マンション管理委託費用の相場は?マンション管理費の見極め方についても解説
賃貸経営
2025.07.16
更新日 2025.07.17
マンション管理委託費相場は、一部委託の場合は賃料の3%程度、全部委託の場合は3~7%程度とされています。ただし、費用相場はあくまで目安であり、実際の費用は委託先や管理物件の規模、管理仕様などによって異なるため、複数の業者から相見積もりを取って比較しましょう。
マンションの管理業務を不動産管理会社に委託する場合、毎月マンション管理委託費を支払うことになります。管理委託費は、委託する業務の範囲や委託先によって異なるため、費用の内訳やおおよその相場をチェックしておきましょう。
本記事では、マンションの管理委託費の基礎知識や、相場、マンション管理業務を委託するメリット・デメリットなどについて解説します。マンション管理業務の委託を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
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目次
マンション管理委託費とはどのような費用?
マンション管理委託費とは、マンションの管理業務を業者に委託する代わりに支払う報酬のことです。マンションのオーナーには入居者に安全・快適な住まいを提供する義務があるため、日々さまざまな管理業務をこなす必要があります。しかし、管理業務は多岐にわたるため、オーナー一人でまかなうのは難しいのが実状です。
そこで多くのマンションオーナーは不動産管理会社に管理委託費を支払い、業務の一部または全てを代行してもらっています。なお、マンション管理委託費を支払うことで委託できる業務には以下のようなものがあります。
清掃業務
清掃業務とは、マンションの共用部分の清掃を行う業務です。清掃業務は目的や作業内容に応じて、以下の3つに分類されます。
●日常業務/ エントランスや玄関、駐車場の掃き掃除やごみ拾いなどを中心とした清掃
●定期清掃/ 日々の清掃だけでは対処できない汚れを落とすための清掃
●特殊清掃/ 定期清掃だけでは対処できない汚れを除去するための清掃
上記のうち、日常清掃はオーナー自らが行うケースもありますが、定期清掃や特殊清掃は特殊な道具や設備が必要になるため、清掃業者に外注するのが一般的です。
建物・設備管理業務
建物・設備管理業務とは、マンションの構造体や設備を点検し、必要に応じて修繕を手配する業務です。
マンションの建物や設備は時間経過とともに劣化していくため、定期的にメンテナンスを行い、正常に動作するか、不具合はないかをチェックする必要があります。また外壁にヒビが入っていないか、設備が故障していないかなども目視で確認しましょう。エレベーターや玄関のオートロック、水道管やガス管、貯水槽といった設備については専門的な知識や道具が必要になるため、業者へ依頼しなければなりません。
なお、一部の点検は法律で定められているため、必要なときに必要な点検を行っているかどうか管理するのも業務の一環です。
修繕工事の実施と管理
修繕工事の実施・管理は、マンションの安全性や利便性を保つために欠かせない業務の一つです。
法定点検や保守点検を行った結果、補修や修繕が必要だと判断された場合は、業者を手配して修繕工事を行ってもらいます。また、外壁工事や防水工事といった大がかりな修繕工事については、かなりの手間と費用がかかるため、先を見据えて修繕金の積立を行ったり、いつ・どこを修繕するのかをあらかじめ決めておいたりする必要があります。このような長期修繕計画を立案するのも管理業務の一環です。
マンションの管理委託費の相場は?
賃貸経営を行うオーナー様にとって、管理会社に支払う「管理委託費」は、手取り収益に直結する重要なランニングコストです。
この委託費の相場は、オーナー様が「どこまでの業務を管理会社に任せるか」によって大きく変動します。もちろん、物件の規模や築年数によっても費用は変わりますが、最大の要因は「委託する業務の範囲」です。
例えば、「家賃の集金だけ」を任せるケースと、「入居者募集(客付け)」「クレーム対応」「建物清掃」まで全てを任せるケースでは、当然ながら費用が異なります。
ご自身の経営スタイルや手間とのバランスを考え、最適な委託方法を選ぶためにも、まずはそれぞれの費用相場を知ることが重要です。
ここからは、主な委託形態ごとの管理委託費の相場について解説します。
一部委託の場合は賃料の3%が相場
マンション管理業務の一部のみを委託する場合の委託費の相場は、賃料のおよそ3%が相場とされています。先述したようにマンション管理業務は多岐にわたりますが、管理委託費は委託する業務の量が多いほど割高になるため、全ての業務を管理会社に委託するとかなりのコストがかかるでしょう。
そのため、管理委託費を抑えたい場合はどうしてもオーナーだけでは手が回らない部分や、個人で対応するのは難しい業務だけを絞り込み、部分的に委託する方法もあります。例えば、集金業務や滞納者への対応だけを管理会社に委託し、その他の業務はオーナー自身が行うか、外部業者に直接依頼するケースもあります。
ただし、一部委託の割合は決して多くはなく、国土交通省が公開している「令和5年度マンション総合調査結果報告書」によると、管理事務の一部を管理会社に委託しているケースは全体の1割程度です(※)。
※参考:国土交通省.「令和5年度マンション総合調査結果報告書」
一般的な相場は賃料の3~7%が相場
管理業務の一部委託の相場は賃料の3%程度と説明しましたが、全部委託した場合の一般的な相場は3~7%とされています。多岐にわたる管理業務の全てを委託する場合、管理会社側でもより多くの人員を割り振らなくてはならないため、一部委託よりも相場が高くなるケースが多いようです。
例えば、月々の家賃収入が100万円の場合、集金業務のみを委託するケース(3%)では「100万円 × 3%」で3万円となります。一方で管理業務の全てを委託する場合(5%)では「100万円 × 5%」で5万円の管理委託費がかかる計算になります。
家賃100万円に対し、2万円の差額を多いと考えるか、少ないと考えるかは人によりますが、一部委託の場合、委託しなかった分の管理業務は全てオーナー自らが対応しなければなりません。
業務に費やす手間や時間などを考慮すると、管理業務の全てをプロに委託した方が効率的と考える人は多いようです。実際、「マンション総合調査結果報告書」によると、基幹事務を含め管理事務の全てを管理業者に委託していると回答したオーナーは全体の7割以上となっています(※)。
※参考:国土交通省.「令和5年度マンション総合調査結果報告書」
サブリースの場合、借り上げ率の相場は満室時家賃の70%~80%
サブリース契約でマンションを経営する場合の借り上げ率の相場は満室時家賃の70%~80%とされています。サブリース契約とは、オーナーとサブリース会社が賃貸借契約を締結し、マンションを丸ごと借り上げて入居者に貸し出す契約形態のことです。サブリース会社は空室率にかかわらず、オーナーに一定の賃料を保証する仕組みになっているため、空室リスクを軽減して安定した収入を得やすいという点が大きな特徴です。
サブリース契約ではオーナーと入居者の間で直接賃貸借契約を結ばないため、オーナーにはマンションの管理業務を担う責任がありません。
マンション管理を委託するメリット
マンション管理業務を不動産管理会社に委託するメリットは大きく分けて2つあります。
まず1つ目は、オーナーの負担を大幅に軽減できることです。管理業務は多岐にわたる上、中には滞納者やクレームへの対応など、ストレスを感じるものも多々あります。管理業務を管理会社に委託すれば、オーナーが携わる業務が大幅に減り、心身への負担を軽減できるでしょう。
2つ目は、メンテナンスや入居者への対応が行き届きやすくなることです。建物や設備を適切な頻度で点検したり、入居者から寄せられたクレームを適切に処理したりするためには、不動産経営に関する知識やノウハウが必要です。不動産管理会社は建物・設備の管理やクレーム対応などに関する知識やノウハウに長けたプロフェッショナルであるため、管理業務を迅速かつ適切にこなしてくれます。
点検・管理の不備やクレーム対応への遅延は、資産価値の低下や入居者の退去などを招く原因となるため、プロに管理してもらえる安心感は大きなメリットとなるでしょう。
マンション管理を委託するデメリット
マンション管理を管理会社に委託する場合に注意したいデメリットは、主に2つあります。
1つ目は、管理委託費がかかることです。先述した通り、管理委託費は賃料の3~7%が相場となっており、委託契約を締結している間は毎月委託費を支払う必要があります。また、管理委託費は固定ではなく、賃料に占めるパーセンテージで計算されるため、家賃収入が増えれば管理委託費も割高になるところがデメリットの一つです。
2つ目は、管理している物件の状況を正確に把握しにくくなることです。特に管理業務の全てを委託している場合、マンションが適切に管理されているかどうか、自分の目で確かめる機会が減ってしまいます。信頼できる管理会社に委託できていれば問題ありませんが、悪徳な業者に依頼してしまった場合、委託費に見合わないずさんな管理を行われるリスクもゼロではありません。そのため、管理会社に業務を委託する場合は業者選びを慎重に行い、リスクを未然に回避することが大切です。
委託費用を抑えるなら「一部委託」という選択も
委託費用がネックになる場合は、管理業務の全てを委託するのではなく、その一部のみを任せる方法もあります。一部委託の場合の管理委託費の相場は3%であるため、全部委託した場合の3~7%に比べてコストを安く抑えられる可能性があります。どの業務を委託するかは人それぞれですが、以下に挙げる4つの業務はプロに任せるのがおすすめです。
1. 賃貸借契約関連の手続き
2. 建物・設備管理業務
3. 集金業務と滞納への対応
4. 退去時の立ち会いと精算業務
1に関しては不動産管理会社と代理契約を締結すれば、賃貸借契約の締結まで代行してもらえます。2は特に長期修繕計画の立案や管理を任せられるところが利点です。3や4は入居者との間でトラブルに発展するケースも少なくないため、プロの業者に依頼した方がスムーズな解決につながるでしょう。
今の管理委託費が適正かどうかを知るには?
現在支払っている管理委託費が適正かどうか判断するには、定期的に委託費の相見積もりを取る方法が有効です。管理委託費の相場は賃料の3~7%とご紹介しましたが、委託費の内訳の大半は人件費で占められているため、最低賃金が上昇すると委託費も値上がりする可能性もあります。さらに、管理業務を委託する物件の規模や管理仕様によっても金額が左右される場合があるため、賃料の3~7%内に納まらないケースもあります。
ただし、相場よりも高い費用を提示された際、「このようなものなのかな」と管理会社の言い分をそのまま鵜呑みにするだけでは、知らない間に損をしてしまうかもしれません。無駄なコストをかけないためにも、現在負担している管理委託費が適正であるかどうか、小まめに確認するのがよいでしょう。
具体的なチェック方法は、以下の2つです。
● マンション管理委託費のシミュレーションサービスを利用する
● マンション管理費一括見積もりサイトを活用する
シミュレーションサービスでは、マンションの所在地や総戸数、地上階数、といった情報を入力するだけで、おおよその管理委託費の相場をチェックできます。
一方、一括見積もりサイトでは建物の種別や委託内容、所在地などの情報を入力すれば、その建物の管理に対応している業者から一括で見積もりを取り寄せられます。どちらも無料で利用できるケースが多いため、コストをかけずに委託費が適正かどうか調べられるでしょう。
マンション管理会社を選ぶ際の注意点
マンション管理会社を選ぶ際に気を付けたいポイントは、以下の通りです。
● 集客力があるか
● 評判や口コミが良いか
● 地域の情報に詳しいか
● トラブル発生時に早急に対応してくれるか
● 管理会社の経営状態が良いか
マンションの管理業務を委託できる会社は複数ありますが、サービスの質や委託費用の料金体系などは会社ごとに異なります。マンション管理会社選びに失敗すると、資産価値が低下したり、退去者が相次いだりとさまざまなリスクが懸念されるため、信頼できる会社を探すことが大切です。ここでは、それぞれの注意点について詳しく解説します。
集客力があるか
マンション管理会社に全ての業務を委託する場合、入居者の募集や内見への対応なども代行してもらえるため、集客力の有無も重要なポイントになります。集客力の高い会社に委託すれば、空室リスクが軽減され、安定した家賃収入を期待できます。
集客力の高さは、管理会社のWebサイトなどに掲載されている入居率をチェックすれば判断できるでしょう。一般的に、管理している物件の入居率が95%以上の会社であれば、集客力・営業力が高いとされています。逆に、入居率が公開されていない管理会社は集客力が低い可能性があるため、契約を検討する際は注意が必要です。
評判や口コミが良いか
その管理会社を実際に利用した人の評判や口コミが良いかどうかも、忘れずにチェックしましょう。
利用者の口コミを調べれば、サービスの質はどうか、レスポンスは速いか、スタッフの対応は良いかなど、実際に業務を委託してみなければ分からない部分の情報を得られます。利用者の口コミや評判は、管理会社のWebサイトで紹介されている他、マンションオーナーのコミュニティサイトなどにも掲載されているため、委託の候補先の情報があったら参考にしてみましょう。
ただし、口コミや評判は主観的なものであるため、個人の意見を鵜呑みにするのは禁物です。あくまで口コミ・評判は参考程度にとどめ、その他の要素も踏まえて総合的に判断しましょう。
地域の情報に詳しいか
管理する物件の地域の情報に精通しているかどうかも重視したいポイントの一つです。
地域情報に詳しい会社なら、そのエリアならではの特性を熟知しているため、入居者に対して物件の魅力の効果的なアピールが可能です。また、近隣の類似物件の管理経験がある場合は、具体的な成功例を教えてもらえる可能性もあります。
地域の情報に詳しいかどうかは、そのエリア内に本支店があるか、同じ地域内にどれだけの管理物件があるか、などで判断できます。これらの情報は管理会社のWebサイトに掲載されていますが、より詳しくチェックしたい場合は管理会社へ問い合わせや相談をする際に、地域の情報について質問してみるとよいでしょう。
トラブル発生時に早急に対応してくれるか
入居者からのクレームや建物・設備の故障といったトラブルへの対応の早さも管理会社選びのポイントの一つです。トラブルへの対応が遅れると、入居者の不満が募って退去者が続出したり、設備故障の症状が悪化したりする恐れがあります。トラブルが発生した際になるべく迅速に、かつ適切な対応を行ってくれる管理会社を選ぶようにしましょう。
対応の早さについては、管理物件から1時間以内にたどり着ける場所に管理会社の拠点があるかどうかで判断できます。また、質問や問い合わせに対するレスポンスが速いかどうかも併せてチェックしておきましょう。
管理会社の経営状態が良いか
管理会社の経営状態が悪いと倒産や破産のリスクが高く、ある日突然、事業停止の恐れがあります。管理業務の全てを委託していた場合、業務の担い手がいなくなるため、新しい委託先が決まるまでオーナーが全ての業務に対応しなければなりません。特に集金業務や滞納者への対応が滞ると、安定した家賃収入を得られず、マンション経営そのものに大きな支障をきたす恐れがあります。
このようなリスクを未然に防ぐためにも、管理会社を選ぶ際は経営状態が良好であるかどうか、事前に下調べしておくことが大切です。管理会社の経営状態は、会社のWebサイトに掲載されているIR情報や、インターネットで公開されている企業情報データベースなどで確認できます。
【まとめ】マンション管理会社を選ぶ際は委託費用の相場をチェックしておこう
マンション管理会社に管理業務を委託する場合の費用相場は、一部委託か全部委託かによって異なります。一部委託であれば賃料の3%程度が相場ですが、全部委託の場合は3~7%程度とやや割高になりやすいことを認識しておきましょう。
コストを抑えたい場合は、自分でまかないきれない業務だけを一部委託を選択するのも方法の一つですが、残りの業務はオーナー自身が行うか、あるいは外部業者に外注する必要があります。かえって手間や費用がかかる可能性があることを踏まえ、一部委託と全部委託どちらにするか慎重に検討しましょう。
なお、どちらの場合でも信頼できる会社に委託しなければ管理がずさんになる恐れがあるため、複数社の中で比較検討することが大切です。
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