マンション購入は税金対策になる? 対策のポイントや注意点を詳しく解説
税金
2026.09.16
更新日 2026.09.17
「マンション購入による税金対策を検討したい」「マンションを購入すれば、本当に節税につながるのか知りたい」と考えている方も多いのではないでしょうか。実際のところ、マンションを購入すれば、さまざまな税金に関する節税効果を期待できます。ただし、税金対策だけに注目して判断すると、思わぬリスクが生じる場合もあるため注意が必要です。
そこで本記事では、マンション購入による税金対策や注意点などを詳しく解説します。マンションの購入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
目次
マンション購入は税金対策につながる!
マンションを購入すると、相続税や所得税などを節税できる可能性があります。
これは、不動産ならではの評価方法や税制上の仕組みによるものです。ただし、節税効果の大きさは物件の条件や運用方法によって異なるため、仕組みを正しく理解しておくことが大切です。
次の項からは相続税と所得税の対策について、それぞれ確認していきましょう。
マンション購入による相続税対策
マンションの購入は、相続税対策の一つとして活用されることがあります。現金のままで相続するよりも、相続税の負担を軽減できるケースがあるためです。
相続税は、相続した財産の評価額を基にして決定され、基本的に評価額が高くなるほど、納付すべき相続税も高くなります。マンションを購入してから相続した方が、相続税を計算する際の評価額を抑えられるため、結果として相続税の負担軽減につながるのです。
以下で、マンションの評価額が低くなる理由について、詳しく見ていきましょう。
1.土地の評価額が購入価格よりも低くなる
購入したマンションの土地部分については、路線価方式などを用いて評価額を決定します。路線価方式とは、道路に面する標準的な宅地の1m²あたりの価額(路線価)に、土地の面積などを掛け合わせて評価額を直接算出する方法です。
この路線価は、土地の購入価格の7~8割程度になるケースが多いため、結果として土地の評価額が低くなり、現金のままで相続するよりも相続税の負担軽減を図れるでしょう。
路線価が定められていないエリアについては、倍率方式により土地の評価額を決定します。倍率方式とは、土地の固定資産税評価額に対して、国税庁が定める倍率をかけて評価額を決める方法です。
土地の中でも「宅地」の場合は、地価公示価格などの7割を目安として固定資産税評価額が決定されます(※1)。その結果、路線価方式で計算する場合と同様、土地の評価額が低くなり、相続税の節税につながります。
ただし、令和6年1月1日以降に相続等により取得した区分所有マンションについては、計算した土地の評価額に対して、さらに「区分所有補正率」を乗じて評価額を補正するルールが導入されています(※2)。そのため、都心の高層マンションなど、実売価格と評価額のギャップが大きい物件においては、以前のような大きな節税効果は得られにくくなっている点に注意が必要です。
※参考:総務省.「固定資産税」. ,(参照 2026-04-24).
※参考:国税庁.「No.4667 居住用の区分所有財産の評価」.,(2026-04-01).
2.建物の評価額が購入価格よりも低くなる
購入したマンションの建物部分については、固定資産税評価額を基に評価額を決定します。この固定資産税評価額は自治体が決定するもので、一般的に建物の購入価格(新築時)の5〜6割程度になるケースが多く、評価額が低く抑えられる分だけ相続税の節税が期待できます。
なお、自治体による評価は、同じ建物を新築すると仮定した場合の建築費(再建築価格)や、築年数の経過による価値の減少(経年減点補正率)などを考慮して算出されています。
ただし、再建築価格が高い場合や建築後の時間経過が少ない場合は、固定資産税評価額が高くなるため、大きな節税効果は期待できません。また土地と同様に、令和6年1月1日以降に相続等により取得した区分所有マンションについては「区分所有補正率」を乗じる必要があるため注意しましょう。
※参考:国税庁.「No.4667 居住用の区分所有財産の評価」. ,(2026-04-01)
3.賃貸に出している場合はさらに評価額が低くなる
マンションを賃貸に出している場合は、土地と建物それぞれの評価額がさらに低くなります。不動産を他人に貸していると、所有者が自由に使えないと判断されるからです。
(1)マンションを賃貸に出している場合の「土地の評価額」
まずは土地の評価額について、どのように低くなるのかを見てみましょう。マンションを賃貸に出している場合、土地の評価額は以下の計算式で求められます(※)。
賃貸に出している土地の評価額 = 自用地としての評価額 - (自用地としての評価額 × 借地権割合 × 借家権割合 × 賃貸割合)
上の式から、賃貸に出している土地の評価額は、自用地としての評価額(マンションを自分で使っているときの評価額)よりも低くなることが分かります。なお、借地権割合は、地域ごとに30〜90%の範囲で決められています。借家権割合は、全国一律で30%です。また賃貸割合は以下の式で計算します。
賃貸割合 = 課税時期において賃貸されている各独立部分の床面積の合計 / 各独立部分の床面積の合計
つまり、マンション内で複数の住戸を所有している場合は、より多くの住戸を賃貸に出している方が、土地の評価額は下がる結果となります。
※参考:国税庁.「貸家建付地の評価」. ,(参照 2026-04-24).
(2)マンションを賃貸に出している場合の「建物の評価額」
続いて、マンションを賃貸に出している場合の建物の評価額を見てみましょう。先ほど紹介した通り、建物の評価額は固定資産税評価額を基に決定されます。ただし、マンションを賃貸に出している場合は、固定資産税評価額から「固定資産税評価額 × 借家権割合 × 賃貸割合」で算出した数値が差し引かれます(※)。
つまり、土地の場合と同様、マンション内で複数の住戸を所有しているなら、より多くの住戸を賃貸に出している方が建物の評価額は下がるのです。その結果、相続税の節税効果も高まると考えられます。
※参考:国税庁.「土地家屋の評価」.,(参照 2026-04-24).
マンション購入による所得税対策
マンションの購入は、所得税の節税対策にもつながります。所得税とは、個人の1年間の所得に対してかかる税金です。1年間の収入から各種の経費や所得控除を差し引いた「課税所得金額」を基に、税率をかけて計算します。
具体的な計算式は、以下の通りです。
所得税 = 課税所得金額 × 税率 - 控除額
所得税の節税効果を高めるためには、課税所得金額を減らす必要があります。ここでは、マンション購入により所得税の負担を軽減するための課税所得金額を減らすポイントについて見ていきましょう。
1.各種の経費を適切に計上する
マンションの経営に関する支出を経費として計上すれば、所得税の負担を軽減できる可能性があります。所得税を計算する基となる「課税所得金額」は、収入から各種の経費を差し引いて求めるからです。
マンションの経営においては、以下のような支出を経費として計上できます。
● 租税公課:固定資産税・都市計画税・不動産取得税・登録免許税など
● 損害保険料:地震保険料・火災保険料など
● 修繕費:室内の修理・メンテナンスなどにかかる費用
● 修繕積立金:大規模修繕のために管理組合へ支払う積立金
● 管理委託料:不動産管理会社などへ業務を委託するときの費用
● 借入金利息:マンション購入のための借入金に対する利息
● 広告宣伝費:マンションの入居者募集などに関する費用
● 交際接待費:マンションの経営のために必要な相手との飲食代など
● 消耗品費:筆記用具やコピー用紙などの購入費用
● 税理士報酬・司法書士報酬:登記手続きなどを依頼したときの費用
ただし、経費として計上できるのは、マンションの経営に関する支出のみです。プライベートで行ったレストランでの食事代や趣味で買った書籍の費用などは、経費として認められません。マンションの経営と無関係の費用を経費として計上すると、税務調査などで指摘を受ける可能性もあるため注意しましょう。
2.減価償却費を活用して節税する
減価償却費を活用すると、所得税を計算する際の課税所得金額を抑えられます。減価償却とは、マンションなどの高額で長期間使用する資産を購入した際に、その取得費用を定められた耐用年数に応じて分割し「減価償却費」として少しずつ計上していく処理のことです。
マンションの耐用年数は、以下のように構造によって異なります(※)。
● 鉄筋コンクリート造のマンション:47年
● 鉄骨鉄筋コンクリート造のマンション:47年
※一般的な分譲マンションは上記2つの構造が主流ですが、一部の鉄骨造マンション等では、骨格材の肉厚に応じて耐用年数が27年や34年となる場合もあります。
例えば、鉄筋コンクリート造のマンションを購入した場合は、その取得費用をまとめて計上するのではなく、47年で分割して毎年少しずつ計上していきましょう。
減価償却費の大きなメリットは、実際の支出を伴わないことです。先ほど紹介した修繕費や管理委託料などとは異なり、実際の支出がなくても、一定期間、継続的に経費として計上できます。所得税の節税効果を高めるためにも、適切に計上しましょう。
※参考:国税庁.「主な減価償却資産の耐用年数表」.pdf ,(参照 2026-04-24)
3.損益通算により赤字と黒字を相殺する
損益通算による課税所得金額の圧縮も、効果的な節税対策の一つです。損益通算とは、赤字と黒字を相殺する処理を意味します。
マンションの購入費用は高額であるため、減価償却費を計上すると、赤字が発生するかもしれません。また修繕費などの経費が増え、赤字となる場合もあるでしょう。この赤字を他の給与所得などと合算して相殺すれば、課税所得金額を圧縮できる可能性があります。
ただし、不動産所得の赤字を損益通算する際、「土地」を取得するために借り入れたローンの利息に相当する部分の赤字については、他の所得と相殺することができない(対象外となる)ルールがあります。特に土地と建物をローンで購入する場合は、収支計画の段階でこの特例を意識しておくことが大切です。
マンション購入による税金対策の注意点
マンション購入による税金対策を行うときは、次のような点に注意しましょう。
● 支出が大きくなりすぎる可能性もある
● 収益性の高いマンションを購入する
● 不動産管理会社やマンション管理会社に相談する
それぞれの注意点の詳細は以下の通りです。
1.支出が大きくなりすぎる可能性もある
ここまで解説した通り、マンション購入により相続税や所得税の節税を図れます。しかし、支出が大きくなり、マンション経営や自分の生活が苦しくなる可能性もあるため注意が必要です。
マンションの購入費用やローンの返済が大きな負担になるだけではなく、修繕費や固定資産税、損害保険料などの経費は継続的に発生します。
もちろん家賃収入によって安定した経営を継続できるケースもありますが、予想以上に支出が増え、経営状況が悪化するかもしれません。マンションを購入するときは、節税効果だけを考えるのではなく、安定した経営ができるかどうかを検討することが重要です。
2.収益性の高いマンションを購入する
マンションを購入するなら、収益性を意識しましょう。前述の通り、マンション経営において帳簿上の赤字が発生したときは、損益通算により課税所得金額を圧縮し、所得税の節税を図れます。
しかし、収益性が低すぎると、安定した家賃収入を得られず、ローンを返済できなくなる可能性もあります。また人気のないマンションの場合は、仕方なく売却しようと思っても、なかなか買い手が見つからないかもしれません。マンションを購入する際は、長期的な収支計画を立てた上で、収益性の高い物件を選択しましょう。
3.不動産管理会社やマンション管理会社に相談する
マンション購入による税金対策を成功させるためには、信頼できる不動産管理会社やマンション管理会社に相談することも大切です。特にマンションを賃貸に出して家賃収入を得たい場合は、適切なタイミングでのメンテナンスや修繕、効果的な空室対策などが欠かせません。
しかし、マンション経営の経験が少ないと、メンテナンスや空室対策の方法が分からないケースもあるでしょう。次のような基準で信頼できる業者を選び、マンション経営のサポートを受けることが重要です。
● マンション管理の実績
● 得意とする不動産の種類やエリア
● サポート内容
● 口コミ・評判
余裕があれば複数の不動産管理会社やマンション管理会社の話を聞き、サポート内容やアフターフォロー体制などを比較してみましょう。
【まとめ】マンション購入による税金対策はリスクを理解した上で進めよう!
今回は、マンション購入による税金対策や注意点などを紹介しました。マンションを購入すると、不動産特有の評価方法や税制上の仕組みにより、相続税や所得税の負担軽減につながる場合があります。各種の経費を正しく計上したり、損益通算を活用したりしながら節税効果を高めていきましょう。
ただし、税金対策だけを意識してマンションを購入するのは危険です。多額の支出により、マンションの経営を継続できなくなる可能性もあるため、長期的な収支計画を立てた上で、マンションの購入を検討しましょう。
マンションの経営を成功させるためには、不動産管理会社やマンション管理会社などに相談することも重要です。東京・埼玉・千葉でマンションの経営をするなら、株式会社中央ビル管理にご相談ください。空室対策はもちろん、メンテナンスやトラブル対応相談窓口をご紹介するなど、物件ごとの状況に合わせて丁寧にサポートいたします。安定したマンション経営を続けるためにも、ぜひご利用ください。
※実際の不動産評価額の算出や、減価償却費の計上、損益通算の適用可否などの具体的な税務判断については、必ず管轄の税務署や税理士などの専門家にご相談ください。
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