあり、資産形成の一環として考えられるケースもあるでしょう。
賃貸として貸し出すデメリット
持ち家を賃貸として貸し出す場合は、入居者とのやり取りや設備トラブルへの対応が発生する点に注意が必要です。退去時の原状回復費用を巡って意見が食い違うこともあるでしょう。入居者の暮らし方次第では、近隣との関係が悪化するケースも考えられます。また借主との契約条件を誤ると、帰任時にスムーズに再入居できない恐れもあります。
賃貸経営は景気の変動や地域の需要減少に左右されやすく、市場環境や設定した賃料設定によっては空室が続くリスクもあり、収支が不安定になる恐れがあります。建物の築年数や立地条件によっても入居者が集まりにくくなるでしょう。長期にわたり空室が続けば、その間は収益を得られません。
賃貸経営を成功させるコツ
転勤中に持ち家を賃貸に出す場合、成功のカギは契約形態と管理方法にあります。
将来戻る予定がある場合は、契約の形を定期借家契約にしておくと安心です。契約期間が終了すれば自動的に退去となるため、帰任時にスムーズに再入居できる可能性が高まります。
加えて、持ち家の管理を任せる管理会社を選ぶ際には、実績やサポート体制を十分に確認する必要があるでしょう。特に入居者募集のスピードや退去時の対応力は、収益の安定性に直結します。
また賃貸経営では、収入だけではなく支出の把握も重要です。修繕積立や広告費、管理委託料などの費用をあらかじめ試算しておけば、収支計画が立てやすくなるはずです。
さらに、地域の需要に応じてリフォームやリノベーションを検討することで、空室リスクを抑える効果も期待できるでしょう。最近では、移住・住みかえ支援機構(JTI)の「マイホーム借り上げ制度」を活用する例も見られます。転勤など一定条件を満たせば利用できる可能性があり、家を長期間空ける場合には検討に値すると考えられます。
※参考:移住・住みかえ支援機構(JTI).「マイホーム借上げ制度のあらまし」(参照2025-09-23)
【選択肢④】売却する
転勤を機に持ち家を売却するのは、思い切った選択肢ではありますが、一定の合理性がある方法です。例えば今後も元の地域に戻る予定がない場合や、海外赴任など長期にわたる転勤が見込まれるときなどは、住まなくなった家を持ち続けるよりも売却して資金化した方が生活設計を立てやすい場合があります。
持ち家の売却は、市場の状況を見極めながら判断のタイミングを検討することが重要です。
売却するメリット
売却を選べば、持ち家の維持費やローン返済の負担から解放される点が大きな特徴です。得られた資金を転勤先での住宅費や生活資金に充てることができれば、新しい生活を始めやすくなるでしょう。
資産を現金に換えることで流動性が高まり、ライフプランを柔軟に見直しやすいのも利点です。相続の準備として早めに不動産を整理すれば、家族間のトラブルを避けられる可能性もあります。空き家の状態で放置し、資産価値が下がってしまうリスクを防ぐという意味でも有効と考えられます。
さらに、市況によっては売却益が得られ、資産形成の観点からプラスになる場合もあるでしょう。売却を通じて生活の拠点を一本化できる点は、精神的な切り替えにもつながりやすく、転勤を前向きに受け止めるための要素となります。たとえ住宅ローンが残っている場合でも、売却により残債を完済することで、身軽な状態で新生活を始められるというメリットが得られるはずです。
売却を成功させるコツ
転勤を機に持ち家の売却を検討する場合、成功のためには信頼できる専門家を複数比較することが欠かせません。売却実績や地域の相場に詳しい不動産会社などを選ぶことで、価格設定や販売戦略の精度が高まると考えられます。
また近隣の取引事例を把握し、適正価格を理解しておくことも大切です。価格が高過ぎると売却が長引き、安過ぎると損失につながるため、相場感を把握しておくことは重要といえるでしょう。
さらに売却活動をスムーズに進めるには、住宅の清掃や軽微な修繕を済ませておくことも効果的です。印象が良くなることで内見者の評価が上がり、結果的に高値での成約につながる可能性があります。
その他、税金や費用についても事前に確認しておくことが望ましいです。譲渡所得税や仲介手数料などの支出を把握しておけば、手取り額の予測が立てやすくなります。
こうした準備を重ねることで、売却を転勤後の生活設計に役立てられるでしょう。
持ち家をどうするか判断する前に確認すべきこと
転勤に伴い持ち家をどう扱うかを決める際には、どの選択肢を採用するにせよ、事前に整理しておくべきポイントがあります。選択肢ごとのメリットやデメリットを理解するだけではなく、自分自身や家族の生活に直結する条件を踏まえて判断することが大切です。以下では、特に意識して確認すべき項目を取り上げます。
転勤の期間や場所
まず確認すべきなのは、転勤が一時的なものか、それとも長期的・恒久的なものかという点です。数年後に元の勤務地へ戻る可能性が高い場合には、売却ではなく賃貸や親族に住んでもらう方法が現実的でしょう。一方で、国内外を問わず長期にわたる転勤であれば、家を維持するよりも売却して資金化する方が合理的な場合もあります。転勤先が国内か海外かによっても選択肢は変わるため、期間と場所の両面から見通しを立てておかなければなりません。
利用できる制度の有無
勤務先によっては住宅手当や借り上げ社宅制度が整備されている場合があります。これらの制度を利用できれば、転勤先での住居費負担が軽減され、持ち家を無理に売却や賃貸に出す必要がないケースもあります。また自治体や公的機関が提供する制度やサポートを活用できるかどうかも、確認しておきましょう。利用できる制度の有無によって、持ち家の扱い方や選択肢の幅が大きく変わる可能性があります。
住宅ローンの残債
住宅ローンが残っている場合には、扱いに注意が必要です。賃貸に出す場合は、金融機関によっては事前の承諾が求められることがあります。承諾を得ずに貸し出すと契約違反となるリスクもあるため、必ず確認しておきましょう。
売却する場合も同様に、残債が売却価格を上回る「オーバーローン」となると手元に資金が残らないため、慎重な判断が求められます。ローン残高と市場価格のバランスを把握し、状況に応じた選択を検討することが重要です。
家族の気持ちや意思
最後に見落とせないのが家族の意向です。生活拠点をどこに置くか、子どもの進学や就職にどう影響するかといった要素は、家族全体の暮らしに直結します。経済的な合理性だけで判断するのではなく、家族全員が納得できる選択をすることが大切です。無理のない判断を優先し、安心して新しい生活を迎えられるよう配慮することで、転勤による負担を軽減できるでしょう。
中央ビル管理による貸し出しのご提案例
最後に、転勤によって持ち家を賃貸に出した事例として、実際に中央ビル管理がサポートしたケースを紹介します。
千葉県N市にある築13年の戸建住宅に関して、転勤に伴い家族で引っ越すことになったお客さまからご相談がありました。こだわって建てた注文住宅であったため、売却ではなく「将来戻って住みたい」というお気持ちが強く、期間を限定した賃貸活用を希望されていました。
そこで中央ビル管理では、このご要望に応じて定期借家契約による貸し出しを提案しました。インターネットを活用した入居者募集に加え、万が一空室となった場合にも安心できるよう、空き家管理サービスを組み合わせてご案内。定期的な巡回や写真付きの報告書により、離れた場所からでも持ち家の状況を確認できる体制を整えました。
このケースでは、期間を区切りながらも大切な持ち家を有効に活用でき、転勤中の安心感につながっています。思い入れのある住宅を手放さず維持したい方にとって、有効な選択肢の一つといえるでしょう。
※参考:ポラスの賃貸経営パートナーズ_「事例9.転勤で空き家状態に 期間限定で自宅を貸したい」(参照2025-09-22)
【まとめ】
転勤に伴う持ち家の扱いは、多くの家庭が直面する身近な課題です。親族に住んでもらう、空き家として維持する、賃貸に出す、売却するといった選択肢はいずれもメリットとデメリットがあり、どの方法が適しているかは家庭の状況や転勤の条件によって変わります。大切なのは、家計や生活設計の問題だけではなく、家族の意思や将来の見通しを含めて総合的に判断することです。
とはいえ、自分たちだけで判断するのは難しい場面も少なくありません。そのようなときは不動産の売却や賃貸、管理に関する専門知識を持つプロに相談することで、安心して自分たちに合った方法を選びやすくなるでしょう。
中央ビル管理では、転勤による持ち家の活用方法について相談を受け付けています。売却・賃貸・空き家管理といった幅広い選択肢に対応しているため「まずは気軽に相談してみたい」という方も安心してお問い合わせいただけます。悩みを抱え込まず、専門家の意見を取り入れながら、納得できる形で新しい生活をスタートさせましょう。