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賃貸管理コラム

アパート経営で節税はできる? 税金ごとの節税対策を詳しく紹介

賃貸経営

2026.07.31

更新日 2026.08.01

アパート経営で節税はできる? 税金ごとの節税対策を詳しく紹介

アパート経営を成功させるためには、節税対策が欠かせません。アパート経営をしている方の中には「どのような方法で節税すればよいか分からない」「簡単にできる節税対策を知りたい」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

そこで本記事では、アパート経営において発生する税金や、税金ごとの効果的な節税対策などを分かりやすく解説します。納税の負担を軽減し、より多くの資金を手元に残しやすくするための参考にしてください。

アパート経営で節税はできる!

アパート経営では、さまざまな節税対策を行えます。アパート経営をしていると多くの税金が発生するため、しっかりと対策を講じましょう。

節税対策を怠ると、せっかく家賃収入を得ても、納税によって手元に残る資金が少なくなります。経費の適切な計上やさまざまな控除の活用によって、納税の負担を軽減しましょう。まずは、アパート経営において発生する税金と、節税できる税金を紹介します。

アパート経営において発生する税金

アパート経営において発生する主な税金は、以下の通りです。

● 所得税
● 住民税
● 固定資産税
● 都市計画税
● 事業税
● 相続税
● 贈与税
● 不動産取得税
● 登録免許税
● 印紙税


所得税や住民税、固定資産税などは、アパート経営において継続的に発生する税金です。またアパートを取得するときは、不動産取得税や登録免許税、印紙税などがかかります。税金はさまざまなタイミングで発生するため、納付を忘れないようにしましょう。

アパート経営において節税できる税金

多くの税金についての節税対策を知っておけば、納税の負担を軽減し、アパート経営の収支を改善する一つの手段となります。適切な対策を検討すれば、次のような税金の負担を軽減できる可能性があります。

● 所得税
● 住民税
● 固定資産税
● 都市計画税
● 事業税
● 相続税
● 贈与税


本記事では、特に所得税・住民税・固定資産税に注目して、節税の方法を紹介します。

【所得税・住民税】アパート経営において効果的な節税対策

アパート経営において発生する所得税や住民税は、次の計算式で求められます。

● 所得税額 = 課税所得金額 × 税率 - 控除額(※1)
● 住民税額 = 均等割額 + 所得割額
(所得割額 = 課税所得金額 × 税率 - 税額控除額)(※2)


つまり、課税所得金額を減らせば、結果として所得税や住民税を減らせます。以下、具体的な節税対策について見ていきましょう。

※1 参考:国税庁.「No.2260 所得税の税率」(参照 2026-06-02)

※2 参考:総務省.「個人住民税」.税額の計算方法.(参照 2026-04-16)

1.青色申告を選択して最大65万円の青色申告特別控除を受ける

確定申告において青色申告を選択すると、最大65万円の青色申告特別控除を受けられ、課税所得金額を減らせます(※1)。

青色申告とは、正規の簿記の原則(一般的には複式簿記)により記帳した上で、貸借対照表や損益計算書などを作成し、確定申告書に添付して提出する方法です。白色申告よりも手間がかかるものの、税制上のさまざまな優遇措置を受けられます。

青色申告を行う際は、事前に青色申告承認申請書を税務署に提出しなければなりません。また65万円の青色申告特別控除を受けるためには、アパートが「おおむね5棟または10室以上(事業的規模)」であり、かつ「e-Taxによる申告(または電子帳簿保存)」を行う必要があります。事業的規模を満たす場合であってもe-Taxなどを利用しない場合は「最大55万円」、事業的規模を満たさない場合(10室未満など)は「最大10万円」の控除となります(※2)。

※1 参考:国税庁.「青色申告特別控除」(参照 2026-04-16)

※2 参考:国税庁.「事業としての不動産貸付けとそれ以外の不動産貸付けとの区分」(参照 2026-04-16)

2.青色事業専従者給与を経費として計上する

先ほど紹介した青色申告を行う際、不動産貸付けが「事業的規模(おおむね5棟または10室以上)」で行われている場合に限り、生計を共にする配偶者や15歳以上の親族に支払った給与を必要経費として計上できます。

白色申告の場合でも似たような措置を受けられますが、配偶者は86万円まで、15歳以上の親族は50万円まで(この上限額と「事業所得等の金額 ÷ (専従者の数 + 1)」で計算した金額を比較し、どちらか低い方の金額が控除される)という上限が定められているため、節税効果を高めたい場合は青色申告を選択しましょう(※)。

青色事業専従者給与を計上する際は、事前に「青色事業専従者給与に関する届出書」を税務署に提出しなければなりません。さらに、以下のような条件を満たす必要があります。

● 届出書に記載した方法で給与を支払っている
● 届出書に記載した金額の範囲内で給与を支払っている
● 労務の対価として相当な金額である


上記の条件を満たしていない場合は、経費として認められない可能性もある点に注意が必要です。

※参考:国税庁.「青色事業専従者給与と事業専従者控除」(参照 2026-04-16)


3.損益通算により課税所得金額を減らす

損益通算を行うと、課税所得金額を減らせます。損益通算とは、一定のルールに従ってプラスの所得とマイナスの所得を合算する処理です。この処理によって課税所得金額が減り、結果として所得税や住民税の負担を抑えられます。

例えば、アパート経営において300万円の赤字が発生したケースを考えてみましょう。他に給与所得が500万円あったとすると、損益通算により以下のように計算できます。

500万円 – 300万円 = 200万円

アパート経営において多額 の初期投資やメンテナンス費用などが発生し、赤字となったときは、損益通算をうまく利用して課税所得金額を減らしましょう。なお、不動産所得の赤字のうち、土地を取得するための借入金利子など、一部損益通算の対象外となる費用もあるため注意が必要です。

4.減価償却費を経費として計上する

減価償却とは、アパートやマンションなど時間の経過によって価値が減少する資産を対象とし、その取得費用を定められた耐用年数に応じて分割し、計上していく処理です。建物の耐用年数は、以下のように構造によって異なります(※)。なお、これらはすべて「新築」の場合の耐用年数であり、中古アパートを購入した場合は耐用年数の計算方法が異なる点に注意しましょう。

● 木造の住宅:22年
● 鉄骨造の住宅(骨格材の肉厚が3mm以下のもの):19年
● 鉄骨造の住宅(骨格材の肉厚が3mmを超え、4mm以下のもの):27年
● 鉄骨造の住宅(骨格材の肉厚が4mmを超えるもの):34年
● 鉄筋コンクリート造の住宅:47年
● 鉄骨鉄筋コンクリート造の住宅:47年


その他、電気設備や蓄電池電源設備といった建物附属設備についても耐用年数が定められています。

また減価償却費の大きな特徴は、実際の支出を伴わないことです。接待交際費や会議費といった他の経費とは異なり、実際の支出がなくても、一定期間経費として計上できます。手元の資金を減らさずに節税対策を図れるため、忘れずに計上しましょう。

※参考:国税庁.「主な減価償却資産の耐用年数表」(参照 2026-04-16)

5.さまざまな経費を正しく計上する

減価償却費以外にも、さまざまな経費を正しく計上すれば、課税所得金額を減らせます。アパート経営において発生する主な経費は、以下の通りです。

● 修繕費:外壁の塗り替え・クロスの貼り替えなどのメンテナンスにかかる費用
● 管理手数料:不動産管理会社などへ業務を委託したときの手数料
● 損害保険料:地震保険や火災保険などの保険料
● 租税公課:固定資産税・都市計画税・印紙税・不動産取得税など
● 水道光熱費:アパート共用部分の水道代や電気代
● 借入金利息:アパート取得のための借入金に対する利息
● 広告宣伝費:アパートの宣伝や入居者募集などに関する費用
● 交通費:アパート管理のためにかかった電車代・バス代
● 新聞図書費:アパート経営に関する情報収集のための書籍代・新聞代
● 消耗品費:事務用品やパソコンなどの購入費用
● 交際接待費:アパート経営のために必要な相手との交際接待費用


アパート経営に関わる支出に限られますが、上記のような支出が発生したときは、忘れずに経費として計上しましょう。証拠資料として領収書などを保管しておくことも大切です。

【固定資産税】アパート経営において効果的な節税対策

土地や建物にかかる固定資産税は、アパート経営において発生する税金の一つです。固定資産税は、次の計算式によって求められます(※)。

固定資産税 = 課税標準額 × 1.4%(標準税率)

固定資産税の負担を抑えたい場合は、住宅用地特例を活用すると良いでしょう。住宅用地とは、アパートやマンションなどを建てるための土地を指し、下表のように面積に応じて課税標準額が減額されます(※)。


【用地の種類】小規模住宅用地(200m²以下の住宅用地)→【課税標準額】固定資産税評価額の1/6
【用地の種類】一般住宅用地(200m²を超える住宅用地)→【課税標準額】固定資産税評価額の1/3


アパートの場合は「戸数 × 200m²までの部分」であれば、小規模住宅用地と見なされます。例えば、全10戸のアパートの場合「10戸 × 200m² = 2,000m²までの部分」が小規模住宅用地と見なされ「固定資産税評価額の1/6」が適用されます。このような住宅用地特例があるため、更地や駐車場などにアパートを新築し、特例の適用要件を満たすことで、土地にかかる固定資産税の負担を軽減できる場合があります。ただし、アパート経営には建物の維持管理も伴うため注意が必要です。

※参考:総務省.「固定資産税」. ,(参照 2026-04-16).

アパート経営で節税対策を進めるときの注意点<

ここまで紹介したような節税対策により、納税の負担を軽減できます。ただし、節税対策を進めるときは、次のような点に注意しましょう。

● 経費として認められない支出もある
● 節税対策ばかりに注力しない
● 税務調査に注意する
● 少しずつ節税効果が低くなるケースもある
● 必要に応じて専門家に相談する


それぞれの注意点について詳しく解説します。

1.経費として認められない支出もある

前述の通り、多くの経費を計上すれば、所得税や住民税の負担を軽減できます。しかし、全ての支出が経費として認められるわけではありません。以下のような支出は、経費として計上できないため注意しましょう。

● アパート経営とは無関係の支出
● 所得税・住民税
● 借入金の元本返済分


経費として計上できるのは、アパート経営に関連する支出のみです。プライベートで発生した交通費やインターネット代、飲食代などは、経費として認められません。

また所得税や住民税はアパート経営をしていなくても発生するため、経費として計上しないように注意しましょう。借入金については、利息分は経費として計上できますが、元本返済分は経費として認められません。

2.節税対策ばかりに注力しない

アパート経営を成功させるためには、節税対策が重要です。しかし、節税したいからといって無駄な支出を増やして経費として計上するといった方法では、赤字が大きくなり、経営状況が悪化するかもしれません。事業に必要な支出かどうかを見極めながら活用することが重要です。

また節税対策ばかりに注力せず、適切な修繕やメンテナンスによって建物の価値を維持したり、空室対策によって家賃収入を増やしたりすることも重要です。

3.税務調査に注意する

アパート経営をしていると、税務調査の対象となるケースもあります。税務調査とは、確定申告の内容や納税額などが正しいかどうかをチェックする調査です。税務調査の中では、会計書類や領収書の確認、納税者へのヒアリングなどが実施されます。

税務調査の結果、不適切な会計処理や書類の不備などが見つかった場合、状況に応じて修正申告や追加納税などを求められます。ペナルティとして、重加算税の納付を求められる可能性もあるため注意しましょう。

前述の通り、全ての支出を経費計上できるわけではありません。経費についての理解を深め、正しい会計処理を心がけましょう。不安な場合は、税理士などの専門家に相談するのもおすすめです。

4.少しずつ節税効果が低くなるケースもある

長期的に見ると、少しずつ節税効果が低くなるケースもあります。例えば、減価償却費の計上による節税対策は、期間が限定的です。前述の通り、新築の場合、木造のアパートなら22年、鉄筋コンクリート造のアパートなら47年などと耐用年数が決まっており(中古アパートの場合はさらに短くなります)、この年数を過ぎると減価償却費を計上できなくなります。

またアパート経営をスタートするタイミングでは、多額の初期投資が発生する一方で、それ以降はあまり経費が発生せず高い節税効果を得られないかもしれません。節税によって得た資金を活用して再投資をしたり、適切な管理を通じてアパートの価値を向上させたりして、長期的に経営を続けていく視点が重要です。

5.必要に応じて専門家に相談する

必要に応じて専門家に相談することも大切です。税金や節税対策については税理士、空室対策やメンテナンスについては不動産管理会社など、内容に応じて適切な相手に相談しましょう。

【まとめ】アパート経営をするなら適切な節税対策を講じよう!

今回は、アパート経営において発生する主な税金や、効果的な節税対策などを紹介しました。アパート経営を成功させるためには、さまざまな節税対策を検討し、できるだけ多くの資金を手元に残すことが重要です。

青色申告特別控除や損益通算の活用、減価償却費の計上など、複数の対策を組み合わせて節税効果を高めていきましょう。

東京・埼玉・千葉でアパート経営をしているなら、株式会社中央ビル管理にご相談ください。個別具体的な税額計算や法的トラブルは専門家をご紹介する窓口となるほか、家賃滞納時も自社グループの家賃保証会社「株式会社ポラスアルファ」等の規定に基づいた適正な手続きを実施します。ポラスグループの総合力と地域密着型のサポートで、幅広いニーズに対応します。安定したアパート経営を続けるためにも、ぜひお問い合せください。

監修

(株)中央ビル管理 取締役 江本 昌央氏

所属/(株)中央ビル管理取締役 業務管理部部長 
保有資格/ 宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士

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