家を買った後に転勤になったらどうすればいい?対処法を詳しく解説!
賃貸経営
2025.11.13
更新日 2025.11.17
「これから家を買うことが決定したのに転勤になってしまった……。」このような状況を想定し、住宅購入をためらう転勤族の方は多いでしょう。
家を買った後に転勤になったときは単身赴任をする、空き家にする、賃貸に出すなど、いくつか対処法があります。特に賃貸に出した場合は、家賃収入が期待できることから、経済的なメリットもあるでしょう。
本記事では、家を買った後に転勤になったときの具体的な対処法や、転勤族が住宅を購入するのにおすすめのタイミング、メリットなどを紹介します。
目次
家を買った後に転勤になったときの具体的な対処法
家を買ってすぐに転勤になった場合、以下の4つの対処法が考えられます。
● 単身赴任して家族が持ち家に住む
● 持ち家を空き家にして転勤先に家族全員で引っ越す
● 買った家を賃貸に出す
● 買った家を売却する
メリット、デメリットと合わせて、それぞれ詳しく解説します。
1. 単身赴任して家族が持ち家に住む
1つ目の選択肢は、家族は新しい家に住み続け、転勤を命じられた本人のみ単身赴任する方法です。メリット・デメリットは以下の通りです。
【メリット】
● 家族の生活環境を変えずに済む
● 住宅ローン控除を継続できる
● 家の劣化を防げる
単身赴任の一番大きなメリットは、家族の生活環境を変えずに済む点といえるでしょう。お子さまがいる場合、転校や進学先の変更をする必要性がないのは大きいです。
また家族が家に住み続けることで、住宅ローン控除を継続して受けられるという経済的メリットもあります。本来であれば住宅ローン控除は契約者が住んでいなければ適用されませんが、単身赴任という形で家族が住み続ける場合は、例外的に認められるケースが多いです。なお借入先の金融機関へは、なるべく早めに連絡しておくと良いでしょう。
さらには、人が使い続けることにより、設備などの劣化防止にもつながると考えられます。ちょっとした不具合が生じた際もすぐに気づいてメンテナンスを行えるので、家の状態を保ちやすいでしょう。
※参考:国税庁.「No.1234 転勤と住宅借入金等特別控除等」(参照2025-10-30)
【デメリット】
● 一方の親の負担が大きくなりやすい
● 単身赴任先と買った家の双方で費用が発生する
デメリットは、家族が離れ離れに暮らすことになるため、特にお子さまが小さいうちは一緒に暮らす側の親の負担が大きくなる点です。また単身赴任先でも住居費用と生活費がかかるようになるため、持ち家の住宅ローンなどと合わせると経済的負担も重くなりがちです。
2. 持ち家を空き家にして転勤先に家族全員で引っ越す
家族全員で転勤先に引っ越し、持ち家を空き家にする方法もあります。メリット・デメリットには以下のようなものが挙げられます。
【メリット】
● 家財をそのまま残せる
● 好きなタイミングで持ち家に戻れる
空き家なら家財をそのまま残しておけ、引っ越しの手間も大幅に減らせるでしょう。またいつでも好きなタイミングで自宅に戻れるため、転勤が終わったときだけではなく、週末に家族で戻って自宅で過ごすなども可能です。
【デメリット】
● 家の劣化が進みやすい
● 空き巣などの心配がある
● 住宅ローン控除が受けられなくなる
一方、家を空き家にしたまま放置してしまうと、空調や掃除などの定期的なメンテナンスができないため劣化が早まりやすいです。特に水回りは傷みやすく、維持するには定期的に通って掃除をしたり、家の近くに住む親族に管理を依頼したりといった対応が必要です。外観が荒れて人の目が届かない状態が続いてしまえば、空き巣などに狙われる可能性も高まるでしょう。劣化や犯罪が心配な場合は、賃貸管理会社などが行っている、空き家を管理してくれるようなサービスを利用する方法もあります。
また空き家にすると、住宅ローン控除が受けられなくなります。税制上のメリットを受けられなくなり、家計の負担が大きくなるでしょう。
3. 買った家を賃貸に出す
買った家は賃貸に出すことも可能です。この場合のメリット・デメリットをご紹介します。
【メリット】
● 家賃収入を得られる
● 家の劣化や犯罪を防げる
賃貸に出す大きなメリットは家賃収入を得られる点です。賃貸に出して家賃収入を得れば、ローンや新しい家の家賃などと相殺できる可能性もあるでしょう。
また人が住むことで家の中の設備が日常的に使われるようになるため、劣化や犯罪を防ぎやすくなります。
【デメリット】
● 賃貸に出しても借り手が見つかるとは限らない
● 人が住むことで傷や汚れが生じやすい
● 転勤が終わってもすぐに戻れない可能性がある
● 諸経費や税金など新たな手続きや費用が発生する
● 住宅ローン控除を受けられなくなる
注意点は、賃貸に出してもすぐに借り手が見つかるとは限らない点です。また人が住むことで建物全体の老朽化は防げるものの、室内の傷や汚れなどはどうしても生じます。
また転勤が予定より早く終わった場合、賃貸契約の途中であれば借主に退去を命じられません。持ち家があるのに、賃貸を別途契約しなければならなくなる可能性もあります。
さらには家を貸すことで賃貸管理会社に支払う手数料など、別の費用負担や手続きも生じます。住宅ローン控除は契約者やその家族が住んでいないため、適用されなくなります。
4. 買った家を売却する
家を買ったもののその土地へ戻って生活する可能性が少ないときや、売却益が大きいと考えられるときは、家を売却するのも一つの方法です。メリット・デメリットを確認してみましょう。
【メリット】
● 持ち家の管理コストがなくなる
● 住宅ローンを完済できる・売却益を得られる可能性がある
● 持ち家のメンテナンスの手間が省ける
買った家を売却するメリットは、固定資産税やリフォーム代など、持ち家の維持・管理に必要な費用負担から解放される点です。買った家の立地によっては建てたときよりも資産価値が上がり、住宅ローンを完済できるだけではなく売却益を得られることもあるでしょう。
また遠方に転勤になった場合、自分で様子を見に行ったり知人に管理を頼んだりといった、メンテナンスの手間も省けます。
【デメリット】
● 転勤が終わった後に住む家を探す必要がある
● 同じ条件の家を買うのが難しい
● 売却による諸経費や手数料が発生する
● 希望の金額で売却できない可能性がある
● 住宅ローンが残る可能性がある
家を売ると、今度は転勤後に戻ってくることになった際に改めて住む家を探さなければいけません。改めて家を購入したいと考えても、物価の上昇や周辺環境の変化の影響で、手放した住宅と同じ条件の家を買うのが難しいケースも考えられます。
また売却は不動産仲介会社を通して行うため、仲介手数料などの諸経費も一時的に生じます。
さらには、希望の金額で売れない可能性がある点にも留意しましょう。購入額よりも低い金額で売却した場合など、住宅ローンの残債を自己資金から支払う必要が出てくることもあります。この場合住宅ローン控除は適用されなくなるため、金銭的な負担がより大きくなるかもしれません。
【状況別】家を買って転勤になったときのおすすめ対処法を紹介!
ここでは、家を買った後に転勤になったときのおすすめ対処法を、転勤の期間別に紹介します。
転勤期間が数カ月など極めて短いとき
転勤期間が数カ月など特に短く、すぐに戻ってくることが分かっているときは、以下の対処法がおすすめです。
・対処法:【単身赴任】
・ポイント:●家族の生活を変えずに済み、住宅の劣化を防げる
●住宅ローン控除が適用される
単身赴任の場合、先述の通り家族の生活の変化を回避できます。手続きや段取りなどが必要になることや、短期間でも住宅の劣化を防げることを考えると、短期間であれば家族は今の家に残る形の方が合理的な選択となるでしょう。住宅ローン控除も変わらず受けられ、経済面でのデメリットが少ないと考えられます。
転勤期間が2年以内のとき
転勤期間が2年以内に終わるときは、単身赴任か空き家にするのがおすすめです。
・対処法:【単身赴任】
・ポイント:●住宅ローン控除が適用される
●家族が現在の生活を維持できる
・対処法:【空き家】
・ポイント:●極端な劣化は進みにくい
●転勤が終わったタイミングで戻れる
2年以内の短期間の場合、賃貸に出しても有期契約の借り手がつかない可能性があります。実際のところ有期契約の場合、賃貸の契約期間は2年間に設定するのが一般的です。家族の生活を変えず単身赴任をして、住宅ローン控除の適用を受け続けた方がよいでしょう。
加えて、2年程度であれば、持ち家を空き家にしていても極端な劣化は進みにくいと考えられます。定期的に戻ってメンテナンスをする場合も、2年後には再び自分たちが住むと考えれば、負担感が軽減されるかもしれません。
転勤期間が3年以上あるとき
転勤期間が3年以上あるときは、賃貸や売却がおすすめです。
・対処法:【賃貸】
・ポイント:●転勤期間中に家賃収入を得られる
●人が住むことで劣化や犯罪を防ぎやすい
●3年以上であれば有期契約でも借り手が見つかりやすい
・対処法:【売却】
・ポイント:●持ち家の維持費やメンテナンスの手間が削減できる
●住宅ローンを完済して転勤先で新たな住宅を買いやすくなる
転勤期間が3年以上あると、有期契約の賃貸物件でも借り手が見つかりやすくなります。また賃貸に出して人が住める状態にしておけば、長期的に収入を得られる仕組みを維持しながら、劣化や犯罪の防止にもつながるでしょう。
転勤が長期にわたったり、転勤先の土地が気に入ったりしたときは、家を売却するのも一つの方法です。期間が長い分維持・管理をするとなると手間も大きくなるため、売却して経済的・精神的負担をなくした方が良いケースが増えるでしょう。また住宅ローンがある状態だと、新たに家を建てるときに新規の住宅ローン審査に通りにくくなります。売却して旧家の住宅ローンを完済すれば、新たに家を建てやすい点もポイントです。
家を買うと転勤を命令されやすいって本当?
「家を買うと転勤を命令されやすい」というのは、あくまでも噂です。
家を買うときは、住宅ローンを組むのが一般的です。「企業側は『住宅ローンを組んだ社員は辞めにくいだろう』と考えるはず。だから、家を買った直後は転勤を命令されやすいのでは?」という連想から、このような噂が生まれたと考えられます。
住宅を購入する年代と、30〜40代を中心とした企業の中堅層は重なりやすいです。中堅層の社員であれば、企業の重要なポストを任されることも少なくありません。新天地で役職に就くこともあるでしょう。特に転勤を伴う勤務条件で働いている方の場合、転勤が決まったときの持ち家の管理については、事前に考えておくことが大切です。
転勤族が住宅購入を考えるタイミング
転勤族が住宅購入を考えるきっかけとなるタイミングには、以下のようなものが考えられます。
● お子さまの誕生
● お子さまの進学時
● 住宅購入の適齢期
● 転勤の心配がなくなったとき
● 定年退職後
それぞれ解説します。
お子さまの誕生
お子さまが生まれたタイミングは、住宅購入を考える大きなきっかけの一つです。特に、お子さまが育つ環境をできるだけ変えたくない場合は、このタイミングで家を買うのがおすすめです。夫婦どちらかの実家に近い場所に家を買えば、転勤になった場合も親を頼りやすくなるでしょう。
お子さまの進学前
保育園や幼稚園の入園、小中学校の入学、高校の進学前に家を購入するケースもあります。これらのタイミングでの引っ越しは、お子さまの人間関係がリセットされる時期と重なるため、お子さまが環境の変化によるストレスを感じにくいはずです。
住宅購入の適齢期
一般的に住宅購入の適齢期といわれている30代~40代の方であれば、年齢を理由に住宅購入を検討する方も多いです。ローン完済時の年齢から逆算して家の購入時期を決めると、将来の見通しが立てやすくなります。30代~40代であれば、仮に30年でローンを組んだ場合、60代~70代に完済が可能です。
転勤の心配がなくなったとき
最後の転勤地が決まったときや、地域限定社員に配置換えとなったときなど、転勤の心配がなくなったときも家の買い時です。企業によっては転勤の時期や回数、エリアなどの目安を定めていることもあるため、確認しておくと良いでしょう。
定年退職後
定年退職後は転勤の可能性がなくなるだけではなく、まとまった退職金も支給されるタイミングです。そのため、家を買いやすい条件がそろっているといえるでしょう。また既にお子さまが独立しているのであれば、あえて小さい家を建てるのも一つの手です。
転勤族が住宅を購入するメリット
転勤族が住宅を購入するメリットは以下の通りです。
● 転勤が終わった後の住宅の心配をせずに済む
● 住宅ローンを組みやすい可能性がある
● 自宅が資産になる
それぞれ解説します。
転勤が終わった後の住宅の心配をせずに済む
転勤族が家を買う大きなメリットの一つが、将来住む場所を心配しなくてよくなることです。賃貸に住み続けるという方法もあるものの、その場合は老後も家賃を払い続けることになります。家を買っておけば、その分定年後に余裕を持って過ごせるでしょう。
住宅ローンを組みやすい可能性がある
転勤族は、赴任手当などの各種手当が支給されるケースが多いです。手当によって年収が上がることから金融機関に「返済能力が高い」と見なされ、住宅ローンの審査に通りやすくなる可能性があります。また勤め先が大企業で社会的信用度が高い場合、若くても有利な条件で住宅ローンを組めるかもしれません。
自宅が資産になる
家を購入すると、資産として活用したり遺産として残したりできる点もメリットです。先述の通り転勤により買った家から離れることになっても、賃貸に出せば家賃収入を得られます。
また住宅ローンを組む際に団体信用生命保険に加入することで、契約者に万が一のことがあっても、家族に住宅を残せます。団体信用生命保険とは、ローンの契約者が死亡したり、重度障害になったりしたときに、住宅ローン残高がゼロになる保険です
転勤に備え住宅購入時に考えるべきポイント
転勤族が家を買うときは、いつ買うべきか、また、買った後の費用負担はどのようにするか、事前に考えることが大切です。最後に、具体的なポイントを3つ紹介します。
【まとめ】
家を買った後で転勤になったときの対処法は、大きく「単身赴任をする」「空き家にする」「賃貸に出す」「売却する」の4つです。例えば家を賃貸に出すと、入居中の傷や汚れなどの心配はあるものの、経済的な負担を軽減させられる、空き家の防犯上の問題を防げるなど、多くのメリットがあります。
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監修
(株)中央ビル管理 取締役 江本 昌央氏
所属/(株)中央ビル管理取締役 業務管理部部長
保有資格/ 宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士
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