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賃貸管理コラム

マンションの空室率を下げる方法を徹底解説! 原因から近年話題の対策まで

賃貸経営

2025.10.24

更新日 2025.10.27

マンションの空室率を下げる方法を徹底解説! 原因から近年話題の対策まで

マンション空室率の目安・計算方法・原因と対策を解説します。最新の統計や事例を踏まえ、オーナー様が今すぐ取り組める改善策を整理しました。資産価値の維持や収益性向上に役立つ内容です。

「マンションの空室率」は、賃貸経営において重要な指標の一つです。空室が長期化すると家賃収入の減少に直結するだけではなく、物件の資産価値を下げ、金融機関からの評価にも影響します。

オーナーが安定した賃貸経営を続けるためには、自分の物件の空室率を正確に把握し、数値を基に改善策を検討する工夫が欠かせません。空室率の目安を知ることから始まり、算出方法を理解し、全国的な推移や地域ごとの傾向を把握すれば、現状の位置付けが明確になります。さらに空室率が上がる原因を正しく分析し、適切な対策を講じることが重要です。

本記事ではマンションの空室率の基本知識から、空室率が上昇する主な原因、そして実際に効果を発揮する具体的な空室対策までを体系的に解説します。自分の物件の強みと弱みを見極め、改善のための具体的なアクションを起こす際の参考にしてみてください。



マンションの空室率の目安

空室率とは総戸数に占める空室の割合を示す数値です。賃貸経営の健全性を測る上で欠かせない指標であり、収益や資産価値に直結するため、マンションのオーナー様は常に意識しておく必要があります。一般的に空室率が5%以下であれば健全な水準とされ、10%を超えると収益悪化や資産価値低下のリスクが高まるといわれています。

総務省統計局が2024年に発表した住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計によると、全国の空き家率は13.8%です。これを基準として考え、自物件が平均以下に収まっているかどうかを確認することが第一歩となります。

なお空室率は、金融機関や投資家が物件評価をする際に重視する指標です。融資判断では稼働率80%以上(=空室率20%以下)が一つの基準になることも多く、空室率の高さは資金調達や売却時の価格にも影響を及ぼします。

※参考:総務省統計局.「令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計(確報集計)結果」(参照2025-09-07)

空室率の調べ方と算出方法

空室率の算出はシンプルです。基本式は「空室戸数 ÷ 総戸数 × 100 = 空室率」で表されます。例えば20戸のマンションで2戸が空室の場合、計算式は2 ÷ 20 × 100となり、空室率は10%と算出されます。こうした数値を定期的に算出することで、物件の稼働状況を客観的に把握できるでしょう。

空室率の計算は月次や四半期、年間など、期間を固定して行うと比較しやすくなります。また期間ごとの数値を追って、募集条件の変更やリフォームの効果が表れているかを検証することも可能です。

さらに、空室率には複数の種類があります。「時点空室率」「稼働空室率」「賃料空室率」といった指標を目的に応じて使い分ければ、経営判断の精度を高められるでしょう。以下ではそれぞれの特徴を解説します。

※参考:全日本不動産協会.「『空室率』3つの定義の使い方」(参照2025-09-07)

時点空室率

時点空室率とは、ある時点での空室状況を示す最も基本的な指標です。例えば月末時点や年度末時点での空室割合を計算することで、直近の経営状態を把握できます。

この指標はシンプルで分かりやすいため、オーナーが現状を即座に確認するには便利です。ただし一時的な退去や新規入居のタイミングに影響を受けやすく、季節要因によって変動が大きくなることもあります。繁忙期には一時的に空室率が下がり、閑散期には逆に上がるといった現象が起こるため、単月の数字だけで経営状況を判断するのは危険です。

正しく活用するには、毎月同じタイミングで数値を記録し、長期的な推移として確認することが重要です。グラフ化して変化を追えば、募集活動の改善や設備投資の効果が見えやすくなります。

稼働空室率

稼働空室率は、一定期間にわたる平均的な空室状況を表す指標です。例えば1年間の入退去を通じた平均空室率を出すと、季節要因をならした実態が把握できます。

金融機関や投資家が融資判断を行う際にも重視されるのがこの稼働空室率です。長期的な収益力を示すため、短期的なブレに左右されず、物件の安定性を評価するのに適しています。オーナーにとっても、中長期の戦略を考える上で稼働空室率は欠かせません。

なお時点空室率が直近の状況把握に有効なのに対し、稼働空室率は物件全体の実力を測るものといえます。両者を組み合わせることで、短期・長期の両方の視点から経営状態を評価できるようになります。

賃料空室率

賃料空室率は、空室による家賃収入の損失割合を示す指標です。総家賃収入に占める空室損失の比率を計算することで、収益への直接的な影響度を把握できます。

例えば全戸満室であれば月100万円の収入が見込める物件で、実際の収入が90万円だった場合、賃料空室率は10%です。この数値は単なる戸数の空室率よりも経営の実態を正確に反映します。

また入居率が高くても、募集賃料を下げて契約した場合には収益が減少するため、賃料空室率は上昇します。オーナーはこの数値を参考に、賃料設定やリノベーションの費用対効果を検証することが可能です。

マンションの空室率の推移

日本全国の住宅市場では、長期的に空室率が上昇傾向にあります。総務省統計局が2024年に発表した住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計によれば、全国の空き家数は約900万2千戸です。これは1980年代以降増加し続けてきた結果であり、今後も改善しにくい状況が続くと予想されています。

マンションのオーナー様は自身の所有する物件の築年帯や立地に応じた推移を確認し、どの層をターゲットにするべきかを見極めることが大切です。たとえ築古物件でも、リノベーションや募集条件の工夫で需要を掘り起こせる余地はあるでしょう。

※参考:総務省統計局.「令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計(確報集計)結果」(参照2025-09-07)

マンションの空室率が上がってしまう主な要因

マンションの空室率が高まる背景には、需要と供給の両面から複数の要因が重なって存在します。オーナーにとって大切なのは、自分の物件にとってどの要因が支配的なのかを冷静に分析することです。原因を把握できれば、改善策を的確に講じられるはずです。

以下では、代表的な6つの要因を順に解説します。

※参考:総務省統計局.「令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計(確報集計)結果」(参照2025-09-07)

人口の減少などの市場変化の影響

日本全体で進む少子高齢化は、賃貸市場に大きな影響を及ぼしています。今後人口は減少を続けると予測されており、特に地方や郊外のエリアでは若年層の都市部への流出が止まりません。これにより、入居希望者そのものが減少し、空室率は必然的に上昇します。

※参考:厚生労働省.「人口減少社会を考える~希望の実現と安心して暮らせる社会を目指して~」(参照2025-09-07)

競合となるマンションやアパートが増えている

同じエリアに新築マンションやアパートが続々と建設されると、築年数の経過した物件はどうしても競争力を失いやすくなります。最新の設備やデザイン、セキュリティ機能を備えた新築物件は入居希望者にとって魅力的であり、相対的に築古物件は選ばれにくくなります。

供給が需要を上回れば、必然的に空室率は高まるでしょう。例えば、人口が横ばいまたは減少している地域で新築物件が増えると、既存の物件は競合に押されて稼働率が下がります。

入居者ニーズとのミスマッチ

賃貸市場では、入居希望者が求める条件と物件の特徴が合わないと空室が埋まりにくくなります。例えば単身者の多いエリアにファミリー向けの広い間取りが多く存在する場合や、逆にファミリー層が中心の地域にワンルームの物件ばかりが集中しているような場合です。

また最近の入居者はインターネット無料、宅配ボックス、オートロックなどの設備を当然のように期待しています。これらが整っていない物件は、築年数や立地が良くても敬遠される傾向にあります。

設備や内装の老朽化

築年数の古い物件では水回りや床、壁の劣化が目立ち、入居希望者にマイナスの印象を与えることが多いです。特にキッチンや浴室といった生活の中心となる設備が古いままでは、入居検討者が敬遠するのも自然なことです。

老朽化は家賃下落にも直結します。周辺相場より安くしなければ入居が決まらない状況になれば、収益性は大きく低下します。

入居者募集のプロモーション不足

いくら条件の良い物件でも、入居希望者の目に触れなければ成約には至りません。古い写真のまま掲載されている、物件情報が簡素で魅力を伝えられていないといったケースでは、他の物件に埋もれてしまいます。

管理会社任せにしてしまい、定期的に写真や募集条件を見直していない状態があまりにも続くと、会社によってはこのような状況に陥る可能性が否定できません。

管理会社の質の低下

管理会社の質は物件の稼働率に大きく影響します。清掃が行き届いていない、修繕対応が遅い、入居者からのクレーム処理が不十分といった問題があれば、既存入居者の退去が増え、新規入居者からも敬遠されます。

口コミや評判は今やネット上で簡単に共有される時代です。管理体制に不満を持った入居者がSNSで発信すれば、物件のイメージが大きく損なわれる可能性もあります。

マンション経営における空室対策

空室率が高い状態でストップしてしまうと、収益が減少するだけでなく、金融機関からの評価や資産価値にも悪影響を及ぼします。そのため、オーナーは積極的に空室対策に取り組むことが不可欠です。空室対策は多岐にわたりますが、大きく分類すると「設備改善」「募集条件の見直し」「管理体制の強化」の3つに整理できます。

いずれの対策も単独では限界があるでしょう。設備・条件・管理を総合的に見直し、バランス良く組み合わせることが、短期的な空室解消と長期的な安定経営の両立につながります。以下で、具体的な施策を順に解説します。

宅配ボックスなどの新しい設備を設置する

ECサイトやフードデリバリーの普及により、荷物を受け取るタイミングに困る入居者は増加中です。宅配ボックスがあるだけで物件の魅力は格段に向上し、利便性を重視する単身者や共働き世帯から選ばれやすくなります。

また防犯カメラやオートロックの強化といった、セキュリティ面の改善も有効です。安心感は入居希望者の大きな決定要因の一つであり、特にファミリー層により重要視されます。

導入費用は数十万円〜数百万円規模になる場合もありますが、導入後は「宅配ボックスあり」の条件で検索されやすくなるため、競合との差別化に直結するはずです。築古物件でも設備を更新することで印象を刷新できるので、投資効果の高い施策といえるでしょう。

インターネットを整え、無料で使えるようにする

今やインターネット環境は入居者にとって水道や電気と同じ「必須インフラ」です。特に単身者や学生、若年層は「インターネット無料物件」を優先的に探す傾向があります。

導入には光回線の敷設や利用料の負担といったコストが発生しますが、その分空室解消の効果は大きいと考えられます。テレワーク需要の増加も追い風となり、通信速度や安定性に配慮すれば入居者の満足度も高まるでしょう。

契約プランによっては1戸当たり月額数百円程度の追加負担で済むケースもあり、オーナーにとっては費用対効果の高い投資といえます。

ペット可の物件に変更する

ペットを飼いたいと考える人は年々増加していますが、実際に「ペット可」と明示している物件はまだ限られています。そのため、ペット可にするだけで他の競合物件との差別化が可能になり、入居希望者の母数を一気に拡大可能です。またペットを飼っている世帯は引っ越し先が限られるため、一度入居すると長期に住み続けるケースが多いです。これはオーナーにとって「退去リスクの低減」というメリットにもつながります。

ただし、安易に「ペット可」とするのではなく、条件設定やトラブル防止策を講じることが重要です。例えば「小型犬・猫のみ可」「頭数制限」「追加敷金2カ月」といったルールを明確に定めると、トラブルや修繕リスクを抑えられると期待できます。原状回復費用の取り決めを契約に盛り込むのも有効です。

消臭・防音工事を部分的に導入したり、共用部分のマナー掲示を徹底したりする他、ペット共生型マンションのように、ドッグランや足洗い場などを備える事例も増えています。ここまでの設備投資となると比較的大規模な取り組みとなりますが、一部でペットに配慮した設備を導入するだけでも、物件のブランド価値を高められるでしょう。

外国人の入居者受け入れを許可する

外国人の人口は増加傾向にあり、統計によると日本に在留する外国人は2022年末時点で300万人を超えています。その多くが都市部で生活しており、賃貸住宅へのニーズも拡大しています。しかし「外国人不可」としている物件も多いため、受け入れ可能な物件は相対的に競争力を持ちやすいです。

外国人入居に対する懸念点は、言語の壁や生活習慣の違いです。ゴミ出しルールを守れない、近隣住民とのコミュニケーションが取れないといったトラブルが想定されます。しかし近年は管理会社が多言語対応マニュアルを用意したり、翻訳アプリを活用してサポートしたりと、課題を解消する仕組みが整ってきています。

また外国人は単身者や学生が多く、短期契約を希望するケースも。家具付きや短期可の条件を取り入れれば、ニーズに合致して契約につながりやすくなるでしょう。さらには保証会社を活用することで家賃滞納リスクを軽減でき、オーナーの不安を払拭できます。

※参考:出入国在留管理庁.「令和4年末現在における在留外国人数について」(参照2025-09-07)

フリーレントを利用し初期費用を下げる

フリーレントは、入居契約時に「最初の1〜2カ月の家賃を無料」とする制度で、特に若年層や学生、単身赴任者に人気があります。初期費用を大幅に下げられるため、入居のハードルを下げる効果が高い施策です。「フリーレント付き」という一文があるだけで目に留まりやすく、ポータルサイトなどでクリック率が上がる傾向もあります。短期的な空室解消を狙う場合に有効でしょう。

しかしフリーレントには、デメリットもあります。具体的には、無料期間だけ利用して短期解約されるリスクや、オーナーの収益減少につながるリスクです。そのため1年未満の解約には違約金を設定するなど、条件を工夫する必要があります。

共用部分をきれいにして管理を徹底する

エントランスや廊下、ゴミ置き場といった共用部分の管理状態は、入居希望者にとって物件全体の印象を決定づける要素です。内見時に「共用部分が汚れている」と感じてしまえば、その物件は候補から外されてしまう可能性が高まります。

具体的な改善策としては定期清掃の徹底、植栽の剪定、照明のLED化、掲示板の更新などが挙げられます。小さな工夫であっても「管理が行き届いている物件」という印象を与えることができるでしょう。

共用部分の環境は既存入居者の満足度にも直結します。清潔で明るい共用部分は入居者の心理的安心感を高め、長期入居を促す効果が期待できます。

市場調査し入居者のニーズを正しく把握する

空室対策の第一歩は「入居者が本当に求めている条件を正しく把握すること」です。オーナーが独断で「この条件なら人気が出るはず」と判断しても、実際の市場ニーズとずれていれば入居は決まりません。特に近年は人口減少やライフスタイルの多様化が進む中で、従来の常識に頼った戦略が通用しにくくなっています。

市場調査では、まずエリア特性の把握が欠かせません。単身者が多い地域ではワンルームや1Kの需要が高く、逆にファミリー層が多い郊外エリアでは2LDK以上の間取りが好まれます。また高齢化が進む地域ではバリアフリー仕様やエレベーター付き物件へのニーズが強くなります。これらは自治体の人口統計や不動産ポータルサイトの検索傾向からも読み取れるでしょう。

競合調査も重要です。同じエリアで入居が決まりやすい物件にはどのような特徴があるのか、築年数・設備・賃料のバランスを比較します。その上で、自分の物件が持つ強みや弱みを洗い出し、改善点を明確にしましょう。

市場調査は単発で終わらせるのではなく、定期的に実施することが大切です。ニーズは時代とともに変化するため、継続的なチェックを続け、長期的な安定経営を目指してください。

ホームステージングサービスを利用する

ホームステージングとは、家具やインテリアを配置して室内をモデルルームのように演出する手法です。欧米では一般的な販売戦略として定着しており、日本でも賃貸市場に広がりつつあります。

空室状態のままでは、入居希望者が実際の生活をイメージするのが難しいものです。広さや間取りが分かっても「どのように家具を置けばいいのか」「生活感が出るとどのような雰囲気になるのか」が想像できないため、決断に踏み切れない人も少なくありません。そこでホームステージングを導入すれば、内見時に「ここで暮らす自分」を具体的にイメージできようになり、成約率が高まります。

導入費用は数万円〜十数万円程度ですが、短期間で空室を埋められる可能性が高まるため、考え方によっては費用対効果に優れた施策です。例えば、リビングにソファとラグ、ダイニングにテーブルと椅子を配置するだけでも印象は大きく変わります。築古や間取りにクセがある物件ほど効果が高く、導入を検討する価値は大いにあるといえるでしょう。

床板を張り替える

床は室内の印象を大きく左右する要素です。フローリングが傷んでいたり色あせていたりすると、内見時に「古くて住みにくそう」という印象を与えてしまいます。築古物件で「古い印象を与えている要因」が床にある場合、張り替えは最優先で検討すべき改善策です。壁紙よりも面積が広い床は、空間全体の雰囲気を決定づけるため、張り替えの効果は非常に大きいといえます。

床材を新しくするだけで室内の明るさや清潔感が大きく改善されます。特に明るめの木目や耐久性のある素材を選べば、長期的に修繕コストを抑えられる点もメリットです。最近では防音性や防水性に優れたフローリング材も登場しており、子育て世帯やペット飼育世帯からの需要に応えられるでしょう。

また床の張り替えは、比較的低コストで実施できる改修の一つです。部分的な張り替えやリフォーム用シートを活用すれば、数万円程度の負担で印象を刷新できます。その結果賃料を下げずに募集でき、投資回収スピードも早いのが特徴です。

賃料を見直す

空室が埋まらない最大の理由の一つは「賃料設定が相場に合っていないこと」です。相場より高ければ入居は決まりにくく、安易な値下げをすれば収益が損なわれます。重要なのは「戦略的な賃料見直し」です。

まずは周辺相場を調査し、同じエリア・築年数・設備条件の物件と比較することが必要です。その上で、相場よりやや高くても入居が決まる要素(リフォーム済み、インターネット無料など)を備えていれば強気の設定が可能となります。逆に設備が古いままなら、相場より少し安く設定するのが現実的です。

なお単純に賃料を下げるのではなく、礼金や管理費で調整するという方法もあります。「家賃は下げないが、礼金ゼロ」「共益費込みで分かりやすい価格にする」といった工夫は、収益を守りつつ入居希望者の心理的負担を軽減するでしょう。

賃料見直しはリフォームや設備改善と組み合わせることで効果が最大化します。「リノベ済みで相場と同額」の方が「古いままで相場より安い」よりも選ばれやすいためです。単なる値下げではなく、総合的な調整が求められます。

入居者募集のプロモーションを行う

物件の条件や設備が整っていても、その情報が入居希望者に届かなければ空室は解消されません。現代の賃貸市場では「情報の発信力」そのものが競争力になっています。とりわけ入居者の多くは物件検索をインターネットから始めるため、ポータルサイトやSNSでの露出を高めることは欠かせません。

ポータルサイトへの掲載では、写真の枚数や画質、キャッチコピーの工夫が重要です。例えば「駅徒歩5分・日当たり良好」という一般的な表現よりも「南向きで午後まで明るいリビング」「大型スーパーまで徒歩3分」といった具体的な情報を提示することで、入居希望者の生活イメージが広がります。また間取り図も簡略的なものではなく、家具配置をイメージできる詳細なものにすることで内見意欲が高まるでしょう。

さらに近年は、SNSや動画を使ったプロモーションの効果が注目されています。短い動画で物件の内装や周辺環境を紹介するだけでも、文字や写真だけの情報よりも高い訴求力が生まれるはずです。TikTokやInstagramリールを使った集客は、若年層をターゲットにする際に効果的です。

物件の掲載写真を見直す

掲載写真は入居希望者にとって物件を知る最初の接点であり、第一印象を決める決定的な要素といえます。ポータルサイトの検索結果で数多くの物件が並ぶ中、クリックされるかどうかは「写真の魅力」でほぼ決まるといっても過言ではありません。

暗くて不鮮明な写真や、古い時期に撮影した写真をそのまま使い続けている物件は、それだけで候補から外される可能性が高まります。逆に最新の状態を反映した明るく清潔感のある写真を掲載するだけで、反響が大きく改善するかもしれません。

実際に差し替える写真を撮影する際には、プロのフォトグラファーに依頼するのがおすすめです。専門的なレンズや照明を活用して撮影された写真は、部屋を広く明るく見せる効果が期待できます。またホームステージングと組み合わせれば、家具や小物を配置した写真によって入居者が生活をイメージしやすくなり、成約率の向上につながるでしょう。

内装をリフォームした際や共用部分を改修した際には必ず写真の撮り直しを行い、物件の魅力を伝える工夫をすることをおすすめします。

管理会社の変更を検討する

現在の管理会社の質に問題がある場合は、管理会社を変更するという選択肢も有効です。新しい管理会社は積極的な広告出稿を行ったり、写真や募集文を刷新したりと、これまでにないアプローチを行うことがあります。

しかし、管理会社を変更する際には注意も必要です。手数料の安さだけで選ぶのではなく募集力や提案力、トラブル対応の質を重視すべきです。特にオーナーと二人三脚で所有するマンションの経営方針を考えてくれる姿勢があるかどうかは、重要な判断材料となります。

オーナーは現状の管理体制に不満がある場合、複数社から提案を受けて比較検討することをおすすめします。

【まとめ】

空室率は経営の健全性を示す重要な指標であり、放置すれば収益の悪化や資産価値低下につながるでしょう。人口減少や新築供給といった外的要因は避けられませんが、設備改善や条件見直し、管理体制の強化など、オーナー自身の工夫で改善できる余地は大きいです。

「自分の物件の空室率が高いかもしれない」「どのような対策を優先すべきか分からない」と感じている方は、まずは専門家に相談してみましょう。中央ビル管理では、賃貸経営に関するさまざまな課題に対応し、オーナーに寄り添った提案を行っています。ニーズや課題が顕在化していなくても、気軽に問い合わせできるパートナーとしてご活用ください。

監修

(株)中央ビル管理 取締役 江本 昌央氏

所属/(株)中央ビル管理取締役 業務管理部部長 
保有資格/ 宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士

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