アパート管理でやることとは?管理方法の種類やメリット・デメリットも解説
賃貸経営
2025.07.16
更新日 2025.07.18
アパートの管理が適切でない場合、建物や設備の老朽化による資産価値の低下や空室リスクの増加につながる可能性があります。収益性の高いアパートを経営するには、自分に合った管理体制を選ぶことが大切です。
アパート経営を始めたものの「管理業務の内容が分からない」「一人で全てを管理するのは大変」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。アパート経営を成功させるには、物件の管理方式を理解し、アパートの規模や予算に合った管理方法を選ぶ必要があります。
本記事では、アパート管理の主な業務や管理方式、管理会社に委託する際の注意点などについて分かりやすく解説します。管理方法に悩んでいる方や管理会社の選び方が分からない方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
アパート管理をする際の主な業務内容
アパートを適切に管理するには、入居者対応や建物設備の点検・修繕、家賃の管理など、幅広い業務を行う必要があります。業務内容を把握し、適切に物件を管理しましょう。
具体的な業務内容は、大きく分けて以下の3つです。
● 入居者募集や審査などの入居者関連業務
● 建物のメンテナンスなどに関わる管理業務
● 家賃の回収などの金銭に関わる業務
入居者募集や審査などの入居者関連業務
アパート管理では、空室リスクを減らすために入居者を募集したり、入居者が決まったときに審査したりする入居者関連業務を行います。
入居者募集業務は、不動産会社と連携して進めていくのが一般的です。具体的には、不動産会社がポータルサイトに物件情報を入稿したり、賃貸借契約手続きを進めたりします。
物件の所有者(オーナー)は、市場価格や立地などを考慮して賃料を設定したり、入居予定者がどのような人物なのかを調べて審査したりします。審査を終えて入居が決まったら、入居者とコミュニケーションを取りながらトラブル対応や契約更新・解約手続きなどを行うという流れです。
建物のメンテナンスなどに関わる管理業務
アパート管理では、建物や設備のメンテナンスなどに関わる管理業務も行います。建物の外観・設備の劣化を修繕し、アパートの価値を下げないために行う業務です。
代表的な管理業務は、以下の通りです。
● 共用部分の清掃
● 消防設備の点検
● 建物・設備の劣化修繕
● 原状回復工事(退去時)など
建物の点検や修繕を計画的に進める一方で、水漏れや騒音など、入居者から寄せられるトラブルにもその都度対応します。アパートの価値を下げないようにする他、入居者が問題なく過ごせるように管理しなければなりません。
家賃の回収などの金銭に関わる業務
家賃の回収や滞納への対応など、金銭に関わる業務も行います。金銭管理業務では、期日までに指定口座に家賃が振り込まれているかを確認し、適切な方法で管理します。
万が一家賃の滞納があった場合は、入居者に再度支払うように催促しなければなりません。催促にも応じなかった場合、弁護士を通して法的措置を実施します。家賃の滞納は、アパートの経営やオーナーの生活に大きく関わるため、できるだけ早く回収することが大切です。
主なアパートの管理方式
アパートの管理方式には、主に以下の3つがあります。
● 自主管理方式
● 全部委託方式
● 一部委託方式
外部の管理会社に業務を委託する場合、全部委託と一部委託に分けられます。どの管理方式を選ぶかによって、オーナーが担う業務の範囲や負担、収益性が大きく変わります。アパートの価値を下げないためには、現在の経営状況や業務量に応じた管理方式を選ぶのがポイントです。
適切な選択ができるよう、どのような管理体制なのかそれぞれ見ていきましょう。
自主管理方式
自主管理方式とは、アパートの管理業務を管理会社に委託せず、オーナーが全て行う管理方式です。入居者対応や家賃の回収、設備点検などを全てオーナーが対応するため、管理委託費がかからずコストを抑えられます。
ただし、全ての管理業務を担うため、時間や手間がかかって業務負担が大きい点がデメリットです。不動産経営の知識やトラブル対応のスキルが求められる場面も多く、アパートの規模が大きいと管理が大変になる可能性があります。
全部委託方式
全部委託方式とは、外部の管理会社に全ての管理業務を委託する方式です。管理会社が対応するのは、入居者対応や金銭管理、メンテナンス、清掃などの業務です。
オーナーは、入居者審査や契約内容の確認など、アパート経営を適切に行うための意思決定を行います。例えば、建物の修繕の範囲や家賃の設定、入居者を審査に通過させるかどうかの判断は、オーナーの裁量に委ねられます。
委託費は高額になる傾向がありますが、日常的な管理業務から解放されるため、自主管理に比べて負担が小さいです。
一部委託方式
一部委託方式とは、一部の管理業務を管理会社に任せ、残りをオーナーが担当する方式です。例えば、家賃の回収や建物の清掃は管理会社に依頼し、入居者対応やクレーム対応などはオーナーが行うなど、業務を分担する方式になります。
必要な業務だけ委託するため、全部委託より委託費用を抑えられる点がメリットです。委託する範囲は、アパートの規模や経営状況、オーナーの判断によって異なります。
自主管理アパートのメリット
自主管理は手間がかかる反面、オーナー自身が物件の運営に深く関わることで得られるメリットも多くあります。具体的なメリットは、主に以下の3つです。
● 管理費用が軽減される
● アパート管理に対する意識が高まる
● 住民同士の交流が活発になる
どの管理方式が適しているかを見極めるためにも、詳細について知っておきましょう。
管理費用が軽減される
自主管理を選択すると、管理費用を軽減できます。管理費用は空室が続いていても支払わなければなりません。費用は管理会社によって異なりますが、家賃収入の5%が相場といわれています。
例えば、家賃収入が10万円だった場合、月々5,000円の管理費が発生することになります。年間に換算すると6万円になるため、長期的に経営を続ける場合は無視できないコストでしょう。
自主管理なら管理費用を支払う必要がないため、その分を利益や修繕費として確保できます。
アパート管理に対する意識が高まる
オーナーのアパート管理に対する意識が高まるのも、自主管理の大きなメリットです。管理会社を利用した場合、オーナーは日常の管理業務から解放されるため、物件の状態や入居者の声に対する関心が薄れがちになります。結果として管理体制がずさんになり、空室が続く可能性があるのです。
一方で、自主管理ではアパートの状況を自ら把握しなければならないため、建物設備の維持管理や住環境の改善に対する意識が自然と高まるでしょう。
住民同士の交流が活発になる
住民が協力してアパートを管理する体制が築ければ、住民同士の交流の活発化が期待できます。
住民が積極的にコミュニケーションを取れるようになれば、地震や台風などの災害時にも声を掛け合い、助け合う体制が自然と生まれます。住環境が上がることで、入居率を維持しやすくなるのもメリットです。
自主管理アパートのデメリット
アパートの自主管理は管理費用の負担を減らせたり、住民同士の交流が活発されたりする効果が期待できますが、その一方でデメリットがあります。
● 管理のための工数(時間)がかかる
● きちんと管理しないと資産価値が下がる可能性がある
● アパート管理の知識が必要となる
管理のための工数(時間)がかかる
管理のための工数(時間)がかかる点も、アパートを自主管理するデメリットの一つです。自主管理の場合、入居者対応や設備や点検、定期清掃の手配、会計処理、契約書の作成・確認などを全て管理しなければなりません。日常業務に加えて、突発的なトラブルが発生した場合は、すぐに対応する必要があります。対応が遅れると、入居者の生活に影響を及ぼす可能性もあります。
休日や夜間に呼び出される可能性もあるため、十分に体が休まらないケースもあるでしょう。すぐに駆け付けられるなら負担は大きくないかもしれませんが、アパートから自宅までの距離が遠い場合、時間と労力をかけて向かわなければなりません。
継続的なアパート経営を考えている場合、どこまでなら無理なく対応できるのか冷静に判断する必要があります。業務負担が大きい場合は、管理会社に委託した方がよいでしょう。
きちんと管理しないと資産価値が下がる可能性がある
適切な管理体制が構築できていない場合、アパートの資産価値が下がる可能性があるでしょう。例えば、共用部の清掃が隅々までしっかり行われていなかったり、設備の不具合や故障がそのままになっていたりすると、退去や空室の原因になります。
資産価値が低下したアパートは、売却時に低く見積もられる可能性もあります。期待していた出口戦略が実行できなければ、得られる利益が少なくなる場合もあるでしょう。
また、不適切な管理は、住民の暮らしの質低下にもつながります。例えば、給湯設備が故障すると、お湯が出なくなって入浴できない可能性があります。すぐに解決できれば問題ありませんが、長い間放置するとクレーム対応に追われる場合があるため、注意が必要です。
物件の価値や収益を守るためにも、日頃から丁寧で迅速な管理が求められます。
アパート管理の知識が必要となる
アパートの自主管理には、一定の専門知識が求められます。入居者対応や契約業務、建物の維持管理に関する基本的な知識がない場合、トラブルを適切に処理できず、かえって状況を悪化させる可能性があるためです。
アパート経営に必要な代表的な知識は、以下の通りです。
● 借地借家法・民法などの法律知識
● 損益・キャッシュフローの会計知識
特に借地借家法には、アパートのオーナーが不利益を被る恐れがあるルールが多く定められています。契約書で双方が一定の条件で合意した場合でも、法律が優先されるため、その特約が無効と判断されるケースもあります。自主管理をする際は、不利益を被らないためにも法律に関する知識を学ぶことが必要です。
その他にも、損益やキャッシュフローの会計知識が求められます。これまでに不動産経営をした経験がない方は、管理会社へ委託するとよいでしょう。
管理会社に委託した方が安心? 管理会社に委託する際の注意点
アパートの管理業務の負担が大きい場合は、管理会社への委託を検討しましょう。毎月の委託費は発生しますが、プロに依頼することで入居者対応やトラブル処理、定期的な点検などを効率良く進められます。
また、集客活動や家賃の見直しなど、アパート経営のノウハウを生かした提案をしてくれる管理会社もあります。経営状態が安定すれば、アパートの資産価値を維持しやすくなるでしょう。
その一方で注意すべき点もあります。適切な管理体制を築けるよう、注意点を知っておきましょう。具体的な注意点は以下の通りです。
● 管理会社選定は慎重に行う
● 自主管理よりも管理費が上がる可能性がある
● 管理会社とより良い関係を築いていく
管理会社選定は慎重に行う
管理会社の選定は、慎重に行いましょう。管理会社によって、得意分野や管理に対する意識、実績などが異なります。信頼できる管理会社であれば、入居者対応やトラブル処理、設備のメンテナンスまで丁寧に対応してくれるため、オーナーの業務負担の軽減が可能です。
例えば、クレーム対応のスピードが遅い場合、入居者の不満が蓄積し、退去や悪評につながるリスクがあります。そうした状況は、空室率の上昇や収益の悪化にも直結するでしょう。
管理会社を選ぶ際は、対応の迅速さや利用者からの評判など、目に見えにくい部分も含めて確認することが大切です。
自主管理よりも管理費が上がる可能性がある
管理委託を選ぶと、自主管理に比べて管理費が上がる可能性があります。先述した通り、管理費の相場は家賃収入の約5%です。月々の管理費が高くなれば、資金繰りに影響が出る場合があるため、契約時に無理のない金額かチェックする必要があります。
また、毎月の管理費だけではなく、更新時の事務手数料やしてシステム手数料などが別途発生する場合があります。契約時は、これらの費用も考慮して管理方式を選択しましょう。
管理費の総額が予算に収まらない場合は、管理体制を見直した上で一部委託への切り替えを検討するのも一つの方法です。
管理会社とより良い関係を築いていく
アパート管理を円滑に進めていくには、管理会社に業務を任せるだけではなく、連携も欠かせません。
管理会社は、アパートの経営を適切に進めるために委託された管理業務を行います。しかし、全てを任せきりにしておくと、期待していた効果が得られず経営が悪化する可能性があります。
このような事態を防ぐには、オーナーが当事者意識を持ち、お互いに話し合いながら管理業務を進めていくことが大切です。決して任せきりにするのではなく、協力関係として信頼関係を築きましょう。
不動産管理会社の選び方
不動産管理会社は、アパート経営のパートナーともいえる存在です。管理会社の選定次第で、日々の業務負担や入居者対応のスムーズさ、物件の稼働率などが大きく変わります。
一口に管理会社といっても、管理の質や対応のスピード、得意分野が異なります。管理会社選びに失敗すると、アパートの経営状態が不安定になる可能性があるため、事前に何を重視して選定すべきなのか把握しておきましょう。と具体的に見るべきポイントは、以下の4つです。
● 集客力があるか
● 評判や口コミが良いか
● トラブル発生時に早急に対応してくれるか
● 管理会社の経営状態が良いか
集客力があるか
候補となっている管理会社の集客力の高さを確認しましょう。アパート経営には、空室リスクが伴います。空室が続くと家賃収入が得られないため、資金繰りが苦しくなる可能性があります。そのため、集客力が高い管理会社に業務を委託し、さまざまな視点から多角的に空室対策をすることが大切です。
具体的には、ポータルサイトへの物件掲載数や写真の質、成約までの平均期間、持っている顧客ネットワークの広さなどをチェックしましょう。また、これまでの入居実績や行ってきた空室対策なども併せて確認すると、集客力を判断しやすくなります
評判や口コミが良いか
管理会社のWebサイトなどで、評判や口コミが良いかどうかを確認するのもポイントです。評判が悪い管理会社に依頼すると、管理の質低下や経営悪化を招く可能性があるでしょう。
しかし「トラブル対応がスピーディだった」「経営に関して具体的なアドバイスをしてくれた」などと前向きな口コミや評価があれば、信頼性があると判断できます。
ただし、口コミや評判はあくまで個人の体験に基づくものであり、対応者や物件の状況によっては期待していたサービスが受けられない可能性があります。実際に契約する際は、管理費やサービス内容なども考慮して判断しましょう。
トラブル発生時に早急に対応してくれるか
トラブル発生時の対応も忘れずに確認しましょう。トラブル対応がスピーディにできない場合、二次クレームや退去につながる可能性があるためです。空室が続けば、資金繰りが苦しくなる可能性があります。
トラブル時の対応の速さを確認するには、以下の2点を確認しましょう。
● トラブル報告から1時間以内に物件に到着できるのか
● 適切な人員で管理体制が十分に整っているか
例えば、人員不足の管理会社は、必要なときに素早く問題解決ができない可能性があります。管理体制がしっかりしていれば、突発的なトラブルが起きた場合でもすぐに解決できます。結果として、入居者の信頼を得やすくなるでしょう。
管理会社の経営状態が良いか
管理会社の経営状態もしっかり確認しましょう。アパートの家賃管理業務を委託した場合、管理会社に支払う手数料を差し引いた額がオーナーに振り込まれます。
しかし、管理会社の経営が不安定だと、家賃の振込遅延や、場合によっては資金が管理会社内で滞るといったリスクも生じかねません。そのまま経営が悪化して倒産や事業縮小が発生すれば、入居者への対応が滞って重大なトラブルにつながる可能性があります。
契約前に会社の財務状況や過去のトラブル例などを確認し、信頼できる管理会社かどうか見極める必要があります。
【まとめ】アパートの管理の質は賃貸経営の成功を左右する
アパート経営において、管理業務の質の高さは収益や資産価値に直結します。管理業務の内容や管理形式を理解することで、どのようにアパートを運営していくか判断しやすくなります。
アパート経営を長期間安定した状態で続けるには、経営状況や物件の規模に合った管理形式を選ぶことが大切です。人手不足や業務量の多さなどから適切に管理できないと判断した場合は、信頼できる管理会社に相談しましょう。
埼玉・東京・千葉のアパートの管理体制にお困りのオーナーの方は、管理戸数25,000戸超、賃貸仲介契約数4,500件超の株式会社中央ビル管理にご相談ください。
株式会社中央ビル管理では、募集力・管理力・商品力・グループ力の4つの力を生かし、オーナーさまのアパート経営をサポートいたします。募集業務や⼊居審査業務、家賃管理業務などの基本的な管理メニューはもちろん、収益アップのためのリフォームや将来的な売却などにも対応しています。
「どこに相談したら良いか分からない」「経験豊富な管理会社に相談したい」とお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
監修
(株)中央ビル管理 取締役 江本 昌央氏
所属/(株)中央ビル管理取締役 業務管理部部長
保有資格/ 宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士
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