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賃貸管理コラム

住宅ローンが残っている家を貸すことはできる?条件やリスク、賃貸に出す流れなどを詳しく解説

賃貸経営

2025.11.12

更新日 2025.11.13

住宅ローンが残っている家を貸すことはできる?条件やリスク、賃貸に出す流れなどを詳しく解説

住宅ローンが残っている家は、原則として貸し出せません。しかし、一定の条件を満たしたり手続きを踏んだりすることで、貸し出せるようになります。本記事では、ローン残債がある家を貸し出すための条件やリスク、賃貸に出す流れ、注意点などを詳しく解説します。

さまざまな事情で持ち家に住まなくなったとき、第三者への貸し出しを検討する人は多いのではないでしょうか。同時に、住宅ローンが残っている家の場合は、貸し出しが可能なのかどうかで迷うかもしれません。

そこで本記事では、住宅ローンが残っている家を貸すことはできるのかどうかを解説します。また家のローンが残っているときに貸し出せる条件や、不動産投資ローンに借り換えるリスク、実際に賃貸に出す流れなども紹介します。住宅ローンの返済中に家を貸したいと考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。


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ローンが残っている家は貸すことはできる?

住宅ローンが残っている家は、原則として第三者に貸し出すことはできません。

そもそも住宅ローンとは、マイホームを購入するために利用できる、低金利の融資です。契約する際には、契約者やその家族が住むという条件に基づいて審査が行われます。

ローン残債がある家を金融機関に無断で賃貸に出して契約者以外が入居者になれば、住宅ローンの目的(資金使途)から外れるため、契約違反となります。

不動産投資ローンに借り換えれば貸し出せる

不動産投資ローンに借り換えれば、ローンが残っている家であっても貸し出すことが可能です。不動産投資ローンは、賃貸経営で収益を得ることを目的としたローンのため、契約上、第三者への貸し出しが認められています。

ただし、住宅ローンと比べると不動産投資ローンは金利が高くなる場合が多いため、注意が必要です。

内緒で貸し出していれば発覚しない?

「金融機関に知らせず、個人的に家を貸すだけなら、発覚しないのでは?」と考える人もいるかもしれません。しかし、遅かれ早かれ金融機関に気付かれるケースは多いようです。

きっかけとして挙げられるのは、金融機関が借主宛てに送る郵便物です。居住者と宛名が異なる郵便物は、送り主に返送されるため、借主がその住所に住んでいないことが判明します。また仮に郵便物を引っ越し先に転送する手続きをしていたとしても、転送の対応があるのは届出日から1年間です(※)。

金融機関が常に居住実態を調査しているというわけではありませんが、家を無断で貸し出していることが発覚する可能性はあります。

※参考:郵便局.「転居・転送サービス」.”サービス内容”(参照2025-10-06)


無断で家を貸した場合はどうなる?

無断で賃貸に出しているのが金融機関に発覚した場合、以下のようなペナルティがあると考えられます。

● 残っているローンの一括返済を求められる
● 貸し出していた期間の分、本体のローン(不動産投資ローン)との金利の差額を請求される
● 不動産投資ローンへの借り換えを求められる


契約違反に対しては、場合によっては法的措置が取られることもあります。特にローン残高の一括返済を求められた場合は、かなりの負担が生じる方も多いでしょう。

このように、住宅ローン返済中の家を無断で貸すことは、明確な契約違反であり「不正利用」に当たります。重いペナルティを課されるリスクを考えれば、行うべきではありません。

ローンが残っていても貸せる条件

前述の通り、基本的に住宅ローンの残債がある家の貸し出しはできません。しかし、以下の条件下においては賃貸が認められる場合があります。

● 転勤や介護などの事情がある場合
● 賃貸併用住宅の場合


それぞれの内容について詳しく見ていきましょう。

転勤や介護などの事情がある場合

転勤や介護などのやむを得ない事情で住めなくなるときは、金融機関の了承を得た上で賃貸に出せます。具体的には、以下のようなケースが挙げられます。

● 転勤や単身赴任、長期間の出張
● 離れた地域に住む身内の介護
● 自宅から通うのが難しい地域への転職
● 病気やけがによる入院


ただし、これらのケースが認められるのは、あくまでも短期間を前提とした特例です。家を空ける期間が長ければ、認めてもらえない場合もあります。

明確な基準はありませんが、一般的には3年程度で戻ってくる場合であれば、家の貸し出しが認められる可能性が高いようです。最終的な判断は金融機関によって変わるため、まずは相談してみましょう。

なお、持ち家を留守にする期間中だけ貸し出すことを「リロケーション」と呼びます。

賃貸併用住宅の場合

住宅ローンを組むときに最初から「賃貸併用住宅」で契約している場合は、ローンの残債が残っていても家を貸し出せます。賃貸併用住宅とは、一つの建物の中に自宅部分と賃貸部分が共存している物件です。

建物の延床面積のうち、自宅部分が50%以上といった条件を満たせば、住宅ローンを利用できる金融機関が多くあります。このような金融機関の場合は、賃貸部分も含めた建物全体に対して、住宅ローンを利用することが可能です。

住宅ローンを組んでいる家の一部を貸したい場合は?

自己居住用としてローンを組んだ家の一部を後から貸したい場合は、まずは金融機関に相談しましょう。前述の通り、無断で貸し出すと契約違反になります。

金融機関に「事業性が高い」と判断された場合、現在利用している住宅ローンから、金利の高いアパートローンなどへ借り換えるよう求められるのが一般的です。金利が高くなる分、返済額が増える可能性があるため、収支計画を慎重に立てた上で検討しましょう。

不動産投資ローンに借り換えるリスク

先述の通り、住宅ローンの残債があったとしても、不動産投資ローンに借り換えをすれば貸し出しが認められます。しかし、不動産投資ローンへ借り換えるときには、以下のように、事前に把握しておくべきリスクがあります。

● 住宅ローンよりも金利が高くなる
● 借り換え時に手数料が発生する
● 住宅ローン控除が使えなくなる


ここでは、それぞれのリスクについて詳しく見ていきましょう。

1. 住宅ローンよりも金利が高くなる

前述の通り、不動産投資ローンは住宅ローンよりも金利が高いのが一般的です。そのため、低金利の住宅ローンから不動産投資ローンに借り換えをすれば、金利は上がり、毎月の返済額が増加します。場合によっては賃し出したときの家賃収入よりも、返済額が上回る可能性があります。

借り換えを検討する際は、想定する家賃収入と借り換え後のローン返済額、管理費などの経費を算出し、収支が成り立つかどうかをシミュレーションしておきましょう。

2. 借り換え時に手数料が発生する

不動産投資ローンへの借り換え時には、以下のような手数料が発生します。

【現在の住宅ローンを完済するための費用】
● 全額繰上返済手数料
● 抵当権抹消登記の費用(登録免許税、司法書士報酬)


【新しいローンを組むための費用】
● 融資事務手数料
● 保証料
● 印紙税(ローン契約書)
● 抵当権設定登記の費用(登録免許税、司法書士報酬)


新しいローンで借り入れる金額にもよりますが、場合によっては手数料だけで数十万円になる可能性もあります。借り換え前に、費用の全体像を把握しておくことが大切です。

3. 住宅ローン控除が使えなくなる

住宅ローンを利用してマイホームを購入すると、所得税の控除が一定期間認められます。しかし、不動産投資ローンに借り換えた時点で住宅ローンは完済したことになるため、住宅ローン控除は適用されなくなります。

金融機関の許可を得た一時的な貸し出しの場合は、持ち主が戻ってきてから住宅ローンの控除が再開される仕組みです。適用される時期は、原則として、再び住み始めた年の翌年からです(※)。

なお、賃貸併用住宅にして一部を貸し出している場合は、建物全体のうち自宅として使用している面積の割合に応じたローン残高に対し、住宅ローン控除が適用されます。

※参考:国税庁.「住宅借入金等特別控除の再適用を受けるための手続2(再び居住の用に供したときの手続)」(参照2025-10-07)

ローンが残っている家を賃貸に出す流れ

住宅ローンの残債がある家を賃貸に出すときは、以下のような5つの手順が考えられます。

1. 金融機関に相談する
2. 管理会社を探す
3. 賃貸契約の内容を決める
4. 入居者を募集する
5. 賃貸契約を結ぶ


ここでは、転勤や介護で一時的に家を貸す場合を想定し、大まかな流れをご紹介します。

1. 金融機関に相談する

まずは、住宅ローンを借り入れしている金融機関に相談することが重要です。やむを得ない事情で限られた期間だけ貸したい旨を伝え、一時的な貸し出しを認めてもらいましょう。もし金融機関の許可が下りないときは、賃貸ローンへの借り換えも相談してみてください。

先にも説明した通り、金融機関への許可なしに賃貸に出せば契約違反になります。どのような方法を選択するにしても、金融機関への相談は欠かせません。

2. 管理会社を探す

住宅ローン中に家を貸し出す許可が取れたら、次は管理会社を探します。借主の募集やさまざまな管理業務を委託する会社のため、慎重に決める必要があります。可能であれば複数の管理会社に相談し、委託する内容や費用についてしっかり確認した上で決めることが大切です。

また借主が不在の間だけ家を貸し出すリロケーションの場合は、リロケーションを得意とする管理会社を選ぶと良いでしょう。管理会社の公式Webサイトや口コミなどを参考に、リロケーションの実績について調べておくことをおすすめします。

3. 賃貸契約の内容を決める

管理会社が決定したら、賃貸契約の内容を決めましょう。管理会社のアドバイスを参考にしながら、家賃や貸し出す期間、貸し出す条件などを決定します。

家賃を決めるときは、月々のローン返済額を考慮しつつ、近隣物件の相場を反映した適切な金額を設定しましょう。また喫煙やペットの可否などの条件を細かく決めておけば、後のトラブルを防ぎやすくなります。

4. 入居者を募集する

賃貸契約の詳細が決まったら、入居者の募集を開始します。

問い合わせや内覧の対応、入居者の審査などは管理会社が行うため、基本的には任せてかまいません。ただし、入居者の条件について希望がある場合は、募集前に管理会社に伝えておきましょう。

入居希望者の審査に問題がなければ、賃貸借契約をします。

5. 賃貸契約を結ぶ

入居者の決定後、管理会社が賃貸借契約の締結を行います。基本的には貸主が立ち合う必要はなく、管理会社が手続きを代行するケースが多いようです。契約が完了したら入居者に鍵を預け、物件を引き渡して全ての手続きが完了します。

ローンが残っている家を賃貸に出すときの注意点

住宅ローンの残債がある家を貸し出すときは、以下の5点に注意する必要があります。

● 貸主に適した契約方法を選ぶ
● 管理の手間やコストがかかる
● 空室リスクへの対応が必要になる
● 不動産投資ローンへの借り換えは審査が厳しくなる
● 貸し出す前に現状を記録しておく


それぞれの内容について詳しく見ていきましょう。

1. 貸主に適した契約方法を選ぶ

家を賃貸に出すときの契約方法は、主に以下の2種類です。それぞれ内容が異なるため、貸主に適した方法を選びましょう。

● 普通借家契約
● 定期借家契約




●普通借家契約

普通借家契約は、一般的な不動産の貸し出しに用いられる契約方法です。2年ごとの契約が多く、契約期間の終了後に契約を更新します。

普通借家契約の特徴は、借主優位型の契約である点です。借主が希望すれば永続的に契約の更新ができ、貸主の都合による退居をお願いできません。

例外として、借主の契約違反といった正当な理由があれば、貸主の意向で契約解除が可能です。ただし、貸主が転勤から戻ってきて住むのは、正当な理由に該当しません。よって、一時的に家を貸し出したい人には向いていない契約方法といえます。

●定期借家契約

定期借家契約は、貸主が契約期間を自由に決められるのがメリットです。更新がないため、契約が切れるタイミングで貸主が住み始めることができます。契約期間が終了した後も、貸主と借主の双方が合意をすれば、契約の更新が可能です。
貸し出したい期間が決まっているときは、希望するタイミングで自宅に戻りやすい定期借家契約の方がおすすめです。

ただし入居期間が定められている物件は、借主が見つかりにくいというデメリットがあります。そのため、家賃を相場よりも安く設定するケースが多いようです。

2. 管理の手間やコストがかかる

家を賃貸に出せば、借主の募集や契約手続き、家賃の集金などの賃貸業務が生じます。借主との間にトラブルが発生したり、近隣の住民からクレームが来たりする可能性もあり、それぞれに対応することで時間的にも精神的にも負担がかかりやすいです。

賃貸業務を管理会社に委託すれば負担を減らせますが、その場合は毎月の管理委託費が発生します。

また設備のメンテナンスや修繕費、クリーニング費用などのコストもかかります。基本的に経年劣化による修繕費は貸主が負担しなければならないため、場合によっては高額な管理コストがかかることも留意しておきましょう。

3. 空室リスクへの対応が必要になる

さまざまな手続きを経て賃貸に出せるようになったとしても、借主が見つからなければ家賃収入を得られません。空室を回避するためには、管理会社に管理を委託するのも一つの方法です。委託費用はかかりますが、自主管理するよりは空室リスクを回避しやすくなります。

管理会社に委託すれば借主とのトラブルにも対応してもらえるため、負担を減らせるというメリットもあります。

4. 不動産投資ローンへの借り換えは審査が厳しくなる

不動産投資ローンの審査は住宅ローンに比べて厳しくなりがちです。審査の基準が変わるため、住宅ローンは借り入れできたのに不動産投資ローンは無理だったという事例も多くあります。

具体的な審査ポイントとしては、物件の収益性や資産価値に加え、契約者の年収や勤続年数などが想定されます。

金融機関から一時的な貸し出しが認められず、不動産投資ローンの審査も通らないときは、家を貸し出しするのが難しいといえるでしょう。

5. 貸し出す前に現状を記録しておく

家を賃貸に出す前には、現状の記録を写真や動画で残しておきましょう。

借主が退去する際には、原状回復義務があります。通常の使用で起こりえない損耗(そんもう)・毀損(きそん)や借主が意図的に壊したものは、借主が修繕費を負担します。貸し出す前の状態の記録がない場合は、借主が壊したことを証明できないため修繕費の請求が難しいです。

なお、経年劣化による傷みや汚れなどの場合はこの限りではありません。

悩んだときのポイント

住宅ローンが残っている家を賃貸に出そうか迷っているときは、以下のポイントを確認してみましょう。

ごく短い期間なら空き家のまま保有する

転勤などで家に戻ってくることが決まっている場合、1年程度のごく短い期間であれば、賃貸に出さずに空き家のまま保有するのも一つの方法です。

貸し出すために不動産投資ローンへの借り換えをすれば、金利が高くなり支払総額が増えます。結果的に、賃貸に出しても損をするかもしれません。また貸出期間の短い物件は需要が低い傾向にあります。「管理会社への委託費用や修繕費を負担したにもかかわらず、借主が現れない状態が続き収入がない……。」というケースも考えられます。

場合によっては売却も検討する

家の住宅ローンが残っているときは、売却も選択肢の一つです。特に以下のような場合は、賃貸だけでなく売却も検討しましょう。

● ローン残債より売却価格の方が高い
● 転勤などで長期間家を空ける(家を空ける期間が決まっていない)
● 住宅ローンの返済に余裕がない


ローンの残債よりも売却価格が高い場合は、売却金額でローンを完済できます。土地の価格上昇や再開発などの理由により、購入時よりも高く売れるときは、積極的に売却を検討すると良いでしょう。

また転勤が長期間になるのが決まっているときや、家を空ける期間が決まっていないときは、売却の方が適しているかもしれません。賃貸の場合の管理にかかるコストや空室のリスクなどを考慮して、賃貸と売却のどちらが適しているかを判断しましょう。

さらには、住宅ローンの返済に余裕がない場合も、売却の方が向いている可能性があります。まずは不動産管理会社に相談してみることをおすすめします。

具体的な資金計画を立てる

住宅ローンが残っている家を賃貸に出すべきか迷ったときは、具体的な資金計画を立ててみるのもおすすめです。賃貸にかかる費用と家賃収入を想定し、毎月のローン返済額と比較しながら、シミュレーションしてみましょう。

家の立地条件や築年数によっても賃料の相場は異なります。具体的な資金計画を立てるのが難しいときは、管理会社に無料査定を依頼するのがおすすめです。

【まとめ】ローンが残っている家を貸すなら相談しよう

住宅ローンが残っている家は原則として貸し出せませんが、いくつかの条件に合う場合は賃貸に出すことが可能です。まずは借り入れをしている金融機関に相談し、適切な指示を仰ぐことをおすすめします。

賃貸経営を検討する際は、収益面だけでなく、賃貸に出すリスクや注意点なども考慮しましょう。場合によっては、空き家のまま維持したり、家を売却したりする方が良いかもしれません。悩んだときは、管理会社に相談してアドバイスを求めましょう。

株式会社中央ビル管理は、埼玉・東京・千葉の一部のエリアに特化した不動産管理を行っています。賃貸管理はもちろん、売却や空き家管理などの相談も可能です。家の管理に関する疑問や不安がある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

監修

(株)中央ビル管理 取締役 江本 昌央氏

所属/(株)中央ビル管理取締役 業務管理部部長 
保有資格/ 宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士

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