マンション購入後に賃貸に出す具体的な手順は?賃貸物件のメリットやデメリットも解説
賃貸経営
2025.11.07
更新日 2025.11.12
マンション購入後に賃貸に出す場合、どのような手順で手続きを進めれば良いのでしょうか。具体的な手順を紹介した上で、賃貸に出す前に知っておきたいメリットとデメリットを解説します。賃貸か売却か判断する際の基準も分かりやすく紹介します。
住むつもりで購入したマンションを、転勤などで離れることになるケースは多くあります。中には、マンションを賃貸に出すことで、家賃収入を得ようと考える方もいるかもしれません。
しかし「どのような手順で賃貸に出すか分からない」「そもそも賃貸に出すか売却するか決めきれていない」と悩むオーナーも多いでしょう。
本記事では、購入したマンションを賃貸に出す手順を紹介します。また、賃貸に出すメリットとデメリットや、賃貸と売却の判断基準も紹介します。物件を賃貸に出すべきか迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
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目次
マンション購入後、賃貸に出す際の手順
購入したマンションを賃貸物件として貸し出す際は、主に以下の手順で手続きを進めていきます。
1. 不動産会社を探す
2. 賃貸借契約の種類や内容を決める
3. 不動産会社と契約する
4. 入居者を募集する
5. 賃貸借契約を締結する
6. 初回家賃や礼金が振り込まれる
7. 借主が入居する
それぞれの手順を詳しく見ていきましょう。
1. 物件の仲介・管理を依頼する不動産会社を探す
まずは、賃貸マンションの仲介や管理を依頼する不動産会社を探します。
不動産会社は主に次の3種類に分けられ、それぞれ依頼できる内容が異なります。
①仲介会社
【主な役割】物件を探している人と貸主の仲介
【依頼できる内容】賃貸物件の紹介、賃貸借契約締結までのサポート
②管理会社
【主な役割】入居者や物件の管理
【依頼できる内容】家賃の集金、賃貸借契約の更新・終了手続き、物件の維持管理
③仲介管理会社
【主な役割】仲介会社と管理会社の両方の役割
【依頼できる内容】賃貸物件の紹介、賃貸借契約に関する事務手続き、家賃の集金など
例えば、貸主自身が物件を管理する予定であれば、入居者の募集だけ「仲介会社」を選択するなど、状況に応じて適切な不動産会社を選びましょう。
貸主自身で管理する時間がない場合や手間をかけたくない場合は、賃貸物件の紹介から建物の管理まで任せられる仲介管理会社がおすすめです。
2. 賃貸借契約の種類を決める
入居者や物件の管理を依頼する不動産会社を決めたら、次に賃貸借契約の種類を確定させます。
マンションなどの賃貸物件の契約方法には、以下の3種類があります。
①普通借家契約・・・契約更新あり(一般的には2年に1度)
②定期借家契約・・・契約更新なし
③サブリース・・・・契約更新あり(一般的には10年以上)
上記のうち、一般的な賃貸借契約は「普通借家契約」です。通常は2年に1回の更新頻度で、借主が更新を希望する場合は、正当な理由がない限り貸主側は拒否できません。
定期借家契約は、期間満了後の契約更新がない賃貸借契約です。普通借家契約とは違い、1年未満の契約期間を設定できます。
サブリースとは、不動産会社と賃貸借契約を結ぶ方法です。そのため、貸主から不動産会社が借りた物件を借主に又貸しする形になります。
3. 不動産会社と契約する
賃貸借契約の種類が確定したら、実際に不動産会社と契約を結びます。このときの契約には、以下の2種類があります。
● 媒介契約:貸主と入居希望者の間に不動産会社が入り、契約締結をサポートする契約
● 代理契約:入居者の決定や賃貸借契約の締結までを、不動産会社が代理で行う契約
媒介契約と代理契約は、どちらも不動産会社が入居者を募集するところまでは同じです。異なるのは、入居者の審査を行う人です。
媒介契約は、貸主が入居者を選べるというメリットがあります。一方、代理契約は不動産会社が入居者の選定権限を持つ契約で、貸主は入居者を選べません。そのため、入居者を貸主が選定したいときは媒介契約、選定の手間を省き、契約締結まで進めたいときには代理契約が向いています。
4. 入居者を募集する
不動産会社との契約が締結したら、いよいよ入居者の募集が始まります。このときまでに、不動産会社の担当者と相談して、マンションの賃料や条件を設定しておきましょう。
依頼した不動産会社のWebサイトやチラシなどに物件が掲載されたら、物件を探している人から問い合わせが来るのを待ちます。一般的に、貸主が物件の紹介や、内見の案内に立ち会うことはありません。
なかなか入居者が決まらない場合は、賃料や条件の見直しが必要になることもあります。
5. 入居希望者と賃貸借契約を締結する
入居希望者から申し込みが入ったら、入居審査へと移ります。賃貸マンションの入居審査では、希望者の職業や収入、家族構成などから家賃の支払い能力が審査されます。
同時に、家賃保証会社の審査や保証人の確認が進み、問題なければ賃貸借契約を締結する流れです。家賃保証会社とは、借主が家賃を滞納した場合に、貸主への支払いと、借主への請求を代理で行う会社です。
なお、不動産会社と代理契約を結んでいれば、借主との賃貸借契約も代理で行ってもらえます。
6. 初回の家賃や礼金が振り込まれる
無事に賃貸借契約が締結されると、借主が支払った初回の家賃や管理費、敷金、礼金などが貸主に入ります。なお、家賃保証会社を利用している場合は、保証会社を通して貸主分の利益が振り込まれる場合があります。
家賃は翌月分を当月に支払う前払い制が一般的です。初回は入居月の日割り額と翌月分の家賃、管理費から手数料などを差し引いた金額が入金されます。
7. 借主が入居する
賃貸借契約に基づき借主がマンションに入居すると、不動産会社に依頼した管理委託費などの支払いが始まります。
また、借主の入居中に設備が故障・破損した場合は、毎月支払う管理委託費以外に、修繕費用が発生することがあります。
購入したマンションを賃貸に出すメリット
マンションの購入後、賃貸物件として貸し出すことには、主に以下のような利点があります。
● 物件を資産として保有し続けられる
● 継続的に家賃が入る
● マンションの維持にかかる費用を経費にできる
それぞれのメリットを詳しく解説します。
物件を資産として保有し続けられる
1つ目のメリットは、購入したマンションに住まない場合でも、物件を資産として保有し続けられることです。
分譲マンションを購入したものの、転勤や家族の事情などで住み続けられなくなったときの選択肢は「賃貸に出す」「売却する」「空室のまま保有する」のいずれかです。
売却すると一時的な収入は得られますが、もう一度住みたいと思ってもかなわなくなります。一方、賃貸に出して資産として保有していれば、再びマンションに住むのはもちろん、物件の価値が上がったときに売却することも可能です。
「気に入って購入したマンションだから、すぐに手放す決心がつかない」など、売却するか迷っているのであれば、ひとまず賃貸に出して保有しておくという選択肢もあります。
継続的に家賃収入が入る
2つ目は、継続的に家賃収入が入ることです。
購入したマンションに住まなくなり、賃貸に出さない場合であっても、物件の維持費などの支払いは続きます。
しかし、賃貸に出して入居者が決まれば、不労所得として継続的な収入が得られるようになります。毎月一定の収入が入れば、マンションの維持費を相殺でき、物件を所有しながら支出を減らせることも魅力です。
また、マンションに人が住めば定期的な換気や掃除が行われる他、水道も使用されます。そのため、物件が劣化しにくくなる点もメリットと言えるでしょう。
マンションの維持にかかる費用を経費にできる
3つ目は、マンションの維持にかかる費用を経費にできることです。購入したマンションを賃貸に出せば、収入を得られるようになります。また、維持費の一部は「必要経費」として収入から差し引くことも可能です。
マンションを賃貸に出すことで得られる所得は「不動産所得」と呼ばれます。不動産所得は、家賃収入から物件の維持費として支払った費用を経費として差し引いたものです。また、所得税は不動産所得に対して課せられます。
賃貸に出さない場合は、マンションの維持費は単なる個人の支出です。そのため、マンションを賃貸に出すことで維持費が経費になれば、節税につながります。
必要経費として認められているものは、主に以下の通りです。
● 固定資産税
● 都市計画税
● 損害保険料
● 修繕費
● 管理費
● ローンの利息 など
購入したマンションを賃貸に出すデメリット
マンションを賃貸に出すことは、継続的な家賃収入や資産の維持、節税などのメリットがある一方で、以下のデメリットに注意が必要です。
● 空室になる可能性がある
● 貸し出しには費用がかかる
● ローンの借り換えが必要になることがある
● 住宅控除の対象外になる
● 途中で賃貸借契約を解除するのは難しい
賃貸に出してから後悔しないためにも、デメリットを理解した上で方針を決めましょう。
空室になる可能性がある
1つ目のデメリットは、購入したマンションを貸し出しても、物件が空室になる可能性があることです。
マンションを賃貸に出したからといって、継続的に入居者が入るとは限りません。物件の入居条件や周辺環境によっては、なかなか入居者が決まらないケースもあります。入居者がいない期間は家賃収入が得られない一方で、修繕費や管理費など維持費の支払いは続くため赤字になります。
賃貸に出そうと考えているマンションの立地や間取り、設備などからエリアの需要にマッチしているかを見極め、空室リスクを考慮した上での判断が重要です。
貸し出しには費用がかかる
2つ目は、マンションの貸し出しには費用がかかることです。マンションを賃貸に出すときには、以下のような費用がかかります。
● リフォーム・修繕費用
● ハウスクリーニング費用
● マンションの管理費・修繕積立金
● 固定資産税・都市計画税
● 不動産会社に支払う管理手数料・広告宣伝費
● 損害保険料
物件の維持費は経費にできますが、経費が増えればその分貸主の手元に入るお金も減ります。
また、人に住んでもらうことで物件が痛みにくくなるメリットがある反面、入居者が設備を壊してしまったり、かえって汚れたりするリスクもあります。
ローンの借り換えが必要になることがある
3つ目は、ローンの借り換えが必要になることがあることです。具体的には、賃貸に出す分譲マンションを住宅ローンで購入し、ローンが残っているときが該当します。
住宅ローンはマイホームの購入を目的としたローンのため、原則として第三者に貸し出す物件には使えません。そのため、まずは金融機関に相談して、住宅ローンのままマンションを貸し出すことに合意してもらえるか確認する必要があります。
合意を得られない場合は、不動産投資ローンに借り換えるのも一つの方法です。
住宅ローン控除の対象外になる
4つ目は、マイホームとして購入したマンションであっても、賃貸に出すと住宅ローン控除は適用されなくなることです。
そもそも住宅ローン控除とは、住宅ローンを利用してマイホームを購入したときに、一定の条件を満たすことで所得税が減税される制度です(※)。住宅ローンで購入した分譲マンションを貸し出すと、住宅ローン控除の利用条件を満たせなくなるため控除は受けられません。
住宅ローンが残っている状態で賃貸に出す場合は、借り換えだけでなく控除の対象外になる可能性も視野に入れて検討しましょう。
※参考:国税庁.「No.1210 マイホームの取得等と所得税の税額控除」(参照2025-09-22)
途中で賃貸借契約を解除するのは難しい
5つ目は、賃貸借契約の種類によっては、途中で解除して入居者に退去してもらうのが難しいことです。転勤や家庭の事情で一時的に賃貸物件として貸している場合、自分や家族が再びマンションに住みたいと思うタイミングで戻れない可能性があります。
賃貸借契約では、正当な理由がない限り、原則として貸主都合の途中解約はできません。貸主が自分で住む場合は「正当な理由」に当たりますが、普通借家契約で貸主都合の解約をする際は退去の6カ月前までに通知が必要です。
また、定期借家契約はあらかじめ契約期間が定められているため、貸主からの途中解約はできません。ただし、借主の事情でやむを得ない場合は、途中解約となる場合もあります。
マンション購入後に賃貸に出すか、売却するかの判断基準
自分で住むことのなくなった分譲マンションを賃貸に出すか、売却するか迷うオーナーも多いでしょう。
物件の状態や立地などにより、一概にどちらが得かは言えません。賃貸と売却のどちらが適している物件なのか、以下の項目を基準として判断しましょう。
● 将来住む可能性
● 物件の状態
● 周辺環境
ここでは、賃貸か売却かどのように判断したら良いかを解説します。
将来住む可能性
マンションを賃貸で貸し出すか売却するかを決めるときは、将来自分や家族が住む可能性を考慮することが重要です。
売却すると買い戻すことは難しく、今後もう一度住みたいと思ったときに後悔するかもしれません。そのため、転勤や両親の介護などで一時的に住まなくなる場合は、すぐに売却せず、将来の見通しが立つまで賃貸に出して所有しておくのも一つの選択肢です。
「もしかしたら、また住むことになるかもしれない」と迷うのであれば、結論は急がないことが大切です。
物件の状態
賃貸と売却のどちらにするかは、築年数や設備など物件の状態も考慮して判断しましょう。
一般的に、築年数が浅く設備の新しいマンションは、入居希望者が集まりやすく、空室になりにくい傾向があります。リフォームや修繕の必要性が少ない物件であれば、コストを抑えて賃貸に出せることもメリットです。
一方、築年数が経過し設備が古いマンションの場合、貸し出す前に大幅な修繕やリフォームが必要なためコストがかかります。室内がリフォーム済みでも、外観が古いことで入居者が集まりにくく、空室リスクが高まるデメリットもあります。
周辺環境
マンションの立地や周辺環境も、賃貸か売却かどちらを選ぶか判断する基準の一つです。
学校や大手企業の事業所、工場などが近くにあり、入学や転勤で人の出入りが頻繁なエリアは、賃貸物件の需要が安定している傾向があります。そのため、賃貸マンションにも入居者が集まりやすいと考えられています。
しかし、転入出が少なく賃貸物件の需要が低いエリアは、入居者の確保にてこずる可能性があることに注意が必要です。利便性が低く、賃貸物件の需要が低いエリアのマンションは空室リスクが高く、運用コストが負担になる可能性があるため、売却も視野に入れましょう。
【まとめ】購入したマンションを賃貸に出すか迷う場合は不動産会社に相談してみましょう
購入したマンションを賃貸に出す場合、住宅ローンが残っているとローンの借り換えが必要になるケースもありますが、継続的に家賃収入が得られることがメリットです。将来的に自分や家族が住む可能性があるときは、賃貸物件として貸し出せば資産として保有できます。
マンションを賃貸に出す際は、入居者の募集や物件の管理を不動産会社に依頼することで、貸主の負担を減らせます。賃貸か売却かまだ決めきれていない場合でも、まずは不動産会社に相談することが大切です。
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