マンションを賃貸に出すメリットと注意点とは?かかる費用や具体的な手順を解説
賃貸経営
2026.03.12
更新日 2026.03.13
所有マンションを賃貸に出すメリットや注意点、かかる費用や手続きの流れまでを解説します。管理会社の選び方や節税効果も紹介しており、これから賃貸を検討している方向けの記事です。
本記事では、マンションを賃貸に出すメリットや注意点の他、必要となる費用や手続きの流れまで分かりやすく解説します。現在「貸すか売るか迷っている」という方はぜひ最後まで読んで、判断材料としてお役立てください。
目次
マンションを賃貸に出すメリット
住まなくなった、または住まなくなる予定の所有マンションに対し「いつかまた住むだろう」「資産として保有し続けたい」と考えている場合、売却はせず賃貸に出すという選択肢があります。賃貸に出すことで得られるメリットは多く、将来のライフプランにも柔軟に対応可能です。まずは、マンションを賃貸に出す主なメリットについて解説します。
家賃収入を得られる
マンションを賃貸に出す第一の魅力は、毎月の家賃収入を得られることです。これは労働収入とは異なり、入居者がいる限り安定して得られる不労所得と言えます。
この家賃収入は、単なる利益としてだけでなく、以下のような費用の原資として活用できます。
● 固定資産税や都市計画税など、毎年発生する税金の支払い
● マンション管理費や修繕積立金の負担軽減
● 将来的に必要になるリフォームや設備更新のための積立
● 賃貸物件として維持するための清掃・管理業務への充当
またローン返済中の物件であれば、住宅ローンを借りている銀行に承諾を得る必要があることは注意点としてありますが(後述)、家賃収入を返済に回して家計の負担を軽減することも可能です。収益を生み出しながら資産を保持できる点は、大きな経済的メリットと言えるでしょう。
経費に計上できる
マンションを賃貸物件として運用する場合、自宅として利用していたときには対象とならなかった支出の一部が「経費」として計上できるようになります。これにより、所得税などの課税対象所得を抑える効果が期待できます。
経費に含められる代表的なものは以下の通りです。
● マンションの管理費・修繕積立金
● 固定資産税・都市計画税
● 火災保険料
● 賃貸管理会社への委託費用
● 賃貸募集の広告費
● 原状回復や修繕にかかった費用(用途や内容により異なる)
特に「修繕費」については注意が必要です。資産価値を維持するための小規模な修理であれば、その年の経費として計上できますが、設備の大規模な改修や増設のように資産価値を増すと判断されるものは「資本的支出」とされ、減価償却の対象になります。なおどこまでが経費にできるかは、状況によって異なります。
※参考:国税庁.「第8節 資本的支出と修繕費」(参照2025-08-28)
※参考:国税庁.「No.2107 資本的支出を行った場合の減価償却」(参照2025-08-28)
節税対策になる
マンションを賃貸に出すことで、税務上の節税効果を得られる可能性があります。その一つが「損益通算」による節税です。損益通算とは、家賃収入から経費を差し引いた不動産所得が赤字になった場合に、その赤字を給与所得や事業所得などの他の所得と合算し、課税所得を減らすことができる仕組みです。
例えば家賃収入が年間100万円で経費が120万円だった場合、20万円の赤字が生じます。この赤字を給与所得などから差し引いて、全体の所得税や住民税を抑えることが可能になります。
ただし、損益通算が適用されるのは、事業としての実態があることが前提です。税務署から「副業的な活動」とみなされた場合は適用できないケースもあるため、注意が必要です。
また、将来的に親名義のマンションを相続する場合、賃貸に出していることで相続税評価額が下がるというメリットもあります。これは「貸家は借主に使用権があり、所有者が自由に処分できない」という性質を踏まえ、評価額を減額する特例が設けられているためです。例えば、借地権割合が60%、借家権割合が30%の地域であれば、相続税評価額は実勢価格より大きく下がることになります。
※参考:国税庁.「No.1391 不動産所得が赤字のときの他の所得との通算」(参照2025-08-07)
※参考:国税庁.「No.4602 土地家屋の評価」(参照2025-08-07)
資産を保持できる
マンションを売却するとまとまった資金を得られる反面、その物件自体は手放すことになります。一方で、賃貸に出せば所有権を維持したまま、家賃収入という形で資産を活用できます。
そのため先述したような、将来的に再び居住する予定がある場合や家族に住ませる可能性がある場合には、売却せずに保有し続けるという選択肢が有効です。賃貸に出しておけばその間も物件が活用され、収益も得られるため、資産の価値を生かせます。
また空室のまま放置していると、風通しや湿気の影響で建物が傷みやすいです。人が住み続けていることで日常的に換気や設備の使用がなされ、結果的に建物の状態が良好に保たれるという側面もあります。
マンションを賃貸に出すときの注意点
マンションを賃貸に出すことで得られるメリットは多い一方で、いくつかの注意点も存在します。想定していた収益を得られなかったり、思わぬ手続きが発生したりする可能性があるため、事前に確認しておくことが大切です。代表的な注意点をご紹介します。
空室リスクがある
所有マンションを賃貸に出すと家賃収入が得られますが、その前提は「入居者がいること」です。入居者が見つからなければ家賃収入は発生せず、ローンや管理費などの支出だけが残ることになります。空室リスクは以下のような要因によって高まることが多いです。
● 周辺に競合物件が多い
● 最寄駅や生活利便施設からの距離が遠い
● 築年数が古く、設備が古いままになっている
● 家賃設定が周辺相場よりも高過ぎる
こうした条件により、空室が長期化する可能性もあります。
空室期間が続くと維持費だけでなく清掃や設備点検などの管理コストも発生するため、賃貸に出す前にエリアの需要や家賃相場をよく調査し、適切な条件設定を行うことが重要です。また空室リスクを下げる方法としては、魅力的な内装へのリフォームや、信頼できる管理会社の活用も有効です。
確定申告を行う必要がある
マンションを賃貸に出すと「不動産所得」が発生します。これは給与所得とは別に課税対象となるため、原則として毎年の確定申告が必要です。特に会社員の方の場合「給与以外の所得が年間20万円を超える場合は確定申告が必要」というルールがあります。不動産所得がこの条件に該当すれば、例外なく申告が求められます。
確定申告には「白色申告」と「青色申告」の2種類がありますが、要件を満たして青色申告を選べば、最大65万円の特別控除を受けることが可能です。青色申告では、事業的規模と認められれば赤字の繰越や家族への給与支払いを経費にできるなど、さまざまな税務上のメリットがあります。ただし帳簿作成や提出書類の管理には一定の手間がかかるため、初めて申告する方は税理士への相談や会計ソフトの活用をするのがスムーズです。
※参考:国税庁.「No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人」(参照2025-08-07)
※参考:国税庁.「No.2072 青色申告特別控除」(参照2025-08-07)
住宅ローン控除が適用されない
住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、居住用の住宅を対象としており、自己の居住の用に供することが適用条件に含まれている制度です。居住用として住宅ローンを組んで購入したマンションを賃貸に出した場合、その年以降は住宅ローン控除を受けられなくなるため、注意が必要です。
ただし転勤などの理由により一時的に自宅を離れた場合は、翌年以降に再び居住すれば、住宅ローン控除を再開できることがあります。また家族が引き続きその住宅に住んでいる場合や、国税庁が定める一定の条件に当てはまるケースでは、住宅ローン控除が継続できる場合もあります。
住宅ローン控除の可否は状況によって異なるので、該当するかどうかを事前に税務署や専門家に確認しておくと良いです。
※参考:国税庁.「No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」(参照2025-08-07)
※参考:国税庁.「所住宅借入金等特別控除の再適用を受けるための手続1(転居前における手続)」(参照2025-08-07)
住宅ローンを借りている銀行に承諾を得る必要がある
そもそも住宅ローンは、本来「自らが住むこと」を前提として金融機関と契約するローンです。そのため住宅ローンが残っている物件を賃貸に出すことは、契約違反に当たる可能性があります。特に契約書には「居住目的で使用する」旨が明記されているケースが多く、勝手に賃貸に出すと契約違反とみなされることがあるので、注意が必要です。
こちらも転勤ややむを得ない事情がある場合、金融機関に事前相談を行い、承諾を得ることで例外的に賃貸を認めてもらえるケースはあります。ただし承諾が得られない場合や条件が厳しい場合は、住宅ローンから不動産投資ローンなどへの借り換えが必要になるでしょう。
無断で賃貸に出すと、最悪の場合は金融機関からローンの一括返済を求められる恐れもあるため、事前に必ず相談しましょう。
収支の計画を入念に立てる必要がある
マンションを賃貸に出すと家賃収入が得られる一方で、さまざまな費用が発生します。代表的なものとしては、管理費・修繕積立金・固定資産税・管理会社への委託費用・原状回復や修繕費などがあり、空室期間が続けばその間の支出はすべて自己負担になります。こうした支出と収入のバランスを見誤ると、手元に残る利益がほとんど出ないという状況にもなりかねません。
後述する費用の内容も参考にしながらシミュレーションを行い、収支の見通しを立てておくことが重要です。特にローンの返済中であれば、返済額と家賃収入のバランスに注意を払いましょう。
マンションを賃貸に出す際にかかる費用
マンションを賃貸に出す際にかかる費用は、賃貸開始前に一時的に発生するものと、賃貸期間中に継続して発生するものに分けられます。特に分譲マンションの場合、管理費や修繕積立金など所有している限り支払い義務が発生し続ける費用もあるため、事前に全体の支出を把握しておくことが重要です。
下記は、賃貸に出す際に発生しやすい主な費用の一覧です。
【費用項目】クリーニング費用 (室内清掃や除菌対応など)
【負担時期】入居前・退去後
【費用項目】原状回復費用(入居者退去時の修繕)
【負担時期】入居者退去時
【費用項目】リフォーム・設備交換(内装や水回りなどの補修)
【負担時期】入居前・必要時
【費用項目】管理委託費用(管理会社への手数料)
【負担時期】毎月・年間契約など(空室時はかからない)
【費用項目】マンション管理費・修繕積立金(管理組合に支払う費用)
【負担時期】毎月継続
【費用項目】税金関係(固定資産税・所得税など)
【負担時期】年1回または確定申告時
これらの費用について、次項以降で詳しく解説していきます。
クリーニング費用・原状回復費用
マンションを貸し出す前には、室内の清掃や除菌を行う「クリーニング費用」が必要です。長期間住んでいた場合や、室内に汚れ・傷みが目立つ場合には、簡単な清掃だけではなく部分的なリフォームが必要になることもあります。
見た目の印象が家賃や入居者の有無に直結するため、初期の整備は非常に重要です。また、入居者が退去した際には「原状回復費用」が発生します。これは、次の入居者を迎えるために室内を元の状態に戻すのに使用する費用です。
クリーニング費用は部屋の広さや作業範囲によって異なりますが、1K~1LDKの部屋で1万5,000〜3万円程度が目安です。原状回復費用は修繕内容により数万円~十数万円に及ぶ場合もあるため、あらかじめ見積もりを取り、準備しておきましょう。
※参考:国土交通省住宅局.「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」pdf(参照2025-08-07)
※原状回復の対象になるもの・ならないもの
原状回復費用をめぐるトラブルは、オーナーと入居者の間で起こりやすい問題の一つです。どこまでが「入居者の責任」で、どこからが「経年劣化によるオーナー負担」なのかを巡って意見が分かれるケースがあります。原状回復の費用分担については、国土交通省のガイドラインに基づき、以下のような考え方が一般的です。
● 入居者が故意・過失で傷つけた箇所→入居者負担
● 通常の使用による自然な劣化→オーナー負担
トラブルを未然に防ぐためには、賃貸契約を始める前に部屋の状態を写真や動画で細かく記録しておくことが重要です。壁や床、設備の状態などを明確に残しておくと、退去時にどの傷や汚れが新たに発生したものかを正確に判断できるでしょう。
原状回復の対象となる・ならないの代表的な例は、以下の通りです。
【原状回復の対象となる(入居者負担)】
● 家具の移動によってできたフローリングの引きずり傷
● タバコのヤニや臭いによる壁紙の汚れ
● 飲み物などをこぼして生じたカビや腐食
● 落書きやペットによる損傷
【原状回復の対象とならない(オーナー負担)】
● 家具や家電の設置による床のへこみ
● 日焼けによる壁紙の色あせ
● 経年劣化による設備の不具合
● 通常使用による小さな傷や汚れ
リフォームや設備交換費用
マンションを賃貸に出す際、室内の設備が経年劣化している場合には、リフォームや設備交換が必要です。これは入居者の過失による破損ではなく、時間の経過によって自然に生じた不具合や傷みに対応するもので、基本的にはオーナーが費用を負担します。
例えば以下のようなケースでは、リフォームを検討すると良いでしょう。
● ドアの開閉がスムーズにできない
● 蛇口や排水口などの水回りが錆びている、水漏れがある
● 壁紙やフローリングの一部が剥がれている
● エアコンや給湯器が古く、正常に作動しない
こうした不具合があるままでは入居者が見つかりにくくなるため、修繕しておくと結果的に空室リスクを下げることにつながります。修繕費の相場は、内容や設備の種類によって大きく異なるので、事前に見積もりを確認した上で実施しましょう。
賃貸物件の管理委託費用
マンションを賃貸に出す際、オーナーが自ら管理業務を行うのは手間がかかるため、多くの場合は管理会社に業務を委託します。この場合に発生するのが「管理委託費用」です。管理委託費用の相場は、家賃の約5%程度が一般的です。例えば月額家賃が10万円であれば、毎月5,000円前後が管理費としてかかります。
管理内容には家賃の集金、クレーム対応、物件の巡回・点検、入居者とのやり取りなどが含まれることが多く、対応範囲が広ければ広いほどオーナーの負担を大きく軽減できるでしょう。また入居者の募集から賃貸契約の締結までを不動産会社に依頼する場合には、別途「広告宣伝費」がかかります。
ここで注意したいのが、管理委託費用と広告宣伝費の違いです。広告宣伝費は入居者を見つけて契約を成立させるまでにかかる一時的な費用、管理委託費用は契約後の管理業務を継続的に委託するための費用を指します。
両者は役割も発生時期も異なるので、依頼内容に応じて費用がどう変わるのかを事前に確認しておくことが大切です。サービス内容の範囲や対応レベルは会社ごとに異なるので、複数社を比較検討して選ぶと良いでしょう。
マンションの管理費用と修繕積立金
分譲マンションでは、共用部分の維持管理や将来的な大規模修繕に備えて、「管理費」と「修繕積立金」の支払いが必要です。これらの費用は賃貸に出すかどうかにかかわらず、所有者であるオーナーが負担するものです。したがって、賃貸中であっても毎月の支払いは継続して発生します。
なお管理費については、家賃とは別に入居者から徴収する設定も可能です。例えば「家賃:90,000円、共益費:10,000円」といった形で表示し、共益費部分で管理費をまかなうという方法です。
ただし、修繕積立金という名目で入居者へ請求ができません。また、オーナーの固定費として計上する必要があります。これらの支出も収支計画にしっかりと含めておきましょう。
税金
マンションを賃貸に出すことで発生する税金は、大きく分けて2種類あります。一つは「不動産を所有していること」に対して発生する税金、もう一つは「賃貸収入を得ること」に対して課される税金です。
それぞれの税金には計算方法や税率が異なり、想定していなかった支出につながるケースもあります。賃貸を始める前に、どのような税負担があるのかを正確に把握し、年間の収支計画に組み込んでおくことが大切です。
以下では、代表的な税金について解説します。
※固定資産税・都市計画税
固定資産税と都市計画税は、不動産を所有している人に対して課される税金です。賃貸に出しているかどうかに関係なく、オーナーが納める必要があります。
● 固定資産税
固定資産税評価額×1.4%(標準税率)で算出されます。ただし市区町村の条例により税率が変更されている場合があるため、物件所在地の自治体で確認が必要です
● 都市計画税
都市計画区域内にある土地・建物に対して課される税金です。税率は最大で評価額の0.3%ですが、地域によっては非課税の場合もあります
相続などでマンションを引き継いだ場合、毎年の納税額が収支を大きく左右するケースもあるため、事前に評価額や納税額を把握しておくことが重要です。
※参考:総務省.「固定資産税」(参照2025-08-07)
※参考:総務省.「都市計画税」(参照2025-08-07)
※所得税・住民税・復興特別所得税・個人事業税
マンションを賃貸に出すことで得た収益には、以下のような税金が課されます。
● 所得税
年間の不動産所得に対して課税されます。税率は累進課税で、所得が多いほど税率も上がります
● 住民税
所得と連動して発生する地方税です。基本的に所得の約10%が課税されます
● 復興特別所得税
東日本大震災の復興財源確保を目的とした税金で、基準所得税額の2.1%が上乗せされます
これらの税金は、確定申告で申告した不動産所得に基づいて計算されるため、経費を適切に計上することで節税が可能です。家賃収入に対してかかる税金だからこそ、日頃から帳簿管理を徹底しておくことが重要です。
さらに、賃貸経営の規模が一定以上になると「個人事業税」が発生する場合があります。
例えば東京都の場合、マンションを10室以上貸していると、事業とみなされて課税対象となります。
※参考:国税庁.「所得税のしくみ」(参照2025-08-07)
※参考:総務省.「個人住民税」(参照2025-08-07)
※参考:国税庁.「個人の方に係る復興特別所得税のあらまし」(参照2025-08-07)
※参考:東京都主税局.「個人事業税」(参照2025-08-07)
マンションを賃貸に出す流れ
マンションを賃貸に出す際には、家賃や契約条件を決めるだけでなく、管理会社との契約や入居者募集などいくつかのステップを踏まなければなりません。ここでは、初めて賃貸を行う方でもスムーズに進められるよう、マンションを貸し出すまでの基本的な流れを順を追って解説します。
管理会社を探す
マンションの賃貸をスムーズに進めるには、信頼できる管理会社の選定が重要です。管理会社に依頼できる内容は大きく分けて以下の2つに分類されます。
● 入居者の募集のみを委託(媒介契約)
● 入居者募集と管理業務の両方を委託(管理委託契約)
前者は比較的コストを抑えられますが、家賃の回収やトラブル対応はオーナーが自ら行う必要があります。後者は管理委託費用が発生しますが、入居後のトラブル対応やクレーム処理、家賃滞納時の対応なども含まれるため、手間をかけたくないオーナーに向いているでしょう。
また、管理会社ごとに対応範囲やサポート内容が異なるため、事前に比較検討することが大切です。例えば、中央ビル管理ではマンションに対し以下のような管理プランを提供しています。
● 分譲マンション賃貸管理プラン:建物巡回を除く主な管理業務をサポート
● 募集プラン:募集・審査・賃貸借契約などをメインにサポート
※2025年8月現在
このように、自分が委託したい範囲に合わせて、最適なプランを選びましょう。
※参考:中央ビル管理.「PLAN FOR PROPERTY」(参照2025-08-07)
賃貸契約方法や条件を決める
管理会社を決めたら、次に進めるべきは「契約形態」と「入居条件」の決定です。契約方法には複数の種類があり、目的や将来のライフプランによって適切な形式を選ぶ必要があります。
以下は主な契約形態とそれぞれの特徴です。
【普通借家契約】
■特 徴:入居者が希望すれば原則更新される
■注意点:オーナー都合で契約を終了できないことがある
【定期借家契約】
■特 徴:契約期間満了で確実に終了できる
■注意点:入居者が敬遠するケースもある
【サブリース契約】
■特 徴:管理会社が借主となり、家賃保証を受けられる
■注意点:再入居したいときにすぐ戻れないことがある/家賃は相場より低め
例えば「将来的に自分で再入居したい」と考えている場合、普通借家契約やサブリース契約は再入居の制限があるため注意が必要です。一方で安定収入を重視したい場合には、サブリース契約を選ぶことで空室リスクを軽減できるという利点もあります。
※決めておくべき入居条件
契約の種類だけでなく、入居条件の設定も重要な作業です。入居者募集を開始する前に、不動産会社と相談しながら細かい入居条件を設定する必要があります。入居条件の決定は、希望する入居者層を明確にし、トラブルを未然に防ぐためにも大切なステップです。
検討すべき主な条件は以下の通りです。
● 家賃額の設定:周辺相場を参考に、適正な価格を設定する
● 敷金・礼金の有無:初期費用の負担が入居希望者に与える印象を左右する
● 契約期間:1年または2年契約が一般的
● ペットの可否:条件により入居者の層が大きく変わる(規約による可否あり)
● 喫煙の可否:室内の損傷リスクにも影響
● 法人契約の可否:転勤族や法人契約の需要も踏まえて判断する
家賃の設定は特に重要で、高過ぎると空室が長引き、安過ぎると収益が見込めなくなります。エリアや設備の相場に基づいて設定しましょう。
入居者を募集する
賃貸条件が決まったら、いよいよ入居者の募集を開始します。募集は提携の不動産会社や、管理会社が運営するWebサイト、ポータルサイトに掲載して行うのが一般的です。
募集を成功させるためには、掲載ページに十分な情報が含まれているかを事前に確認しておくことが重要です。例えば以下のような情報が不足していると、反響が得にくくなります。
● 室内・設備・外観の写真
● 周辺環境(最寄駅やスーパーまでの距離)
● 間取りや専有面積
● 初期費用の内訳(敷金・礼金・仲介手数料など)
必要な情報がきちんと記載され、写真も充実していれば、より多くの入居希望者にアピールできます。掲載内容に不備がないか、管理会社と一緒に確認しておきましょう。
賃貸借契約を締結する
入居希望者が現れると、管理会社が内見対応を行い、その後入居審査へと進みます。審査内容は入居者の収入状況、勤務先、連帯保証人の有無などで、物件によっては保証会社の利用が必須となるケースもあります。
審査を通過した後は、賃貸借契約の締結です。この手続きも基本的には管理会社が代行するため、オーナーが立ち会う必要はありません。契約内容や重要事項説明については事前に管理会社から報告を受け、必要に応じて確認・修正を依頼しておくと安心です。
賃貸に出すマンションの管理会社を選ぶポイント
マンションを賃貸に出す際、管理会社の選定は経営の成否を左右する重要なポイントです。入居者募集や家賃管理、トラブル対応などを代行してもらう以上、信頼できるパートナーであることが求められます。ここでは、賃貸管理を円滑に行うために確認しておきたい管理会社選びのチェックポイントを解説します。
管理実績
管理会社を選ぶ際には、これまでの管理実績や入居率といった「数値で確認できる指標」を重視することが大切です。管理戸数が多く、安定した運用実績を持つ会社であれば、ノウハウや対応力が蓄積されているため、安心して任せられるでしょう。
特にチェックしておきたいのが以下の指標です。
● 平均空室期間:新規募集から契約までにどのくらいかかっているか
● 年間入居率:高ければ高いほど、安定した入居が期待できる
● 管理戸数の推移:継続的に依頼が増えているかどうか
また空室対策に対する具体的な提案力も、管理会社の集客力を測る上で重要な要素です。
単に「募集します」と伝えるのではなく、周辺相場との比較、リフォームの提案、家賃設定の見直しなど、オーナーと二人三脚で取り組んでくれる姿勢があるかを確認しましょう。
トラブル時の対応体制
入居者からのクレームや設備の不具合といったトラブルは、どんな物件でも避けられません。
そのためトラブル時の対応体制が整っている管理会社を選ぶことが、入居者満足度の向上と長期入居につながります。
対応が遅い、もしくは不適切な対応をすると、入居者の不満がたまり最悪の場合は早期退去にもつながりかねません。以下のような点を確認しておくと安心です。
● 物件から1時間以内に到着できる拠点(本社・支店)があるか
● 24時間対応の緊急連絡窓口があるか
● 管理スタッフの人数が不足していないか
万が一の対応が迅速で丁寧な管理会社であれば、安心して任せられるでしょう。
評判や口コミ
管理会社の対応品質は、実際に利用している入居者やオーナーの声を通して把握できる場合があります。インターネット上の口コミやSNS、オーナー仲間からの紹介・評判なども判断材料の一つです。
特に注目したいのは以下の点です。
● 入居者対応に関する評判(電話応対・修理のスピードなど)
● 家賃滞納時の対応状況
● オーナーへの報告体制・説明の丁寧さ
サービスの質が高い会社であれば、入居者の満足度も高くなり、結果として長期入居・安定収入に直結します。定量的な実績と併せて、定性的な評価にも目を向けるようにしましょう。
物件がある地域に詳しいか
地域密着型の管理会社には、そのエリアに特化した入居者ニーズや家賃相場、生活環境の理解があります。物件のある地域に強い会社を選ぶことで、的確な家賃設定や募集戦略、ターゲットに合った内装提案など、より実情に合った対応が受けられるでしょう。
例えば以下のような特徴を持つ管理会社が望ましいです。
● 管理物件の多くが自分の物件と同じエリアにある
● 本店または支店が物件の近くにある
● 地元での実績が豊富で、地域の治安や入居者層にも詳しい
入居者の属性を見極めたリフォーム提案などを受けられれば、収益改善にもつながる可能性があります。
管理会社の企業体力
賃貸管理業務を委託する場合、家賃の回収や一時的な保管を管理会社に任せることになります。そのため、万が一にも倒産や資金繰りの悪化が起きると、オーナーへの家賃送金に遅れが出るようなリスクもゼロではありません。
こうした事態を避けるためには、管理会社の企業体力(財務状況・経営基盤)を事前に確認しておくことが重要です。以下の方法で確認するのがおすすめです。
● 会社のWebサイトで公開されている決算情報をチェック
● 金融庁が運営するEDINET(エディネット)で有価証券報告書を閲覧
● 口コミやニュースで経営に関する動向を確認
特に家賃保証型のようなプランを選ぶ場合は、倒産リスクがそのまま損失につながるため、信頼性の高い企業を選ぶことが求められます。
まとめ
マンションを賃貸に出すことは、資産を維持しながら安定収入を得る有効な手段です。一方で、管理の手間や税金の負担、空室リスクなどにも備える必要があります。事前の情報収集と計画的な準備、信頼できる管理会社のサポートが成功のカギです。
中央ビル管理では、入居者募集から契約・管理・トラブル対応までを一貫してサポートし、オーナーさまの負担を抑える体制を整えています。地域に根差したスピーディな対応と柔軟なサービス内容で、初めて賃貸経営を始める方にも安心してご利用いただけます。
「まだ検討段階だけれど話を聞いてみたい」といったご相談でも大歓迎です。マンションを賃貸に出すことをとお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください
監修
(株)中央ビル管理 取締役 江本 昌央氏
所属/(株)中央ビル管理取締役 業務管理部部長
保有資格/ 宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士
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