家賃滞納通知書・督促状・催告状のテンプレート|通知・督促の流れとポイントを解説
賃貸経営
2026.05.13
更新日 2026.05.14
賃貸に出している所有物件で家賃滞納が発生した場合、家賃滞納の通知や督促状、催告状の送付などの方法で、入居者に支払を求める必要があります。では、実際に対応を行う際には、どのような文面で作成すればよいのでしょうか。
本記事では、家賃滞納が発生した際の対応の流れや、家賃滞納通知書・督促状・催告状のテンプレート、通知や督促を行う際の注意点について解説します。
賃貸経営を行う上で、家賃滞納のリスクは完全には避けられません。いざというときに適切に対応できるよう、ぜひ参考にしてみてください。
目次
家賃滞納通知書・督促状・催告状とは?
家賃の滞納が発生した場合は、状況に応じて家賃滞納通知書・督促状・催告状を段階的に入居者へ送付するなどして、支払を求めます。それぞれの書類の役割は以下の通りです。
● 家賃滞納通知書:滞納している事実を客観的に知らせる書面
● 督促状:滞納している事実と通知を行ったことを明確に伝えるための書面
● 催告状:督促状よりも一段階強い意味合いを持つ書面
これらの書面は形式的に送るものではなく、滞納の経過状況に合わせて適切な内容にすることが重要です。また送付までの具体的な日数が法律で定められているわけではありませんが、多くの場合、時間の経過とともに家賃の回収は難しくなります。そのため、適切なタイミングを見極めることも大切です。
なお、不動産管理会社に管理を依頼している場合、家賃滞納通知書の送付をはじめとした対応は、これらの管理会社が行うのが一般的です。ただし、オーナー側も内容を把握しておくことで、スムーズな対応につながるでしょう。
家賃滞納が起こったときの流れとタイミング
家賃滞納が起こった場合は、一般的に以下の流れで支払の請求を行います。
1. 口頭・書面で家賃滞納を通知する
2. 督促状を送付する
3. 催告状を送付する
4. 法的措置を取る
※本人と連絡が付かない場合は、早い段階で連帯所保証人に連絡をする。
それぞれ具体的な内容やタイミングを見ていきましょう。
口頭・書面で家賃滞納を通知する
まずは、口頭または書面で家賃の滞納が発生していることを通知します。この段階では、単なる支払忘れや入金日の勘違いといったケースも考えられるため、強い表現は避け、あくまで事実確認の意味合いで伝えることが大切です。
通知方法は電話などの口頭でも問題ありませんが、メールやSMS、メッセージアプリ、家賃滞納通知書の送付など、普段から入居者とやり取りしている手段を選ぶとスムーズです。入居者のライフスタイルや年齢に応じて、適切な方法を選ぶことも意識しましょう。
なお、このような初期対応は、滞納が発生してから数日以内を目安に行うのが一般的です。
督促状を送付する
家賃滞納の通知を行っても対応が見られない場合は、督促状を送付します。明確な期限が定められているわけではありませんが、通知から1週間程度経過しても支払が確認できない場合に送付するのが一つの目安です。
督促状には「期日までに入金がない場合は」といった形で、未対応の場合の具体的な対応についても記載しておきましょう。
法的な強制力はありませんが、契約解除や法的措置へ進む際には、重要な証拠となる書類です。送付方法に決まりはないものの、簡易書留や内容証明郵便など記録が残る方法を選ぶことで、正式な督促であることを暗に示せます。
なお、督促状は1回の送付で次の段階に進む場合もあれば、状況に応じて2回、3回と送付するケースもあります。2回目の督促を行う場合は、滞納から1カ月を目安に送付しましょう。
催告状を送付する
督促状を送っても入金が確認できない場合は、催告状を送付します。「支払が行われなければ契約解除や法的措置に進む」といった内容を明確に伝えましょう。
民法第541条では、賃貸借契約を解除するためには相当の期間を定めた催告が必要とされており、催告状はその要件を満たす上で重要な書面です(※)。そのため、文面もより慎重に作成する必要があり、内容に誤りがないよう注意する必要があります。
また万が一の際の証拠として有効な書面となるため、送付日や文面、宛先が証明できる内容証明郵便で送付するのが一般的です。
※参考:e-Gov 法令検索.「民法(明治二十九年法律第八十九号)」 (2026-04-01)
法的措置を取る
入居者および連帯保証人のいずれも支払に応じない場合は、最終手段として法的措置を取ります。具体的な方法は、支払督促や少額訴訟、明け渡し訴訟、強制執行などです。
法的措置を取る際には、入居者とオーナーの信頼関係の破綻を客観的な証拠で示す必要があります。内容証明郵便や電話などで繰り返し督促を行っても応じない場合、信頼関係が破綻していると判断されるのが一般的です。そのため、これまでに送付した督促状や催告状が重要な証拠となります。
督促状・催告状のテンプレート
督促状・催告状は、どのような内容で作成すればよいのでしょうか。ここからは、それぞれのテンプレートを見ていきましょう。
家賃滞納通知書
令和◯年◯月◯日
(入居者 氏名)様
(貸主名/会社名/所在地/連絡先など)
賃料お支払に関するお願い
平素より◯◯(物件名)◯◯◯号室をご利用いただき、誠にありがとうございます。
さて、同室の賃料につきまして、支払期日を経過しておりますが、現時点でご入金の確認ができておりません。
お手数ではございますが、下記の口座へお早めにお振込みいただきますようお願い申し上げます。併せて、ご入金後はご一報いただけますと幸いです。
【振込先情報】
【滞納金額】
なお、本書と前後して既にお支払がお済みの場合は、何卒ご容赦ください。
またご不明な点やご事情がございましたら、お気軽にご連絡ください。
敬具
家賃滞納通知書のポイント
前述の通り、この段階では必ずしも書面で通知する必要はありません。入居者の支払忘れも想定し、あくまで「お知らせ」として伝えることが重要です。
入居者との信頼関係を維持するためにも、相手を責めるような強い表現は避け、次の措置に関する示唆も含めないようにしましょう。
督促状
令和◯年◯月◯日
(入居者 氏名)様
(貸主名/会社名/所在地/連絡先など)
賃料お支払に関して
平素より◯◯(物件名)◯◯◯号室をご利用いただき、誠にありがとうございます。さて、同室の賃料につきまして、◯月◯日(家賃滞納通知をした日)にご案内させていただきましたが、現在のところご入金の確認ができておりません。
つきましては、下記の内容をご確認の上、ご対応をお願い申し上げます。またご入金後はお手数ですがご一報いただけますようお願いいたします。
【振込先情報】
【未納金額】
なお、本書と前後して既にお支払がお済みの場合は、何卒ご容赦ください。
誠に恐縮ではございますが、今後も期限までにお支払の確認が取れない場合には、やむを得ず連帯保証人様へのご連絡を検討させていただくことがございます。
また何らかのご事情がありましたら、◯月◯日までにご連絡ください。
敬具
ポイント
家賃滞納の通知を行った日付を記載することで、既に支払のお願いをしていることを示せます。
この文章では、今回対応がなかった場合の次の措置についても示唆しますが「検討」という表現を用いることで、過度に強い印象を与えないようにすることがポイントです。
また「事情がある場合はご連絡ください」といった一文を添えることで、入居者が相談しやすい状況を整えられます。やむを得ない事情がある場合にも対応しやすくなることで、その後のやり取りが円滑に進みやすくなります。
催告状
令和◯年◯月◯日
(入居者 氏名)様
(貸主名/会社名/所在地/連絡先など)
賃料のお支払に関する最終通知
貴殿は、当社(または私)との間で締結した賃貸借契約に基づき、下記建物を賃借中でありますが、再三にわたり賃料のお支払をお願いしているにもかかわらず、本日現在、ご入金の確認ができておりません。
つきましては、下記の通り未納賃料が発生しておりますので、◯月◯日◯時までに、未納賃料の全額を下記指定口座へお支払いただきますよう催告いたします。
【物件名】
【所在地】
【滞納期間】
【滞納総額】
【振込先情報】
なお、期日までに入金いただけない場合は、民法第541条に基づき、貴殿との賃貸借契約を解除し、退去を求める法的措置を講じざるを得ませんので、ご承知おきください。併せて、連帯保証人に対する請求も実施いたします。
本件につき、やむを得ない事情がある場合には、期限内に必ずご連絡ください。
なお、本書と行き違いにて既にご入金いただいている場合には、何卒ご容赦くださいますようお願い申し上げます。
敬具
ポイント
催告状では、支払期限を明確に示し、期限までに支払われなかった場合は、法的措置や連帯保証人への連絡を行うことを明確に示唆します。
ただし、催告状もあくまで支払を促すための書面です。相談の余地を残すことで、この段階での支払につながりやすくなります。
支払期限は、書面の到達後1〜2週間を目安としつつ、状況に応じて設定するとよいでしょう。
家賃の滞納があった際の注意点
家賃を滞納された場合には、いくつか注意しておきたいポイントがあります。これからご紹介する5つのポイントを押さえておきましょう。
早めに最初の通知を行う
家賃の滞納が発生した際は、数日以内を目安に、できるだけ早い段階で最初の通知を行いましょう。
時間が経過するほど、入居者の支払能力が下がったり、支払に対する意識が薄れたりする恐れがあります。スムーズに解決するためには、初期対応のスピードが重要なポイントです。
先述の通り選択肢としてはさまざまな連絡方法がありますが、いずれにしても対応を先延ばしにしないことが大切です。早期であれば、入居者と話し合いながら、無理のない形で解決できる可能性も高まります。
早めの対応を取るためには、日頃から入金状況を小まめに確認しておくことも大切です。
コミュニケーションによる解決を図る
未払いとなっている家賃を回収するためには、入居者とのコミュニケーションを通じた解決を優先することが大切です。
繰り返しになりますが、単なる支払忘れであれば、最初の通知だけで入金につながるケースも少なくありません。
また金銭的な事情がある場合には、入居者と直接話をし、一時的な問題なのか、それとも収入減など長期的な問題があるのかといった状況を把握することが重要です。その上で、状況に応じて分割払いに応じるなど、現実的な支払計画を検討することで、法的措置に進まずに解決できる可能性もあります。
なお、支払計画を検討する際は、万が一その内容が守られなかった場合の対応についても、事前に明確にしておきましょう。
本人もしくは連帯保証人以外に支払を求めない
家賃の未払いが発生した場合でも、支払を請求できるのは入居者本人または連帯保証人に限られます。これ以外の第三者に弁済を求める行為は、違法と判断される恐れがあります。
また電話などで連絡を行う際にも、第三者に対して滞納の事実を伝えることは避けなければなりません。
たとえ悪質な未払いであっても、滞納していることが分かる張り紙を玄関ドアに貼る、看板を設置するといった行為は、違法とされる可能性があります。このような対応は行わないようにしましょう。
脅迫的な督促を行わない
通知や督促を行っても応じない場合や、家賃滞納が繰り返される場合であっても、脅迫的な言動による督促は控える必要があります。あくまで冷静かつ適切な方法で対応することが大切です。
入居者が対応しない場合でも、無理に圧力をかけるのではなく、状況に応じた法的措置への移行が適切な判断です。
深夜・早朝に連絡・訪問をしない
個人による家賃の回収に貸金業法が直接適用されるわけではありませんが、貸金業法第21条では、正当な理由がないにもかかわらず、不適当とされる時間帯に取り立てを行うことが禁止されています(※1)。内閣府令で定められる不適当な時間とは、午後9時から翌朝の8時までです(※2)。
貸したお金ではなく未払い家賃の回収であっても、この時間帯に連絡や訪問を行うことは控えるのが望ましいでしょう。対象となるのは電話や訪問だけではなく、書面による連絡も含まれます。
また深夜や早朝の連絡・訪問は、滞納している入居者本人に限らず、周囲の入居者への迷惑にもなりかねません。トラブルを避けるためにも、このような時間帯の対応は避けるようにしましょう。
※1 参考:e-Gov 法令検索.「貸金業法(昭和五十八年法律第三十二号)」 (2025-10-01)
※2 参考:e-Gov 法令検索.「貸金業法施行規則(昭和五十八年大蔵省令第四十号)」 (2025-10-01).
【まとめ】家賃滞納トラブルの負担を軽減するには不動産管理会社の利用がおすすめ
所有物件で家賃滞納が発生した場合、家賃滞納通知書・督促状・催告状を段階的に送付しながら、支払を求めていくことになります。初期段階では「お知らせ」として穏やかに伝え、円満な解決を目指すことが重要です。
対応が見られない場合には、催告状を内容証明郵便で送付した上で、連帯保証人への連絡や法的措置も視野に入れる必要があります。
このような家賃滞納への対応は、オーナーにとって大きな負担やストレスにつながります。負担を抑えながら安定した賃貸経営を行うためには、不動産管理会社の活用も有効な選択肢です。
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万が一の際には、管理のプロが督促対応を行う他、滞納トラブルを未然に防ぐための入居審査にも力を入れています。賃貸経営の負担を軽減したい方は、お気軽に株式会社中央ビル管理にご相談ください。
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