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賃貸管理コラム

転勤が決まったら持ち家はどうする?住宅ローンが残っていても選べる選択肢と判断ポイント

賃貸経営

2025.10.08

更新日 2025.10.09

転勤が決まったら持ち家はどうする?住宅ローンが残っていても選べる選択肢と判断ポイント

転勤が決まった際に、住宅ローンが残る持ち家をどうするかお悩みではありませんか? 本記事では、賃貸・売却・空き家として保有する3つの選択肢について、それぞれのメリットや注意点を解説します。金融機関との手続きや管理方法、判断のポイントも丁寧に紹介していますので、将来の暮らしを見据えた参考にご活用ください。
転勤が決まった際、購入した家やマンションをどうするべきか悩む方は少なくありません。特に住宅ローンが残っている場合、安易に売却や賃貸に踏み切ると後々のトラブルにつながる可能性もあります。

本記事では、転勤時に選べる選択肢とそのメリット・デメリット、住宅ローンの扱い、判断時の重要なポイントなどを詳しく解説します。将来的な住まいや資産価値も見据えた上で、納得のいく判断ができるよう、参考にしてみてください。

転勤時に選べる3つの選択肢

転勤が決まったとき、住宅ローンが残っている家やマンションをどうするかは、多くのオーナーにとって悩ましい問題です。特に転勤が急に決まった場合や、長期に及ぶ可能性がある場合は、早急に判断が求められる場面も少なくありません。

実際のところ、賃貸に出すことには複数のメリットがあります。ここでは、転勤時に所有している家やマンションをどのように扱うかについて代表的な3つの選択肢を紹介し、それぞれのメリット・注意点について解説します。

賃貸に出す

購入した家やマンションを賃貸物件として運用する方法は、住宅ローンを返済しながら所有物件を手放さずに済むという点で魅力的です。家賃収入を得られれば、住宅ローンの返済や固定資産税などの維持費用を補うことができるため、家計上の負担を軽減することも可能です。特に東京都や埼玉県、千葉県といった都市部では賃貸需要が高いため、比較的早期に入居者が見つかるケースも少なくありません。

また所有物件を賃貸に出すと、第三者が住むことで建物が空き家にならず、風通しや日常的な使用により劣化を防ぎやすくなるという面もあります。住宅としての価値を維持したまま転勤期間を乗り切るには、合理的な選択肢と言えるでしょう。

ただし、賃貸経営には一定のリスクも伴います。入居者がすぐに決まらなかった場合は空室期間中のローン返済が家計を圧迫し、加えて転勤先の住居費も発生することになります。仮に入居が決まっても、家賃の滞納や設備の修繕などの対応に追われることもあり、精神的な負担も無視できません。さらに、物件を賃貸に出す際には金融機関に事前の相談が必要であり、黙って貸し出すと契約違反と見なされる場合もあるため注意が必要です。

この他、税務上は不動産所得の扱いとなるため、確定申告が必要になる点も見落とさないようにしましょう。

売却する

転勤を機に購入した家やマンションを売却するという選択も、多くの方が検討する方法の一つです。特に今後その物件に住む予定がない場合や、住宅ローンの返済負担を早期に解消したい場合には、選択肢として有効です。売却価格がローンの残債を上回れば、一括返済によってローン契約を終了できる可能性があります。その上で、手元に残った資金を新生活の準備費用に充てることができれば、経済的なメリットも得られます。

また賃貸と違って入居者対応や建物管理に関わる手間がなくなるため、転勤先での生活に専念できるという点も見逃せません。長期的な空き家・空室リスクや老朽化への不安がなくなることから、精神的にも安心感が得られるでしょう。

一方で、売却を選ぶ際には慎重な判断が求められます。例えば売却額がローン残高を下回る「オーバーローン」の状態であれば、不足分を自己資金で補う必要があります。また、買い主が見つかるまでに時間を要することもあり、売却完了までの期間中は二重に住宅費を支払うことになる可能性も否定できません。加えて、将来的にその地域へ戻る予定がある場合は、新たに住宅を探さなければならないという負担も生じます。

今後の生活設計や資産計画に応じて、売却によって何を得たいのか、どこに注意すべきかを明確にしておくことが重要です。

空き家や空室のまま保有する

転勤の期間が限定的であり、いずれ現在の住まいに戻る予定がある場合は、そのまま空き家や空室として保有するという判断もあります。住み慣れた家やマンションを維持し続けられるという点では心理的な安心感があり、家具などもそのまま保管できるため、再び住み始める際の手間も少なくて済むでしょう。

しかし空き家や空室のまま建物を放置することには、いくつかの注意点があります。誰も住んでいない状態が続くと、風通しや水回りの使用が止まり、湿気による腐食やカビの発生、配管の劣化などが進みやすくなります。特に木造住宅は劣化のスピードが早まる傾向があるため、定期的な通風や清掃が欠かせません。

また資産として保有している以上、固定資産税の納税義務は続きます。マンションであれば管理費や修繕積立金も継続して発生するはずです。物件の維持に関わるコストや労力を冷静に見積もり、将来的な再利用の可能性と照らし合わせて判断することが求められます。

住宅ローンが残っている場合どの方法を選択すべき?判断のポイント

賃貸・売却・保有のいずれにもメリットと注意点があるため、どの選択肢が最も適しているかはケースによって異なるでしょう。ここでは、選択を判断する上での3つの重要な視点をご紹介します。住宅ローンや税制の取り扱いも関係してくるため、将来のライフプランを見据えて検討することが大切です。

単身赴任か家族帯同か

まず大きな判断材料となるのが、単身赴任か家族帯同かという点です。家族が現住所に残り自身だけが転勤先に赴く単身赴任の場合、購入した家やマンションはこれまで通り家族の居住用の物件として使えるため、賃貸や売却の選択肢は基本的にありません。この場合は住宅ローンを継続して利用できるケースが多く、住宅ローン控除の適用も継続される可能性が高いです。住宅ローン控除を受けるには、本来であれば「納税者がその住宅に引き続き居住していること」という要件を満たす必要がありますが、単身赴任や介護などやむを得ない事情がある場合、家族が引き続き住んでいれば控除継続が認められると例外で定められています。

一方、家族全員で転勤先へ移動する場合は、賃貸・売却・空き家や空室保有のいずれもが選択肢となります。住宅ローンの継続利用が可能かどうかは金融機関の判断によりますが、住宅ローン控除は居住の事実がなくなった時点で一時的に適用外となるため、注意が必要です。

ただし、やむを得ず居住を中断したものの、その後同じ住宅に戻る予定がある場合は、再居住時に残りの控除期間が適用されることがあります。その場合は事前に、転勤により居住できない期間ができることを申告書などで証明する必要があります。

収支の見通しが立つか

賃貸・売却・空き家や空室保有のいずれを選ぶにしても、収支の見通しをしっかりと立てておき、経済的に無理のない選択をすることが大切です。購入した家やマンションを賃貸に出す場合、家賃収入が住宅ローン返済額や諸経費を上回るかを確認します。以下のような費用が発生する点に注意しましょう。

● 管理会社への委託費(家賃の3〜7%程度が相場)
● 修繕費・原状回復費(退去時に必要)
● 火災保険料
● 定期的な設備点検や清掃費


また賃貸に出しても入居者がすぐに決まらない場合、収入が発生しない一方でローン返済と転勤先の住居費の支払いは重なるため、空室期間中は負担が大きくなるでしょう。

売却の場合は、売却価格とローン残債の差に注意すべきです。もし売却価格がローン残高を下回る「オーバーローン」の状態であれば、差額を自己資金で補う必要があります。またローンを完済しないと抵当権を抹消できないため、金融機関の許可なしでは売却自体ができません。

さらには、急ぐあまり予定よりも早く売却が成約すると、転勤前に住んでいる家を退去せざるを得なくなり、仮住まい費用などが余計にかかってしまうケースもあります。

空き家のまま保有する場合は、固定資産税の支払いや、維持管理に必要な出費が続くことを忘れてはいけません。先述の通り遠方に転勤する場合は自分で所有物件の管理を行うのが難しいため、管理会社に委託する必要があり、その費用も見込んでおく必要があります。

将来今の家やマンションに戻る予定があるか

転勤の期間が決まっていて、いずれ今の家やマンションに戻る予定がある場合、可能であれば売却という選択肢は避ける方が望ましいでしょう。特に数年後に戻る見込みが高いのであれば、物件を保有しておいた方が経済的にも手続き上も合理的です。

ただし転勤が長期化する可能性がある、もしくは今後も転勤が続く可能性があるといった場合には、売却を視野に入れる判断も現実的です。将来のライフプランや転勤の頻度を踏まえて柔軟に検討する必要があります。

なお主な賃貸契約には「定期借家契約」「普通借家契約」「サブリース契約」の3つがありますが、短期的な転勤でも購入した家やマンションを賃貸に出す場合は、「定期借家契約」を選ぶことをおすすめします。これは契約期間が終了した際、確実に入居者に退去してもらえる契約形態です。

対して「普通借家契約」は入居者に居住継続の権利があるため、オーナー側が契約終了を申し出ても正当な理由がない限りは契約更新となるケースが多く、再居住の予定がある場合には不向きです。また「サブリース契約」は管理の手間が軽減される反面、家賃の下落リスクや契約解除の難しさがあるため、事前によく検討する必要があります。

※参考:国税庁.「No.1234 転勤と住宅借入金等特別控除等」(参照2025-08-07).

住宅ローンを組んでいる金融機関に相談しないまま物件を貸し出したらどうなる?

先述の通り住宅ローンは「本人が居住すること」を前提に契約されているため、金融機関に無断で第三者へ貸し出すと契約違反に当たる可能性があります。

実際には銀行からの郵便物が届かなくなったことをきっかけに、物件が賃貸に出されていることが発覚するケースも存在するでしょう。発覚した際は残っている住宅ローンの一括返済を求められたり、不動産投資ローン(アパートローン)への借り換えを勧告されたりすることがあります。不動産投資ローンは、住宅ローンよりも金利が高くなるのが一般的です。

今後のローン返済計画にも大きな影響が出るため、物件の貸し出しを検討している際は、必ず事前にローンを借りている金融機関と話し合っておきましょう。

転勤時は自主管理と管理会社のどちらが良い?

転勤時に売却という選択をしないのであれば、賃貸に出す場合でも空き家や空室のまま保有する場合でも、建物の管理は必要です。主に自分で管理を行う「自主管理」と、専門業者に任せる「管理会社への委託」の2つの方法があり、どちらを選ぶかが重要な判断ポイントです。

賃貸に出す場合

賃貸物件として購入した家やマンションを運用する場合、以下のような管理業務が発生します。
● 建物の定期点検、修繕対応
● 入居者の契約対応、トラブル対応
● 家賃の回収、滞納者への対応
● 退去時の原状回復の手配


自主管理を行えば、管理会社への手数料がかからないためコストを抑えることができます。ただし上記のような業務を全てオーナー自身で行う必要があるため、時間的・心理的な負担が大きくなります。

一方管理会社へ委託する場合は、経験とノウハウを活用してプロの視点で運営してもらえる点がメリットです。手数料は発生しますが、トラブル時の対応や入居者募集のスピード向上につながる可能性もあります。

特にサービスの質が高い管理会社を選べば、空室率の低下にもつながりやすく、結果的に安定した家賃収入が期待できることもあります。ただし、どの管理会社も同様とは限らないため、業者選定は慎重に行いましょう。

空き家や空室のままにする場合

空き家や空室として保有する場合、入居者対応は不要ですが、建物の維持管理は必要です。例えば以下のような作業があります。

● 通風・通水などの劣化防止措置
● 雨漏りやカビ、害虫の発生チェック
● 庭木の剪定や除草
● 防犯対策


自宅から管理物件まで通える距離であれば、オーナー自身でこういった対応を行うことも可能です。ただし業者の手配が必要な状況が発生した場合、遠方からの対応は困難になるケースもあるでしょう。

そのような場合は、地域密着型の管理会社に委託する方法もおすすめです。長期間放置した状態にならないよう、定期的な点検や報告を行ってくれる管理プランを活用してください。

【まとめ】

転勤によって所有するマンションや戸建てをどう扱うかは、住宅ローンの残債や将来の住まい方に深く関わる重要な判断です。賃貸に出す、売却する、空き家として保有するといった選択肢には、それぞれメリットと注意点があります。ご自身やご家族の生活スタイル、収支の見通し、将来の転勤計画などを踏まえて、慎重に判断することが大切です。

中央ビル管理では、賃貸・売却・空き家管理の全ての選択肢に対応可能です。不動産オーナーsさま一人ひとりの状況に応じて、最適なご提案をいたしますので、「どの選択肢が良いか分からない」「まずは話だけでも聞いてみたい」といった段階でも、ぜひお気軽にご相談ください。

監修

(株)中央ビル管理 取締役 江本 昌央氏

所属/(株)中央ビル管理取締役 業務管理部部長 
保有資格/ 宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士

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